まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.先生の嫌いな言葉は?

2013-09-24 22:50:50 | 幸せの倫理学
昨日に引き続いて、今日は私の嫌いな言葉です。

嫌いな言葉もいろいろあるんですが、とりあえず現時点でのワーストということでこれです。

A.私の嫌いな言葉は 「ムリ」 です。

福大のテストやレポートでこの言葉を気軽に使う若者が多いんですよ。

「戦争をなくすのはムリだ」 とか、

「自由 (自由権) と幸福 (社会権) を両立させるのはムリだ」 とか。

たしかに生半可なことでは解決できないような難しい問いを与えていることは百も承知なんですが、

しかし、そんなに簡単に 「ムリ」 という一言で終わらせてほしくないんですよね。

「ムリ」 という言葉は一度発してしまったら、それ以上の思索や模索を一切遮断してしまいます。

しかし、人類の歴史を振り返ってみれば、

ムリに決まっていることを乗り越えてきたことばかりじゃありませんか。

人間はずっと空を飛びたいと望んでいましたが、

それは長い間まったくムリなことでした。

ましてや月に行くなんて絶対に叶わない夢のはずでした。

病気だって、ほんの百数十年前の江戸時代には、

結核や麻疹などたいがいの病気を治したり防いだりすることはできませんでした。

しかし、「ムリ」 は 「可能」 になったじゃないですか。

今はムリでも、いつかは可能になるかもしれないんです。

なので、若い人たちにあまり安易に 「ムリ」 という言葉を使ってほしくないんです。

「ムリ」 という言葉で可能性の芽を摘んでしまうよりも、

「ムリ」 をどうやって 「可能」 に変えられるか知恵を絞ってもらいたいと思うのです。

「ムリ」 の反対語は 「考えろ」 です。

私の大好きな映画 『ダイハード』 ではテロリストに占拠された高層ビルに取り残された主人公は、

自分に向かって 「Think,think!」 とつぶやいて自らを叱咤激励していました。

アメリカの映画やテレビドラマではよくこの 「Think,think!」 という独り言が出てきます。

別に私は取り立ててアメリカのことが好きなわけではありませんが、

困ったときや苦境に陥ったときにすぐに 「ムリ」 といって諦めてしまう日本人的発想よりは、

「Think,think!」 と自分を励まして何とか打開策を探ろうとする文化のほうが、

強くて柔軟な文化であることは間違いないだろうと思います。

皆さんも 「ムリ」 を口癖にするのではなく、

「考えろ、考えろ」 と自分を励ます習慣を身につけていただきたいと思います。