寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

爆発!武田火山…(23)

2012年04月27日 08時55分49秒 | 日記
下を向くでもなく手を膝の上に置く赤井は身体を固くしていました。
触れられたくない部分、話題は誰もがあるものですが…
果たして赤井は武田工場長に睨まれ小さくなるより仕方ないでしょうか(苦笑)
にらめっこが暫く続くとそばのかおるちゃんがそろりと武田工場長の脇をつつきます。
「ねえ…私先にかえっていい?」
ないしょ話はかえって聞こえるものです(笑) かおるちゃんの反対側に座っていた加藤「俺もお邪魔虫ですか♪」
皮肉にも聞こえるかも知れませんが、
武田工場長はまったく意に介せず
「もう少ししたら行くから待っていろよ」
行くから…とはかおるちゃんが勤めている飲み屋ですが、 かおるちゃんだけが先にお店に行けば同伴出勤の意味がなくなってしまいます(笑)
この辺りが水商売の悲しいところでしょうか…
「…」これ以上催促するのは火に油になりそうですね(苦笑)
かおるちゃんは黙ってしまいます。
おとなしくなったかおるちゃんを尻目に
「おい赤井と松田さんはどんな関係なんだよ?」
加藤は慌てました。
失恋…
若くもない赤井に青臭い言葉が似合うとも思えませんが、それでも触れにくい話題ではありましたし、親友としてそっとしておいてやりたい心境でした。

だから赤井と飲んでもいつも気にしている部分でした。

所謂(いわゆる)心の痛手を引きずる赤井に向かって 武田工場長は
お構い無しの雰囲気でした。
それどころか、
「こんなもの俺に任せな…」
先ほどの喧嘩の仲裁気分でありました。

「厄介だなぁ」
加藤は思いました。 酔いはすっかり醒めていた加藤も赤井の硬い横顔を見て 不安にならざるを得ません。

武田工場長は怪気炎をあげる勢いで
「赤井、焦れったいヤツだな」
とうとう直談判 です。
「お前振られたのか?」
ウワァ…加藤は頭を抱えました。
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爆発!武田火山…(22)

2012年04月26日 09時12分41秒 | 日記
喧嘩を裁いた武田工場長♪
独りご満悦にビールをグビグビとやっていました。(飲む)
加藤や赤井は借りてきた猫みたいな調子でお酒も進みません。

「武調子、もうお店に行こうよ」
同伴出勤を強いていたかおるちゃんは武田工場長の顔色を伺いながらも催促しています。
「あの~工場長、次があるなら俺たちこの辺りで帰りましょうか」
赤井が恐る恐る訊きますが、
「何を言ってるんだよ(怒)お前らが喧嘩していたから助けてやったんじゃあないか」

「はぁ…ありがとうございます」
「だいたい原因は赤井、お前にあるんじゃあないのか!!」
「え!俺にですか…?」
「そうだよ、なぁ加藤…」
「はぁ…」
加藤も考えてみれば赤井の元彼女だった松田さんが見知らぬ男と一緒だったのをみてカッとなったのが発端でした。
「それで赤井、」
「はい」
赤井は内心しまった、と思ってました。
松田さんのことを突かれると痛いのは赤井でしたから…
そもそも松田さんとの馴れ初めはたいしたことではなく…
そう話すと加藤はムキになって怒るのですが…
「お前は加藤が喧嘩した原因はお前にあるのをどう思っているんだよ」
「ち、ちょっと待ってよ武ちゃん…」
「お前は黙ってろ!!」「…」
「うん?どうなんだ?」
武田工場長はビールの酔いもあって赤鬼みたいです。
赤井はただ黙っていますが、
加藤はそれを見てつい「赤井、工場長に相談したらどうだよ」
酔いはすっかり醒めていましたが、二日酔いらしい頭痛がメリメリ頭を締め付けていました。
「なぁ…赤井、」
なぁ、と言われても…
赤井の口は貝のように益々堅くなっていきました。
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爆発!武田火山…(21)

2012年04月25日 09時09分18秒 | 日記
加藤は頭を抱えています…
酔いの醒めかけた頭はガンガンしてきました(苦笑)
「ねえ、うちのお店に来たよね♪」「来たよね…と言われても覚えてないよ(苦笑)」
「そう?私覚えてますよ♪」
「ほぉ~加藤、お前モテるじゃあないか(笑)」 武田工場長が冷やかします♪
「工場長、俺は全然記憶にないっすよ!」
「こんなカワイイ子を覚えていないなんて馬鹿だなぁ~」
「どうせ俺は馬鹿ですよ♪」
「あッハハハ♪」
武田工場長がばか笑いをしながら
「お前ら飲み足らないのじゃあないか!」
かおるにグラスを渡すように言うと
「それより武ちゃんお店に来てくれるの」
かおるちゃんには武田工場長を自分のお店に連れていくのが仕事でしたから…(笑)
「ああ…行くよ、行くけどここで飲んでもいいだろうが…」
武田工場長は人から指示されるのが大嫌いな人でした。
「ほんと?」
「ああ…あんまりガミガミ言うなら俺は行かないぞ!!」
「そんな~」
かおるちゃんは抗議します。
「バカ野郎!お前のところだけが飲み屋じゃあないんだ、」
武田工場長の怒りに加藤や赤井はオロオロしてみていますが、
「工場長…俺たちに構わないで行って下さいよ」
赤井らしい、ですね(笑)

けれどこれは逆効果でした。
「バカ野郎!お前はそんなことだから女が出来ないんだよ!」
これにはかおるちゃんや二人も唖然としました。
「どうせお前らさっきの松田を止められなかったじゃあないか」
フン! 捨て台詞を吐くと
武田工場長はビールを飲み干していました。
ああ~このおっさん…これがなかったらいいんだけど~

加藤や赤井は武田工場長の悪酔いにウンザリしてました。
「ごめんなさいね…」かおるちゃんは自分の撒いたタネが元で武田工場長がオカンムリなのを詫びました。

「なんでお前が謝るんだよ!」
武田工場長一人ピッチがあがっています。
「…」
「おい、赤井、もとはお前が悪いんだぞ!!」
「はぁ~」
二日酔いみたいな頭に武田工場長の激が飛びます(笑)

「だいたい、好きだったら何をしても自分のモノにしないと」
なぁ~

とかおるちゃんの方をみて笑います。
「なに言ってるのよ」フン!
照れくさを隠してるのかかおるちゃんはプイッと横を向いています。
「ふ~ん…」
加藤や赤井は武田工場長の毒気に当てられたのか元気がありません。
居酒屋は先ほどの喧嘩騒ぎも治まったせいかもとの様子に戻っていました。
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爆発!武田火山…(20)

2012年04月24日 08時25分33秒 | 日記
かおるちゃん…(8)(10)登場

どうやら同伴出勤(笑)でしょうか(笑)
同伴出勤…お客さまの指名を取るために店の出勤にお客さまを連れていくこと。

「確かこの子はあの店の…」
赤井が只野と行った店にあた女の子です。
「あの時…」
只野の悩みを訊いてもらうはずが武田工場長は粗略に扱われたのを思い出していました。 「しかし…」
あの時の雰囲気じゃあとてもこんな風にデートするなんてとても考えられない状況でした。
「ふ~女はわからんわ…」
生正直な赤井には女は魔性に思えました。
松田さんだって…

「おい、加藤もう酔いが醒めただろう♪」
「は、はい」
飲み直しをやろう!!
武田工場長が誘います。
「赤井、どうや!」
「あ、はい…」
返事はしましたが二人ともそんな気分になれません。
頭に血が昇った加藤は元より赤井も松田さんね一軒が気まずいままでしたから…

「まあ二人とも暫く付き合えよ!」
ショボくれた二人はしたかなく武田工場長のテーブルに座り込みます。
「おい、お姉さん♪」
店の女の子を呼び寄せると どこからこんな声が出るのかと感心するくらい優しい声で

「さっきは、騒がせてごめんなさいよ…」
う~ん♪こんな武田工場長を見たのは永い付き合いのある二人でも初めてでした。

仕方なく席に座った赤井と加藤(笑)
武田工場長に改めておわびをしますが、
武田工場長は太っ腹です。
「お前らこんなところで喧嘩しているからわしはびっくりしたで♪」
「スミマセン」
小さくなっている加藤にかおるちゃんが
「あら、この人知ってる♪」
と言い出しました。
「はぁ…」
俺は知らんぞ!!
加藤は訝(いぶか)りますが…
マジマジと見られて
居心地悪そうにしていますが、
かおるちゃんはお構いなしにじろじろとみていました。

「なんだ?かおるこの男知ってるのか!?」
武田工場長が訊くと
「ええ…前に一度お店にきたひとだわ」
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爆発!武田火山…(19)

2012年04月23日 09時06分14秒 | 日記
喧嘩の仲裁に入った武田工場長…
見事果たして椅子にドカリと座りました。
「さあ、二人とも飲み直したらどうや」
さすがに貫禄ですね(笑)
「さあ!」 うながす武田工場長ですが、
金髪の方が黙っていません。

「ちょっと待ってや…そっちが悪いのだから謝ってもらわないと…」
「謝れ!?」
「ええ、俺は何もしていないぜ!!」
なるほど、うなずくと武田工場長は加藤を見ました。
「ああ…俺が悪かったんで…」
冷静さを取り戻したのか加藤は力なくうなずきました。
「そうか…赤井、加藤の方が悪いんだな
「ええ…まぁ…」
親友の肩を持ちたい赤井ですが、これはどうも加藤が一方的に悪いと思っていました。
「どうなんだ、はっきり言えよ」
煮えきらない赤井に武田工場長は声を荒げます。
「はい、か、加藤が悪いと思います。」
「ふ~む」ひとつ息を吐くと
「それで岩田に何を言ったんだよ」
「え…と」
加藤はどう答えていいのか言葉に詰まりました。
…どうして、あんなことしたんだろうか!? 確かに酒に酔ってはいたけど…

それより、あの松田さんが見知らぬ金髪のヤツと帰ってくいく姿をみて 加藤は何がなんだかわからなくなっていました。
松田さん…
別に加藤にはなんの関係もありゃあしない! いや!ある!
大有りだ!!
だいたい赤井が頼りないから、こうなっちまったんだ。
加藤の鼻孔は大きく開いていました。

「おい、何をブツブツ言っているんだ!?」
はっとして加藤。
「いえ、俺がいったことは忘れてください」
「忘れろ…?」
「いえ、悪いのは俺ですから」
そういうと加藤は金髪に向かって
「突然でびっくりしたでしょうね…酔っていたので何を言ったかよく覚えていませんけど勘弁してください」
ペコリと頭を下げたのです。

「なんだ、覚えてないなんて嘘つけよ!」

「いや…ホント覚えてないんだよ…」
「情けないヤツだな…」
金髪はせせら笑いながら
「もういいよ…酔っ払い相手に怒っても仕方ないし」
それを聞いて「そうしてくれるか…」
武田工場長も一息です(笑)
「じゃあ帰るよ…」
金髪も立ち上がっていました。
「いや…ほんとにすみませんでした」
加藤はもう一度頭を下げながら謝ります。

それに金髪はああ…と短く答えて店を出ていきました。

「ふぅ~」
タバコに火をつけて武田工場長は紫煙を吐いき
「どうしたんだよ」
顔は店の壁を見ていましたが、
加藤の暴走が信じられませんでした。

「はぁ…すみませんでした」
それだけ言うと加藤は下を向いてしまいます。
「ふぅ~」
タバコの煙か ため息かわからない息を吐くと
グルリと見渡します。
「おい、かおる!」
呼ばれた女の子はスナックのかおるちゃんでした。
「武ちゃん凄いね」
笑顔いっぱいのかおるちゃんがおずおずと出てきました。
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