~ 大人たちの嘘 ~
♠ いつまでもアナタは若く健やかに、コマーシャルの嘘が流れる 松井多絵子
「なぜ大人は嘘をつくのか?」 女優・藤野涼子と作家・高橋源一郎の対談が今朝の新聞に、二人の全身の写真とともに載っている。映画 ▼ 「ソロモンの偽証」の広告である。3月7日全国公開のこの映画は作家・宮部みゆきのミステリー大作の映画化、私は原作を読んでいないので、広告に添えてある次のようなSTORYを引用する。
クリスマスの朝、雪の校庭で男子生徒が転落死した。警察は自殺と判断するが、殺人を目撃した者からの告発状が学校に届き、生徒たちは混乱。さらに不可解な事件が次々と起こる。過熱する報道、無力な学校と親。その死は自殺か。殺人か。誰が何のために嘘をついているのか。隠された真実を暴くため、中学生による前代未聞の学校内裁判が始まる~
「真実をより求めたくなるのは子供の方が真実に敏感だから」と発言するのは女優・藤野涼子である。藤野は2000年神奈川生まれ。 「心を偽って生きている大人ほど物事を曖昧に穏便に済ませる」の発言は作家・高橋源一郎。1951年生まれだから藤野涼子より半世紀も早く生まれている。爺と孫の語らいだ。しかし嘘をつくのは大人だけだろうか。子供だって嘘をつくことは、自分が子供だった頃を思えば、思い当たるだろう。子供より大人の方が上手に嘘をつくが。人間はみな嘘をつきながら生きているのではないか。
♠ 苦しまず逝きしとう嘘あたたかく我はうなずき供花にふれる
もし嘘をつかなかったら人を苦しめることもある。肉親が苦しみながら息を引き取ったなどと聞かされたらとても辛い。あなたがイヤになった、新しい彼と将来は結婚したい、などとまともに云えない。「私はわがままな女、結婚してアナタに嫌われたくないの」。こんなあたたかな嘘だってあるのだ。ときには嘘は人間関係の潤滑油にもなる。心に正直に生きられる人は残念ながら、あまりいないような気がする。
藤野涼子ちゃん、 セーラー服がよく似合っていますよ。
2月27日 松井多絵子