ピアニスト、デイヴブルーベックの作品。作られた年月ははっきりしない。でもマイルスがレギュラークインテットを組む前、多分'54年か'55年にすでにこの曲を録音している。かなりいい出来だ。この頃すでに少なくともミュージシャンの間では認められていたということだ。同じ業界のミュージシャン、それもトップクラスの人たちに認めてもらってレコーディングされるというのは大変なことで、これはデイヴブルーベックが作曲家としても認められたということだ。曲の中身に触れてみよう。全体を見渡して言えることは、段落ごとのみごとな色彩感の変化だ。形式としてはA-A-B-A,8小節単位でなんの変哲もない。そしでセカンドブリッジと言ったらいいのかヴァンプとでも呼ぶべきか、A♭ペダルの8小節の部分が組み込まれている。この発想が素晴らしい。トナリティーはフラット2つと言っていいだろう。最初平行調のⅡ-Ⅴ-Ⅰ、もとにもどってⅡ-Ⅴ-Ⅰ、キーのⅥ♭にあたるG♭のⅡ-Ⅴ-Ⅰ、このキーはサブドミナントの扱いだ。この8小節を2回やってブリッジ、DMのⅡ-Ⅴ-Ⅰを2回やってCMのⅡ-Ⅴ-Ⅰ、その後アタマの8小節にもどるためにちょっと工夫された部分があるが、最後はB♭のⅡに対するドミナントでアタマにもどる。実際に演奏してみるとグルグル回るⅡ-Ⅴ-Ⅰとトナリティーの違いによる色彩感の変化に聞きほれてしまう。最高の素材だ。次回もうちょっと曲の分解を・・・・。
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