ジャズピアニストのジャズ批評

プロの耳で聞いたジャズをミュージシャン流に批評。

In Walked Bud

2013-12-06 08:40:13 | Weblog
「バドパウェルがやってきた」・・・1947年に発表されたセロニアスモンクのこの曲は1968年のモンクのアルバム「Underground」でジョンヘンドリックスが歌詞をつけて歌っている。それ以前からすでにスタンダードとして存在していたが、「Underground」というアルバムがインパクトが強く、ヘンドリックスの歌も良くてより有名になった。基になっているコード進行は「Blue Sky」だ。そっくりそのままというわけではない。A-A-B-AのAの部分でもわずかに手を加えている。Bの部分はだいぶ違う。サブドミマイナーを使う発想は同じだけど・・・。ヘンドリックスの歌詞はジャズジャイアントをたたえる内容だ。登場人物はディジーガレスビー、そしてOP・・オスカーペティーフォード、ドンバイアス、そしてもちろんモンク、パウエル。ヘンダーソンがむしろモンクの身になって人物を選んだ感じだ。モダンジャズピアノ・・・ビバップ・・・バドパウエル・・・一体、ほぼ同義語だ。モンクもやはり年下の天才バドを認めていたのだろう。お互いにどういう情報交換をしていたのか知るよしもないが、まさにビッグ2だ。この曲が発表された1947年というとモンクは30歳、モンクはそれ以前に盛んに曲作りをしていた。ジャズのクラシックスタンダードとも言える楽曲がこのころすでに出来上がっていた。その後何度もいろんなミュージシャンに演奏され録音されて現在にいたっている。Irving Berlinの作った曲がモンクのインスピレーションにヒットしてスタンダードとして残る、これはジャズの世界に限ったことではないけど、音楽の世界に盗作云々はナンセンスとも言えるのだ。

アンダーグラウンド+3
セロニアス・モンク,チャーリー・ラウズ,ラリー・ゲイルズ,ベン・ライリー
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル



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