とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『線の波紋』(長岡弘樹作)

2016-04-04 17:11:15 | 読書
 私は横山秀夫さんの小説が大好きです。横山さんは警察小説を得意にしていますが、横山さんの作風に近い若手の作家といえば長岡弘樹さんだと思います。

 この『線の波紋』という作品、全体の構想力はすばらしいと思います。最後の1行で感動を呼び起こす、そんな奇跡のような技を見せてくれます。

 ただし、ところどころに無理があるという感じは否めません。リアリティに不足しているように思われ、なかなか作品世界に入りこめないのです。

 注目の作家のひとりです。これからも追い続けたいと思います。
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意見文を書く3「パラグラフ・ライティング」(国語教育の改革のための取り組み3)

2016-04-04 09:46:40 | 国語
 英語教育でパラグラフ・リーディングという方法があります。英文には日本文の段落のようなパラグラフというものがあります。一つのパラグラフでは一つのトピックだけを述べられています。そしてパラグラフの先頭には、そのパラグラフの要約文を置きます。 それを主題文といいます。そしてその主題文の説明として支持文をいくつか付け加えてひとつのパラグラフにするのです。英文解釈をスピードアップするためには、そのパラグラフの冒頭の主題文だけを読めばいいので、それを知っていれば速読できるのです。

 このパラグラフという発想はおそらく英語圏の学校教育の中で教えれているものなのだと想像します。もしそうでなければ誰もがそういう文章を書くとは思われないからです。英語圏の人たちは基本的な文章の書き方をしっかりと学校教育の中で教えられているというわけです。

 日本ではそういう教育をしていません。論理的な文章を書くトレーニングができていないのです。

 だから日本型「パラグラフ・ライティング」を作り上げなければいけない。意見文、小論文を書くためのパターンをしっかりと形式化していくことが大切なのです。もちろん英語の「パラグラフ」の発想をそのまま日本に持ち込むと日本人には不自然な文章になってしまいます。だから「日本版パラグラフ」を模索していかなければいけません。

 昔から「序論・本論・結論」というパターンが言われています。そのパターンでいいのか。そしてそれでいいのだとすると「序論」のところには何を、「本論」のところには何を、「結論」のところには何を書くべきか、定式化していくことが大切だと思われます。

 形式化、定式化していくことに個性の喪失という観点から批判的な人もいます。しかしそれはおかしい。例えば部活動などでは基礎・基本を重視します。基礎・基本を身に着けた上でそれぞれの人によって違ってくるものが個性です。基礎・基本ができていない人に個性なんてありえません。個性的な意見はその内容にこそ本質があります。

 意見文はそれができるだけ正確に伝わることが大切です。それができるようになることが学校教育の目的であるべきです。

 私のこの点に関する研究はまだ始まったばかりです。実践を通して徐々に形ある方法になるように努力していきたいと思います。

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