・・・ 漫画家・岡崎京子のこと ・・・
♠ いつの日か笑えるだろう今われの笑えぬ漫画が書棚にならぶ 松井多絵子
下北沢はわたしのおなじみの町である。遊歩道を散歩し商店街を歩く。歩数は約7千歩。岡崎京子は散歩中に飲酒運転の車にはねられ、重傷。以来19年もリハビリを続けている。漫画を描くことはできない。下北沢で生まれ、デザインを学び83年に漫画家としてデビュー。当時東京に暮らす女の子たちの 「生きづらさ」と「したたかざ」 を描き注目された。
「あたしはあたしがつくったのよ。あたしがあたしになったのよ」 映画化された「ヘルタースケルター」の主人公のセリフは話題になった。美しい顔や体を夢みて整形を繰り返すモデルが転落してゆく過程を描いた作品は若い女性たちを感動させた。岡崎京子は今51歳。おんな盛りの30代になった頃、彼女の作品が光り始めた頃の災難だ、痛ましい。
企画した学芸員・庭山貴祐は 「少女たちの夢やあこがれを紡ぐ少女漫画とは対照的に『現実』にぶつかる不安や絶望など等身大の女性を描き、漫画界でも突出した存在。ケータイもネットもない時代の作品なのに、古臭い感じがなく今も読まれている」と語る。
✿「岡崎京子展」は世田谷文学館 (京王線芦花公園駅南口徒歩5分) 3月31日まで。
午前10時~午後6時(入場は5時半) 月曜休館 一般800円、小中学生300円
65歳以上と高校・大学生600円
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✿ 現代短歌新人賞決定
第15回 「現代短歌新人賞」は 富田睦子歌集 『さやの響き』に決定
富田氏は昭和48年愛知県生まれ。 「まひるの」所属
(中村稔 馬場あき子 篠弘 小池光 栗木京子の5氏により選考)
♦ 表彰式は大宮ソニックシティ市民ホールで開催。
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