~ 肌の合うひと~
肌寒い日々は去り体の芯まで冷える昨今である。肌触りのよい衣類に包まれ、肌の合うひとと過ごしたくなる。NHK短歌12月第3週は永田和宏が講師、題は 「肌」。特選の3首は
✿ 一席 やや暗い肌色と普通の肌色を混ぜてわたしの今朝の肌色
岐阜県 大田宣子
※ 朝、化粧した顔の肌がやや明るいのに安心したのか、穏やかな1日になる、と。
✿ 二席 土石流流れ崩れし山肌にも来年の春たんぽぽが咲く
大阪府 森本恵子
※ たんぽぽ と聞くだけで楽しくなる。まして土石流に傷ついた山肌に、、。
✿ 三席 肌色と呼ばなくなりしクレヨンの「薄だいだい」を夕空に塗る
奈良県 山上秋恵
※ クレヨンの肌色を「薄だいだい」と呼ぶようになったらしい。「肌」という言葉は人種
差別などにつながるからか。私は肌色に心が安らぐ、今も肌色のセーターを着ている。
12月21日のゲストは後藤正冶、ノンフィクション作家である。氏は「短歌を作りたくなるとき」について語る。例えば失恋したとき、などと。楽しいとき、よりも辛いときのほうが歌に近づくひとが多いかもしれない。わたしも母が亡くなった頃から詠み始めた、もう話しあうことのできなくなった母へ話しかける。返事は生前の母の言葉。あの世の母をこの世に呼びもどすように。「短歌は悲しみの器」と言われたりするが、俳句より少し長く話すことができる。
しかし、「短歌は言い過ぎないことですね」 という永田講師の一言、大切な一言だ
これ以上書くと書き過ぎになりますね、では又。 12月26日 松井多絵子 。