デュークの名前が先に来てるけど、契約的にはコルトレーンのアルバムだ。でもそういうことは、音楽産業の中のいわば些事で、ミュージシャンの間ではあまり気にするようなことではない。デュークエリントンはトレーンにとって偉大なジャズ界の先輩なのだ。曲目もふたりで相談して選んだあとが見て取れる。二曲目のトレーンの名前をもじったブルースもふたりのいい関係がわかるよね。演奏の内容はかなりラフだ。ミスも多い。でもこのアルバムはミュージシャン達の"Favorite Album"だ。雰囲気、空気がジャズなんだ。話はちょっとそれるけど、ジャズ界の世間でいう、いわゆる縦関係のことだ。二十数年前、ボクは渡辺貞夫さんが日本に連れてきた、ルイスアンドレというドラマーとバンドを組んでたことがあった。歳はボクよりちょっと下だった。ボストン生まれの白人のナイスガイだ。ある時、バンドのリハーサルで昼間ルイスと一緒に銀座のジャズクラブへ行った。そしたら、なぜかそこにその当時日本に住んでたドナルドベイリーさんがいたんだ。彼とはそのころ、よく仕事してた。いつもの調子で気軽に挨拶したら、ルイスの態度がいつもと違う。なんと直立不動になって、自己紹介をはじめたんだ。真剣な目つきだった。ベイリーさんは、スリーサウンズや、スタンレータレンタイン、それにコルトレーンのバンドにもいたことがある大ベテランで個性派ドラマーだ。そのことは知ってたんだけど、ルイスの謙虚な態度をみて、いままでの自分の無礼な接し方に気がついた。音楽の厳しさを分かっていたら、それをやりぬいて来た先輩には特別の敬意を払うべきだ。それができないんだったら音楽の分からない素人と同じだ。
僕は二十歳頃、ルイスと日本人の奥さんの作ったロック系バンドで一緒に一年くらい活動していました。彼らはその後、どううされたかご存じでしょうか?
そうですか、まったく同じような時期ですね。
女の子はリサちゃんといい、可愛い子だった記憶が。
米国のロックバンドのジャーニーの武道館公演の時に、ルイス親子と一緒に、スティーブスミスの好意でプレス席に招待されたことを覚えています。
僕達のロックバンドは芽が出ず、その後、僕はサラリーマンになり、出版社をつくりました。
ルイスの情報につい懐かしくて、コメント書かせていただきました。ありがとうございました。
そのうち、土井さんのステージも見に行かせていただければと思います。