本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

小説ではじめて泣いた。マチネの終わりに。

2019-11-17 14:21:32 | 2019年始動。革命のスタート。
マチネの終わりに

天才ギタリスト蒔野聡史と国際ジャーナリスト小峰洋子の物語。
40代と言う人生の暗い森で三度であった人
三谷(蒔野のマネージャー):ひそかに蒔野思いを寄せる。」
リチャード:洋子のフィアンセ

彼らは「人生の道半ばにして正道を踏み外し」つつあった。10

マチネ:午後の演奏会85
幸福の硬貨のテーマ曲弾いてもらえますか?
◎今日のマチネの終わりに、洋子のために弾くつもりの曲だった。170
今日のマチネの終わりに弾こうと思ってて。165

最終的にはどうなるんだろう。結ばれたんだろうか。

愛という曲芸

②-b
・・・天使よ!私たちには、まあ知られていない広場が、どこかにあるのではないでしょうか?そおでは、この世界では遂に、愛という曲芸に成功することのなかった2人が、・・・彼らは、きっともう失敗しないでしょう、・・・再び静けさを取り戻した敷物の上に立って、今や真の微笑みを浮かべる、その恋人たち・・・464

結論的に:
—このアルバムを、親愛なるイラクの友人ジャリラーと、その心やさしい、美しい友人に捧げます。372

★ ★★★★自由意志というのは,未来に対してはなくてはならない希望だ。自分には、何かができるはずだと,人間は信じる必要がある。そうだね?しかし洋子、だからこそ、過去に対しては悔恨となる。何かができたはずではなかったか、と。運命論の方が,慰めになることもある。426


◎ 存在の孤独を、生きることの根源的な哀しさ。122
孤独というのは,つまりは、この世界への影響力の欠如の意識
だった。自分の存在が他者に対して,全く影響を持ちえないということ。持ちえなかったと知ること。139
◎ 一生涯、完全に無垢なまま生き続けられる人間など,この世の中にいるはずがなかった。誰もが罪を犯すならば,それは重いか,軽いかでしかなかった。347

0-0-0書き出し★★★★★
◎ 幸福とは,日々経験されるこの世界の表面に,それについて語るべき相手の顔が,くっきり示されることだった。181
◎ この世界は、自分と同時に、自分の愛する物のためにも存在していなければならない。憤懣や悲哀の対象でさえ,愛に供される媒介の資格を与えられていた。そして彼は、彼女と向かい合っているときだけは,その苦悩の源である喧噪を忘れることができた。183


◎ 三谷の罪
恩師の死に向かい、洋子との出会いに携帯をタクシーも忘れてしまったことが引き金に。三谷が洋子に蒔野のスランプを自分で訴えるようにメールを。

◇ 人生
自分が出口がいくつもある迷宮の中を彷徨っているような感じがした、そして誤った道は必ず行き止まり,正しい道へと引き返さざるを得ない迷宮よりも、むしろどのみちを選ぼうとも行き止まりはなく,それはそれとして異なる出口が準備されている迷宮の方が,遥かに残酷などと思った。210

小説の核心:
人間には,虚構のおかげで描かずに済ませられる秘密がある一方で,虚構をまとわせることで書けない秘密もある。9

【蒔野と洋子の結びつき:洋子の決断より】
★★自分のために、まるでその存在そのものを差し出して,ただ待っているかのような彼女の佇まいに心を震わせた。彼女はこんなふうに人を愛するのかーこんなふうに自分を、と。そして、時間の中で、その踏み出した一歩のために立ち竦む彼女を,彼は深く内から押し広げられてゆくような幸福とともに抱擁した。173

②-a★★★★★2人の経過。真実の愛とは?
◎洋子と聡史をつなぐことば
花の姿を知らないまま眺めた蕾は,知ってからは,振り返った記憶の中で,もう同じ蕾じゃない。
人は,変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし,変わってしまうとも言える。過去はそれくらい繊細で,感じやすいものじゃないですか.33

音楽:
・ 音楽は静寂の美に対し,それへの対決から生まれあるのであって,音楽の創造とは,静寂の美に対して,音を素材とする新たな美を目指すことの中にある。45
・ 音楽が,静寂のー死のー美と対決すべきなのは,まさにその瞬間ではあるまいか。生命力!—生きているという歓喜以上に,つまるところ,音楽に何が必要だろうか?49

◎ ヴェニスに死す症候群
◎ 本来の自分に立ち返ろうとして、破滅的な行動に走るということ。272
中高年になって突然、現代社会への適応に嫌気がさして、本来の自分へと立ち返るべき,破滅的な行動に出ること52

洋子は,イラクでテロに出会い,フィアンセに電話をしつつ,聡史のことを思い出す。59

◇ 男のめんどくささ:消失点
◎ 早苗にとって予想外だったのは、蒔野の音楽的な不調が、むしろ洋子と分かれてから一層深刻になり,到頭,演奏活動そのものも止めてしまったことだった。

その幸福度が大きければ大きいほど,彼は自らのギタリストとしての停滞に耐えられなくなっていた。要音の愛の成就は、彼を束の間慰めはしたものの,むしろそのコントラストによって焦燥はいや増していた。189

◇ たしかになる想い
フィアンセには、しないほうがいいな、その話は。
どうして?
惚れているのがばれるから。72
「惚れてる」とフィリップは言った。その余計なひと言は,彼女の気持を,すでに後戻りのできない方向へと突き動かしつつあった。」80

◇ 再会
東京であって,パリであって,次はどこで会うのかしら?112
ただ言葉だけで分かり合って来た2人は、今や体を備え,いることができ,触れることができる2人だった。111

◇ 洋子の決断:フィアンセリチャードとの分かれ
他に好きな人ができたから、婚約を解消させてほしいって,そう伝えた。その人と一緒に生きていきたいからって。-その報告をしたかったの、今日は。173

結局、リチャードとよりを戻し結婚することに。281
三谷のいたずらにより281
そして、三谷と蒔野は結婚することに。
そして洋子はリチャードの浮気も原因で離婚することに。354

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1 コメント

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ブログを拝見しました (つねさん)
2019-11-22 07:51:29
こんにちは。ブログを拝見させて頂きました。これからもブログの運営頑張って下さい。

投稿して下さった作品(イラスト・詩・小説・エッセイ・漫画など)に、直筆のカード式のファンレターが3~30枚以上届く文芸サークル(投稿雑誌)を主催しています。投稿される作品は新作でなくても構いません。あなたがブログで発表している作品を雑誌に掲載してみませんか?

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