ジャズピアニストのジャズ批評

プロの耳で聞いたジャズをミュージシャン流に批評。

Duke Ellington & John Coltrane

2006-05-25 04:30:43 | Weblog
デュークの名前が先に来てるけど、契約的にはコルトレーンのアルバムだ。でもそういうことは、音楽産業の中のいわば些事で、ミュージシャンの間ではあまり気にするようなことではない。デュークエリントンはトレーンにとって偉大なジャズ界の先輩なのだ。曲目もふたりで相談して選んだあとが見て取れる。二曲目のトレーンの名前をもじったブルースもふたりのいい関係がわかるよね。演奏の内容はかなりラフだ。ミスも多い。でもこのアルバムはミュージシャン達の"Favorite Album"だ。雰囲気、空気がジャズなんだ。話はちょっとそれるけど、ジャズ界の世間でいう、いわゆる縦関係のことだ。二十数年前、ボクは渡辺貞夫さんが日本に連れてきた、ルイスアンドレというドラマーとバンドを組んでたことがあった。歳はボクよりちょっと下だった。ボストン生まれの白人のナイスガイだ。ある時、バンドのリハーサルで昼間ルイスと一緒に銀座のジャズクラブへ行った。そしたら、なぜかそこにその当時日本に住んでたドナルドベイリーさんがいたんだ。彼とはそのころ、よく仕事してた。いつもの調子で気軽に挨拶したら、ルイスの態度がいつもと違う。なんと直立不動になって、自己紹介をはじめたんだ。真剣な目つきだった。ベイリーさんは、スリーサウンズや、スタンレータレンタイン、それにコルトレーンのバンドにもいたことがある大ベテランで個性派ドラマーだ。そのことは知ってたんだけど、ルイスの謙虚な態度をみて、いままでの自分の無礼な接し方に気がついた。音楽の厳しさを分かっていたら、それをやりぬいて来た先輩には特別の敬意を払うべきだ。それができないんだったら音楽の分からない素人と同じだ。


5 コメント

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ルイスアンドレさんは今どこに? (池田)
2013-04-22 16:20:56
はじめまして。
僕は二十歳頃、ルイスと日本人の奥さんの作ったロック系バンドで一緒に一年くらい活動していました。彼らはその後、どううされたかご存じでしょうか?
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ルイス アンドレ (土井一郎)
2013-04-24 02:57:17
そうですか、なつかしいです。ルイスが渡辺貞夫さんのバンドを離れてからそういう活動をしていたのは知っています。そういう活動と平行してジャズの活動もやっていました。ボクが一緒にやっていたころは池田さんとかぶっているかもしれません。奥さんにお会いしたこともあります。女の小さなお子さんもいました。その後いくつかのバンドでルイスが叩いているのを見たこともあります。英会話の教室を開いていたのも知っています。ベースのグレッグリーがその教室がちゃんとやっていけてるみたいなことを言っていました。でもボクが最後にルイスに会ったのは1982年、もう30年以上も前です。確かな消息は知りません。
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Unknown (池田)
2013-04-24 16:05:18
ご返信をいただきましてありがとうございます。
そうですか、まったく同じような時期ですね。
女の子はリサちゃんといい、可愛い子だった記憶が。
米国のロックバンドのジャーニーの武道館公演の時に、ルイス親子と一緒に、スティーブスミスの好意でプレス席に招待されたことを覚えています。
僕達のロックバンドは芽が出ず、その後、僕はサラリーマンになり、出版社をつくりました。
ルイスの情報につい懐かしくて、コメント書かせていただきました。ありがとうございました。
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リサちゃん (土井一郎)
2013-04-25 00:02:18
そうです、リサちゃんでした。スティーブスミスも思いだしました。ボクとルイスが六本木のボディー&ソウルでライブをやっていた時に彼が訪ねてきました。3人でメシを食べに行ってそのあとルイスの車でスティーブの泊っていた京王プラザまで送って行きました。いやあ、ありがとうございます。昔のことを思い出すと若返ったようです。
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京王プラザ (池田)
2013-04-25 11:08:44
たしかジャーニー日本公演の宿泊先も京王プラザで、夜にスティーブスミスの部屋に押しかけて話し込んだのも思い出しました。音楽の才能ゼロの僕は、ルイス夫妻の役にも立たずご迷惑をかけました。今でも下手の横好きでギターはいじってるんですが、、
そのうち、土井さんのステージも見に行かせていただければと思います。
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