えくぼ

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なばなの里

2014-12-08 09:28:06 | 歌う

            ・・・・ なばなの里 ・・・・

★ 落葉の眠れる木々に電飾し人を集める、これだってイジメ   松井多絵子

 12月は物を売る人と買う人との試合の日々だ。お歳暮、Xmasプレゼント、正月の品々、商店は高く沢山売りたい。客はムダ使いを避け良い品を安く買おうとする。客を集めるために落葉した木々に電飾の厚化粧。わたしは長いこと電飾に馴染めなかった。しかし軽井沢やドイツ村のイルミを見てから、12月の楽しみはイルミネーションになってしまった。

 3日前、なばなの里 に着いた時は陽が沈みかけていた。辺りは野や畑がひろがり彼方の落日をゆっくり見ることができた。5時になると急に暗くなり、電飾がまるで歌いだすように広がる。人々の流れと共に歩く。光の雲海、ツインツリー、地上45メートルの展望台アイランド富士は空飛ぶ円盤みたいだ。入場したら宇宙へ行ってしまいそうだ。水上イルミネーションが足もとからひろがる。池のほとりの木々の紅葉がライトを浴びて「いよよ華やぐ」。木々たちも喜んでいるのだ。落葉する前に、陽の沈んだ後も沢山の人間たちに眺められることを。なばなの里は長良川の水辺にある。ライトが川や池を華麗にしているのだ。

 光のトンネルの200mに私は運ばれる、さらに100mの光の花々のトンネルに私を忘れる。メイン会場で見るナイアガラはスゴイ。光の瀑布が私に迫る。ドラマだ。光のドラマだ。

      ★ 青き滝の赤にも変わる電飾のナイアガラを見下ろす歪な月は

 私は夜空を見上げる、星のない空、丸くない月が見下ろす「ナイアガラ」、ほんもののナイアガラも同時に見下ろしているだろう。「人間は変わったことをするなあ」と思いながら?

      ★ 光の花のトンネルぬければ鏡池

 12月なのにまだ落葉しないモミジ、池の中のモミジが私を捉えて離さない。数日後には葉を失うであろう紅葉が目にしみる。鏡池を最後に出口へ向かう。暗闇にもどる。

     3日前の なばなの里 の夜は夢だったような気がします。でも入場券が。

                           12月8日  松井多絵子