寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

猫に鈴をつけるのは誰か…6

2011年05月31日 10時25分07秒 | 日記
はい!』加藤課長の声は哀れにも裏返っています。『あぁ加藤課長、コーヒー頼むよ』『は、はい、たった今!』
さ~エラいこっちゃあ!
専務の休憩にコーヒーを…と内線していたらなんと本人が受話器に出てきましたよ(笑)
加藤課長は急いで非常ドアから外へ出ました。掛けた内線は6階の総務のはずです。 エレベーターなんか待っていられるか!
非常口から飛び出して階段を降りて、ふと気がつきました。
『6階…』なぜ専務が6階にいらっしゃるのだろう。 7階の会議室から下に降りたのでしょうが…
『あ…訳分からないよ』
兎に角加藤課長は三段飛しで階段を駆け降りました。 6階に降りるや扉を開いて入りますと、絶句でした!
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猫に鈴をつけるのは誰か…5

2011年05月30日 15時22分44秒 | 日記
河田部長は自分のピンチをどう凌ごうか考えていました。納期遅れは工場の責任だがそれを面と向かって発言すると同席している工場長の顔をつぶすことになるなぁ…工場長は河田部長の大の協力者つまり派閥の長なのでした。『え~い、なるようになりやがれ…!』A型人間の開き直りでしょうか(笑)河田部長は自棄っぱちになりながら喫煙室に向かいました…普段はタバコを吸わないのですが気分転換でたまに吸ったりする河田部長でした。一方加藤課長は準備に掛かり付けです。『課長…お忙しいですか』後ろから声を掛けてきたのは総務の岸川さんでした。…忙しいに決まってるだろう!つい怒鳴りたくなるくらい岸川さんはのんびりムードです。『なに!』加藤課長の剣幕に押されて岸川さんは一瞬たじろぎました(笑)しかたないなぁ『何ですか?』思い直して尋ねると『あのぅ専務が休憩に入られますが…』『えー!どうして早く言わないの…』『はぁ…』加藤課長は怒鳴ると同時にすっ飛んでいました。専務の打ち合わせはまだまだ終わらないだろうと高を括っていました…それが急に休憩だなんて…舌打ちしながら階段を二つ飛ばしに上がりました。7階に
は専務がいるはずでした。上に上るや中川さんが待ち構えています。『専務は休憩だって?』『はい!只今喫煙室にいらっしいます』そうか!反応も聞かずに内線電話に飛び付きました『もしもし!』『はい』のんびりした口調…6階の内線電話に出たのは岸川さんでした。(また岸川かよ(怒))舌打ちを押さえて『沢田さんいる?』同じ総務のスタッフでしたが、岸川さんと違い万事テキパキとこなす女子社員でした。特に今日みたいな気遣う日には頼りになる存在です。ここの総務課長として赴任した時前任者から引き継ぎで教わった事項の一つで代々の総務課長からの引き継ぎに必ずありました。余談ですが、総務課長は普通3~4年で転勤になります。一方配下の主として女子社員は地元採用です。永年勤めている中で頼りにされる人そうでない人…やはり個人差はあるものですね(笑) 『沢田さんですか…』『そう、そこにいない?』『ええ…見ないですが…』あ~肝心な時に…『探してきてよ』『はぁ…あ!ちょっと待ってください』何やら受話器の向こうでごちゃごちゃしています(笑)『もしもし』あ~どうなっているんだ(嘆く)
加藤課長は泣きたくなりました。
コーヒー好きの専務のことだから、喫煙室で必ずタバコと一緒に飲むのが常でした。
コーヒーを炒れる担当は一番のしっかり者の沢田さんに任せておいたのに… どこへいったんだろう?
受話器の向こう側でガチャガチャと耳障りな音がした後にいきなり『誰?』しわがれた声が聞こえてきました。
『………』
『俺だよ』
『!せ、専務』 加藤課長は絶句しました。
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猫に鈴をつけるのは誰か…4

2011年05月29日 15時45分55秒 | 日記
業績不振の河田部長は必死でした。 あの鬼塚専務の鬼の形相を思い出しただけで身震いしていました。
せめて…ご機嫌がよかったらと神に祈る思いで加藤課長に尋ねてみました。
『あのさぁ…』加藤課長は聞くまでもありませんから、適当にあしらおうとしていますが河田部長は必死でした。
『大丈夫じゃあないですか』
『ほんとかよ!』
ええ…うなずきながら加藤課長は思っていました。
冗談じゃあないぜ、人より自分がやばいんだよ。
いらちな(イライラして気が早いこと)鬼塚専務はご機嫌が悪いとこちらまで飛び火してくる恐れがありました。
あんまりみっともない叱られ方をされると立場上かっこわるいし第一気分が滅入るのは誰しも同じことですね(笑)

喫煙室の掃除はすんだし、会議室
もOK…休憩のコーヒーも用意してあるし… 昼飯は外食だろう…
そこまで考えて思い出しました。
車だ!
社用車です。今日は高村さんだし丈夫ですね→これが私の仕事です。(笑)
ここまで頭の中で整理して加藤課長はホッと一息入れました。

一方河田部長です~
彼は席に戻って会議の資料に目を通していました。
『あ~』出るのは溜め息ばかりなり…
99%達成していたはずの数字が月末のトラブルでおじゃんとなりました。納品が大幅に遅延して売り上げは散々たる数字になっています。
『ハァ~』
見れば見るほど悲惨過ぎて資料を投げ出したいくらいです。
☆ しかし営業とは大変なお仕事ですね(苦笑)
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猫に鈴をつけるのは誰か…〓

2011年05月26日 17時58分55秒 | 日記
総務の仕事で厄介なのは役員さんの接待です。
接待と言いましても酒を飲ます訳ではありません。
本社から出向いてくる役員さんを玄関までお出迎えをするのが総務のお仕事です。
その後は役員室にご案内して今日のスケジュールを確認します。
例えば10時から部門会議 11時から月次報告会 12時から昼食13時から事業部長からの報告…打ち合わせ15時30分から工場長と打ち合わせ17時帰京… とまぁこんな感じですが、次から次と渡り歩く会議や打ち合わせは全て総務課長が進行をつかさどります。それで役員さんの気分はおつきの総務課長が一番よく知っている訳ですね。
総務課長は予定をこなしながら
食事の手配や休憩のコーヒー…役員車の手配などをおこなわなければなりません。
配下の部下はその下準備です。
だから一日中総務はバタバタですね。これで何か不都合なことがあったらそりゃあ『総務はなにやっているんだ!』罵声を浴びるのがしゅくめいでしょうか…又何事も無く過ごしてもそれは当たり前の。総務は万事損な役割を背負って汗拭き拭き頑張っています。そのど最中に河田部長は加藤課長に声を掛けたのです。(笑)
『ちょっと加藤さん』
年下であるはずの加藤課長にさん付けで呼ぶのはこんな時だけでした。 『はい』加藤課長が振り向くと噂の河田部長です。
加藤課長には直ぐにピンときました。
この河田部長に限らず鬼塚専務の様子を気にして尋ねてきるからでした。
加藤課長は如何にも忙しい…とそんな感じで対応しますが、実際専務のご機嫌が良くない今日はなおさらでした。
とても他人を構っている余裕などありませんでした。
『忙しい時に悪いけどね…』
案の定ご機嫌伺いか…
加藤課長は肝で舌打ちしながら
『ええ』と相槌をいれました。何といっても相手は部長です。
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猫に鈴をつけるのは誰か…〓

2011年05月25日 16時49分17秒 | 日記
♪二人の恋は~終わったのね~♪
皆さんこの歌ご存じでしょか(笑)
サントワマミです。
昭和の名曲として越路吹雪さんが歌っていました。
ご存じないですかね(笑)
知らない?しかしよかったですよ(笑) この会社でなくって…
サントワマミはこの会社の部課長でこのメロディを知らない者はいません。
鬼塚専務はこのサントワマミが大好物…大好きでカラオケなら必ず歌う定番中の定番でありました。
社内でも専務が鼻歌まじりにサントワマミを口ずさんでいらっしいますとまず上機嫌としたものでした。
だから会議前に喫煙ルームで一服していらっしゃる時なんか他の部課長はつい気にしてしまうのです。
タバコを吸わない部長でさえ喫煙室に入ってきて様子を窺うくらいですから…
ある日、月次報告会がありました。
営業の河田部長が総務の中川さんに 加藤課長は?と尋ねましたが、この中川さん 新しく配属されたばかりでまだ知らなかったのでしょうね。
『わかりませんが…』 月次報告会の前でした。
鬼塚専務は別の打ち合わせに出ていらっしゃったのでした。
河田部長は軽く舌打ちをしながら足早やに喫煙室に向かいましたが、そこには誰もいません。
河田部長は総務の加藤課長に聞きたいことがありました。
つまり鬼塚専務の虫の居所具合でした。
先月工場のアクシデントさえなかったら業績は達成できたはずでした。 それが…ちょっとした指示ミスからトラブりました。 お陰で納期遅れが発生。
二か月ぶりに予算達成かと期待したのが元の木阿弥となりました。
先月、それはもう烈火のような鬼塚専務の怒りは治まりませんでした。 名だたる部課長の中で雑言暴言を浴び続けた河田部長はショックで一時的な失語症になったくらいです、それが今月も業績未達と分ったら何と言われるかわかりません。
鬼塚専務は目前の数字で喜怒哀楽がはっきりと出る人ですが、一概に成績の好不調に限らないのです。
先週の会議では業績不振の部門会議であったにも拘らず専務は何故か超ご機嫌でありました。
雷が落ちるつもりで覚悟していた部課長を前に『キミらも大変だけど頑張って下さい』
なんて猫撫で声で囁(ささや)かれて部課長はホッとしましたが、 腰が抜けた…(笑)なんて笑っていたそうでした。
だから河田部長もあわよくば今日の月次報告会も穏やかに過ぎないかと期待していたのです。
鬼塚専務のご機嫌を知るのに好都合なのは゛サントワマミ″なのです。先週の会議の前でした。
喫煙室で専務のサントワマミが聞こえていて会議の資料はマイクに早変わりしていたそうでした(笑)
だから河田部長は 今日の月次報告会も…(笑)
それにはおつきの総務課長がよく知っていたからでした。
『何とぞ…』河田部長は祈るような気持ちで加藤課長を探しました。

『河田部長…課長いらっしゃいました』
ふりかえると中川さんでした。
『今どこからか帰ってこられましたが…』
息を切らせて中川さんが追いかけてきました。
おいおい自分ところの上司の行方が分かったからといっても走って来ることはないだろう …苦笑いして河田部長は思いましたが、一途な中川さんを見て『ありがとう』
軽く手を上げて答えました。
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