まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

カント倫理学ってヘンですか?

2011-01-02 22:26:02 | カント倫理学ってヘンですか?
 昨日予告しておいたように、新しいカテゴリーを起ち上げます。その名も 「カント倫理学ってヘンですか?」 です。私は知る人ぞ知るカント研究者ですが、これまでこのブログでカントについて語ったことはほとんどありませんでした。実は大学の授業でもあまりカントについて論じたことはありません。自分が専門に研究していることを、哲学について本格的に学びたいと思っているわけでもない皆さんにお話しするのって、けっこう難しいことだと思います。自分が好きであればあるほど、ものすごーく細かいディープな話をしたくなってしまいますが、そういう話をしてしまうとみんなザーッと引いてしまって誰もついてきてくれなくなるということを何回か経験して、中途半端な覚悟でこんなことをしてはいけない、やるならとことん時間をかけて徹底的にやらなければいけないんだな、ということをわりと初期の頃に学んだわけです。それをするためには十分な準備が必要だったので、これまでずっと先延ばしにしてきました。そして、2011年を迎えた今日、まだ十分準備が整ったわけではないのですが、いつまでも明日があると思っていちゃいけないということに気づいたので、そろそろ宿題に取りかかろうかなという気になったというわけです。
 カント倫理学についてわかりやすく語るという宿題は、このブログの中でも何回か言及したことのある、今は亡き友人、加藤国彦さんから頂戴した宿題です。福島県で高校教員をやっていた加藤氏から、初めてお会いした日にこんな言葉を投げかけられました。「高校生にどうやってカントを教えたらいいんですか。定言命法なんて言ったって彼らにはちっとも響かないんです。何のリアリティもない。どうやったらカント哲学の魅力を伝えることができるんですか」。福島大学に赴任してきたばかりの32歳の私はその問いに答える言葉をもたず、それ以来17年もの歳月が流れてしまいました。それについてずーっと考え続けてはいたのですが、どう答えたらいいかなかなか整理がつかずにいたのです。そして、今もまだきちんと整理がついたわけではないのですが、いつまでも先送りにしていてもしかたないので、とりあえず書き始めてみようとやっと腹をくくったというわけです。
 上手くいくかどうか確信がもてませんが、とりあえず私の計画は、高校生がカント倫理学ってなんかヘンじゃね?と納得いかないでいる、その違和感をまずは共有し、どこがどうヘンなのかを徹底的に分析してみてはどうだろうかと考えているところです。なのでカテゴリー名を 「カント倫理学ってヘンですか?」 にしてみたわけです。就職活動のために自己分析をしている大学生ってみんな自分の短所は思いつくけど長所が何も思い当たらず苦しんでいる場合が多くて、そういう彼らに長所と短所って同じなんだよと指導してあげてるわけですが、それと同様に、カント倫理学のヘンなところというのは、見方を変えれば、カント倫理学の長所でもあるはずで、ヘンだよねぇ、ヘンだよねぇ、でもそこがすごいんだよねぇ、というふうに話を進めていけないだろうかと目論んでいるわけです。はたしてこの計画が上手くいくかどうか、まあ上手くいかなきゃ途中で放棄してしまえばいいし、それ以前に自分が飽きてやめてしまうということも大いに考えられるし、どこまで続くかわかりませんが、とりあえずやってみようと思います。このカテゴリー、ブログ用に毎行改行して、1行の文字数を加減するなんていう余裕はないと思いますので、ダーッと書き下ろしていってしまうことにいたします。それと、絵文字や写メを活用するなんていうマメなこともたぶんできないでしょう。ちょっと読みにくいかもしれませんがご容赦ください。それでは、本格的なスタート (次回のアップ) がいつになるかわかりませんが、あまり期待せず気長にお待ちいただければと思います。