寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

それは名誉なり…7

2011年11月16日 09時03分21秒 | 日記
「ねえ、聞いているの」ふと気がつくと長原部長が睨み付けていました。
「ああ…」生返事を返すと河田部長はネクタイに手を掛けます。
「子供の名前だろ…」かすかに耳に残っていた記憶でした。
「そうなんだ、やっぱり忍がいいだろう…♪」
長原部長は同意を求めてきました。
「しのぶ?女の子で決まりなのか…」
俺はどっちでもよかったね(苦笑)
「いや、まだ訊いてないけどね…」
「まだ…?」
じゃあ男ならどうするんだ… !
「そう、どっちかわからないけど大丈ブイ(笑)なのよ♪」
「……?」
「いいかい♪」
長原部長は嬉々としながら「しのぶでしょう…これって男でも女の子でもOKだからさぁ」「……?」
「だからさぁ♪」焦れったくなった長原部長は声をあげました。
「大竹しのぶもいるし福原忍もいるじゃんか「福原…?」
「阪神にいるじゃん、ピッチャーだよ。」
「ああ」
なるほど忍は男にも女にもある名前なんだ。 ようやく河田部長は理解できました(笑)
「でさぁ♪名前の由来知りたくない?」
河田部長は苦笑いするしかありません。
小さく手を振ると「折角だけど由来は今度聴かせてもらうよ」

それより時間が…
時計はもう2時半を大きく回っていました。「いけない!」
「ありゃあ!」
二人は慌てて席を立ちました。
隣の…つまりマクドから歩いて4、5分に表彰式のホテルはありました。
とくに時間は決めてありませんが3時からの式典です。早めに行って役員を待つのがサラリーマンの勤めでした。
〓一流企業の部長職にあっても所詮はサラリーマンでした…
いえサラリーマンだからこそ、役員(上司)の前では忠実でなければなりません。
「なんだあいつ…」
役員に少しでもにらまれたらもういけません!!
次のボーナスはおろか役職さえ危うくなってしまいます。
逆に「なかなかやるなぁ♪」
お墨付きを頂くとボーナスはニッコリ、次の昇給も楽しみになるのです。
まあ、会社勤めなんて所詮は人間同士が絡み合った感情の世界であるのです(笑)

ところで二人は泡を食っていました。
??マクドでハンバーガーじゃあなかったの?(冗談)
走りに走ってホテルまづ駆けつけました。
表彰式のあるホテルはさすがに天下のMPが催すだくありました。 重厚な大理石造りの巨大な玄関でした。
全体もヨーロッパの中世のお城を想わす巨大な造りが他を圧倒していました。
玄関には大勢のベルボーイが並んで来賓の迎え入れをしています。 時間前でした。
次々に黒塗りの高級車が乗り付ける合間を二人は小走りに縫うように現れました。
しかし役職とは恐いものですね。
玄関前にいる人は誰一人ただ者はいません。みんな各社の役員クラスであります。
小柄な人大降りな人太目、やせ形…千差万別ながら一様に貫禄があり何処と無く品がありました。
そんな中先ほどの二人が出てきました。
「おい、社長はどこにいる?」
「う~んまだみたいだぞ」
息を切らせて周りを見渡しますが黒田社や鬼塚専務の姿がありません。
「おい、」
「なんだよ」
「確か高村(私です)さんの車に専務だったよな…」
「ああ…」
見渡しながら河田部長は首を捻りました。
「そう高村さんは40分に出ると言っていたがなぁ」
確かに事前のスケジュールでは昼食のあと40分に出て45分到着になっていました。(関係者談)
「おかしいなぁ」
河田部長が時計に目を落としました。
「うん!?……ギャア~!!」「と、どうしたの!」
「とと とと…」
「 どうしたの!?」
「時計が止まってる!!」
「ビェ~!!」
二人は天下のニューオオ○○ホテルの玄関で泣き叫びました(笑)

実際私たちは二人が気がついたころ…つまりマクドで駄弁(だべ)っていたころに役員さんを降ろしていました(笑)
あの時佐川本部長が辺りを見渡し「あれ?二人がいないなぁ…」なんておっしゃっていましたっけ(笑)
しかしそれだけで、社長は元より鬼塚専務や宮崎役員は整然とホテルに入って行かれました。
お咎めは?
いまのところ聞きませんが…(笑)
あの時高辻役員だけは何か鋭い目付きで辺りを眺めていらっしゃいましたが… まさか二人が遅刻したとは私も気がつきませんでしたね(笑)

果たして…
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それは名誉なり…6

2011年11月15日 08時34分31秒 | 日記
どうも長原とは合わないわ…
河田部長は感じていました。
こんなノー天気な奴でも何か得るものがあるんじゃあないかと期待してきたのですが…
長原部長は天下太平にポテトを旨そうに頬張っているだけです。
「お前は気楽でいいよなぁ♪」
つい愚痴っていました(笑)
「じ、冗談じゃあないよ~」
長原部長は口をとがらかせて抗議です(笑)
「俺だって悩みくらいあるから…」
「へえ~どんな悩みだい」
どうせ大したことじゃあないくせに…
「あのねえ…俺だって仕事やプライベートで悩むことあるんだから!」
「プライベート…プッ!!」
思わず吹きました♪
去年結婚した長原部長は 奥方が妊娠中でした。
「何が可笑しいのよ…」
「ゴメン、ゴメン」 そう怒るなよ…となだめながら
「で…どんな悩みなんだい?」
暇潰しに聞いてみると、以外や長原部長は真顔になり「聞いてくれるの♪」
乗り出してきました。 「え!まあ聞くけど…」あんまり顔を近づけなさんな(苦笑)
後ろに下がりたい気持ちを押さえました。
「うちのかみさん今これだろ」
お腹の辺りに手で空を切りました。
「ああ…おめでたらしいね」
「そうなんだけど…」
そう言ってポテトを掴んで口に放りこみます。バクバク♪
どうもこいつの頭の中を見てみたいものだ(苦笑)
悩みを打ち明けるにしては軽すぎました。
河田部長は黙って見ていると、
「実はさぁ…」
口の中にはポテトが残っていました…
コーラをガブガブ飲み干すとさあ!といった様子で「生まれてくる子供がね…」
「あ あ… 」
河田部長はもうどうでもいいやと思い始めていました。
「でさぁ…○…○…」
河田部長は時計を見ていました。
2時前です。3時からの表彰式に出るのに2時40分くらいに入ればいいだろう。
ここから式のあるホテルは目と鼻の先でした。
「おいおい!!聞いてるの!!」
長原部長のがなる声で我に返りました。
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それは名誉なり…5

2011年11月14日 05時02分12秒 | 日記
お昼時のマクドナルは混んでいました。
私ら年代は(50代)お昼にマクドなんて、何か一食損した気分になるものですが、最近の人はなんの抵抗もないのでしょうか(笑)
年代の違い嗜好の違いを感じる昨今です。その微妙な年代がこのお二人さん(笑)
河田部長は48才長原部長は47才…です。 部下には20代もいるでしょう(笑) 幾らか彼らの感性に馴染もうなんて気を起こしたらろくなことはありません(笑)
若い世代を知ろうとする背景にはやっぱり若い女の子にモテたい助ベエ心があるからだと私は睨んでいます(爆笑)
まず感化しやすいのは長原部長でした…
「長原…お前旨そうに食うなぁ」河田部長は呆れていました。
回りの同じようなサラリーマンも服装や髪形がやっぱり違いました(笑)
今時河田部長みたいな七三なんて髪形はありません(笑)
ぐるりと見渡した河田部長は居心地が悪そうで落ち着かない様子です。
店内に満ちている笑い声、おしゃべり…ここにいるお客はみんなそれぞれに勝手にしていてしかも周りを気にしている様子もありません。
「落ち着かないよなぁ」と思っていたら長原部長は全く意に介しません。それを見ているとこいつ鈍感なのか溶け込みが早いのか…
呆れながらしみじみ眺めていました(笑)
「食べないの…」
長原部長から言われ河田部長は苦笑いをしました。
「上じゃあ何万円かの飯を食っているぜ♪」
「ほ♪」
妙な声を発して長原部長は前に垂れてきた髪を撫で上げます。
頭部のほとんどが禿げ上がっていて(まだ若いのに…)、唯一側頭部にある髪を反対側まで 延ばしていました。
それがうつむいた拍子に垂れ下がってきたのです(笑)
「大変だな…」又々苦笑いするしかありません(笑)
「で…なんだっけ!!」 チキンの脂ぎった指をなめなめ長原部長は顔を上げますが、
「いや、もういいよ」首を振っていました。 大体この長原部長は切り替えが早いと言うか、とにかく落ち込むことがありません。
「うん?何か言いかけたんじゃあないの…」「ああ…」
なんだ、聞いているじゃあないか…
社長以下役員たちが何万円もする食事をしているのにこっちはマクドのバリューセットです。全く情けないよ…
「はぁ~」
「河田さん、どうしたのよ…」
「どうしたもないもんだよ(嘆)」
「会社じゃあ部長で通っていてもマクドじゃあなぁ… 」
その辺りにいるがさつな若い社員となんら変わりありません(笑)
「え?旨いけどなぁ♪」どこ吹く風の長原部長に話しても始まらないのはわかっていました。
「それよりさぁ」
「なんだよ(怒)」
「佐川本部長だけどさぁ…」
「本部長…?」
「そうさ最近大人しいよなぁ」
「そりゃあ仕方ないだろ!」
今年の役員昇格で絶対視されていた佐川本部長はなぜか見送られました。
そして代わりに新事業部長は臼井さんになっていて新体制で出発しているのです。
「だよなぁ…」
二十年来の付き合いのある長原部長だからこそかえって聞けないことでした。
「今ごろ佐川さんどんな気持ちで飯を喰ってるんだろうね…」
役員人事の決定権を握っている黒田社長や鬼塚専務、宮崎役員
が揃っていました。
「う~ん」
唸りながら長原部長は二本目のチキンにかぶりついていました。
「おいおい(苦笑)」
ほんとうに二十年来の仲間なのかよ…
「だって俺にどうしろと言うんだよ」
「おっ、開き直っていやがるよ」
こいつ本当に気にしているんだろうか?
河田部長は疑いますが、元々自分にも関係ない話でありました。
ただ気になるのはどうしてダメなのかーどうしたらOKなのか…
いずれ自分にも同じような立場になることを考えると河田部長は呑気にハンバーグを食べてはいられませんでした。
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それは名誉なり…4

2011年11月11日 08時51分05秒 | 日記
「ちょっとお姉ちゃん!」
「おいおい(苦笑)」 河田部長が慌てて長原部長を止めました。
「マクドでそんな呼び方は止めろよ…」
「え!どうして…」
マクドは昼休みで混雑しています。
「お前なぁこんなところで恥かかすなよ」
「どうして…」
長原部長は平然としていますが、回りの人がじろじろみていました。
「見ろよ、お前が変なこと言うからみんなお前を見てるじゃあないか…」
「俺は平気だよ!」
「お前は平気かも知れないがついでに俺の方も見るからなぁ(苦笑)」マクドだけに若いサラリーマンが多いのでした。

「河田さん俺は頼んだよ…」
河田部長は長原部長に気をとられて自分の番になっていました。
「ああ、えーと…」
「後ろがつかえていますよ(笑)」
「う~ん、じゃあ同じでいいよ…」
「はい、じゃあチーズバーガーとフライドチキンでよろしかったですか」
マクドの店員が笑顔で訊ねます。
「ああじゃあそれで…」
渋々うなずきますが、 俺はチキンは苦手だったけど… (苦笑)
「だから長原とめしを食べに来るのは嫌なんだよなぁ…」
ぶつぶつ言いながら席につきました。

長原部長はすでにうまそうにパクついています。
こいつめしを喰うときは実に幸せな奴やなぁ~あきれていても仕方ありません。河田部長も負けずに食べ始めていました。
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それは名誉なり…3

2011年11月10日 07時13分17秒 | 日記
お昼の懐石は高額で私たちが箸を出せるレベルではありませんでした。
もっとも役員さんたちだってポケットマネーじゃあとても席につかないでしょうね(笑)
こんなお店は接待かほんとうのお金持ちの方が利用するのでしょうね。
話がだいぶん逸れましたが…(笑)
飛行機が時刻ちょうどきつき黒田社長が登場です。
その姿はすでに一流企業の社長の貫禄が漂っていました。
新社長として就任されて早いもので一年ですが すでに社長の重責を果たして自信が満ち溢れていました。
社長の姿が現れるや鬼塚専務以下全員が最敬礼であります。
あの鬼塚専務が頭を下げるのを見るのはこの時くらいです(笑)
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
鬼塚専務を頭に全員が横一列に並んでごあいさつであります。
まるでヤクザの出迎えみたいですよ(笑)

運転士(私の同僚)が後部のドアを開けています。
「おう」
如何にも上等そうなグレーの渋目のスーツを身にまとい黒田社長は颯爽と乗り込まれました。以前ご紹介しましたが、役員になればまずスーツの仕立てをします。あの高級紳士服の英国屋で誂える訳ですが、80万円ですよ。もちろんシャツやネクタイは別だし、靴も別で~す(笑)そしてこれが驚いたことに掛かった費用は一切会社から支給されるのですよ(羨望)…気を直して話を続けましょう(笑)これが続いて宮崎役員、佐川本部長です。
同時に私の車には鬼塚専務と高辻役員です。 さあ出発!!
ち、ちょっと松茸(笑)まったけ…
長原部長は!?
トホホホ(笑)
取り巻きは本部長までです(笑)
五千円の懐石は?
はい!ナッシングで~す(笑)
高級ホテルの食事は五人でした(笑)

やっぱりサラリーマンは出世はしないとだめですねぇ(笑)
長原部長や河田部長は別に電車での移動になりました。
車で伊丹空港から市内のホテルまで約30分足らずです。
阪神高速はこの時間帯は空いているのでスイスイであっというまにホテルに到着です。

私たちは社長以下役員さんを降ろして待機になります。
待機の時間は一時間半です。
この間にlunchを済ませようと移動しました。 直ぐの信号まできて見慣れた一行を見つけました。
河田、長原両部長です。他にも何人か一緒にいますが、私たちの車には気がつきません。 ちょうど赤信号なのでどこへ行くのか見ていると、
マクドに入っていきます♪
マクド…マクドナルドですね。関東ではマックと呼ぶらしいのですが、とにかくあの100円バーガーのマクドです(笑)
しかしエライ違いですね…
同じ会社にいながら片方は高級スーツに専用車、一人五〇〇〇円の食事をしています。
「いいめしを喰いたかったら出世しろ!」
と雄弁に語っているのでしょうね(苦笑)

長原部長はヘラヘラ笑いながらマクドに消えていきました…
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