新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

近頃気になって仕方がないこと

2024-08-29 06:06:30 | コラム
何でもかんでも「ハラスメント」と表現するのは疑問に感じている:

私には「何とかハラスメント」のような表現は英語の動詞である“harass”または名詞形にした“harassment”の濫用だとしか思えない。いや、カタカナ語の粗製濫造ではないのかとすら言いたくなる。そもそもは、アメリカの企業社会で90年代に入ったかどうかの頃に“sexual harassment”という言い方が現れて、我が本社では副社長が集めた講座が開かれて「セクシュアルハラスメントを犯さないように」との注意があったのだ。

そこで、我が国ではどのような行為/言動がそれに該当するのかとWikipediaに訊いてみた。そこには「セクシャルハラスメント(英語: sexual harassment、セクシュアルハラスメント、セクハラ、性的嫌がらせ)とは性的嫌がらせのことであり、性的言動によって不利益を受けたり、労働環境などが害されたりするハラスメントである」とあった。

実は、これだとその講座があった日に偶々本部にいて、講座から帰ってきた副社長の説明とは大いに違っているのだ。それは、女性の社員に向かって例えば「今日の服装は綺麗だね」とか「今日の髪型は美しいな」とか「体型が良くなったね」などと言えば、それらがharassmentの範疇に入るから注意するようにとの指導だったと聞かされたのだから。要するに「この辺りから注意せよ」というかなり微妙な言動が問題だったのだ。

この段階が所謂「セクハラ」であり、例えば強引に女性の体や胸に触れたとか、極端な例ではキスを迫ったなどと報じられている場合は、某大学の法学部の教授が指摘されたように「犯罪行為」であり、ハラスメントの領域を遙かに逸脱しているのだ。我が国では、その辺の分類も未だ定まっていないように見えるのだが。

そこに、誰がどのように“sexual harassment”を解釈したのか不明だが、有りとあらゆる「他人にとって厄介なこと、心配させること、悩ますこと、攻撃すること、困らせること等々の行為の前に、加害者というかそういう事をする人等を持ってきて「パワーハラスメント」だの「カスタマーハラスメント」だの「マタニティハラスメント」とか「モラルハラスメント」とか「リストラハラスメント」等々のように無数の「ハラスメント」が出来上がっていた。そこには日本ハラスメント協会(JHA)が設立されていた。

この流れを見ると、何らかの迷惑行為・嫌がらせ・示威行為・圧力・叱責・暴言・不当なクレーム等々があった場合に、それらを仕分けして行為に出た者乃至は団体を持ってきて、その後にハラスメントを付けているかのように見えるのだ。私には何故普通に漢字を使った日本語で表現しないで「ハラスメント」のようなカタカナ語を使って一括りにした辺りが理解不能なのだ。もしかして「外来語」で威力を増幅させようとでも企図したのか。

最早時代に取り残されている私などは、アメリカで聞かされたsexual harassmentの内容とは余りにもかけ離れてしまった「ハラスメント」の大量製造には、唯々恐れ入っているだけ。お客が店頭で従業員か店員(今日ではstaffに置き換えられた)向かって不当な暴言を吐くとか、極端な場合には暴力行為に出ることなどを「カスタマーハラスメント」と呼ぶようなことは、最早英語の“harass”が意味する事を遙かに離れている。

「マタニティハラスメント」のような例では、英語の単語を使ったのだろうが、英語としての体を為していないのが残念なのだ。実は厳密に言えば「パワーハラスメント」等も間違っても英語だと思って使わないことが望ましいとすら思っている。何でもかんでも上記の“harassment”の範疇に入ると考えて「ハラスメント」で括らないことが望ましいと、私は考えている。

何故そう言うかを、ここで英語の文法に立ち返って考えて見よう。“power harassment”は「上司乃至は上位にある者がその指揮下にある部下または従業員を(厳しく)叱責すること」なのだろうが、それなれば“harassment by superior”か“harassed by boss”のような語順にせねば意味を為さないと思う。「カスハラ」では“harassment by customer”にしましょうと提案したくなってしまう。「マタニティハラスメント」となると「母である事がいやがらせをしていること」になってしまう。困ったことは“maternity”は形容詞なので、ハラスメントの加害者(行為者)にはならないのだ。

気になっていることは、“sexual harassment”が我が国に伝来した時に、sexualが形容詞である事を忘れたか知らなかったようで「ハラスメント」をした主語であると見たようであること。だから「~ハラスメント」という表現を作る際に「カスタマーハラスメント」のように語順が逆になってしまったようだ。どんな場合でも「ハラスメント」を白に付けていれば良いという事にはならない。

「一寸くらい英語が解るからといって、偉そうに屁理屈を言うな」という声はもう聞こえてきている。そう言われる事くらいは承知で言っているのだから。今日まで主張し続けてきたことは「カタカナ語を幾らでも作り上げて使われることを阻止するつもりなどない。だが、圧倒的多数のカタカナ語というかカタカナで表記されている言葉は、英語としては通用しませんよ」なのである。

であるから、何も「ハラスメント」などと言わずに「お客様の不当行為」であるとか「上司による地位または職権濫用の粗暴な叱責」のように普通の日本語にすれば、意のある所を表現できるのではないかと言いたいのだ。もしかすると「カタカナ語にして表現すること」に権威を見出しているのかと、残念に思っている。


8月28日 その2 迷惑電話に潜む危険

2024-08-28 09:51:51 | コラム
迷惑電話にご注意を:

我が方は30年ほど前から固定電話をナンバーディスプレイ式にして、登録していない番号からの電話には出ないようにしている。だが、かけてくる方はそうとは知らないのだから、一日に一度くらいの頻度でかかってくる。彼等が諦めて切った後で、番号を記録して検索にかけている。多くは不動産関係、不用品買い取り、リフォーム等だが、最新の新手に0120で始まって終わりの3桁が110と言うのがあった。

「110」とあれば警察関係を思わせるが、留守電になっても一言も喋らなかったので「怪しい」と直ぐに判明。そこで検索すると「警視庁特殊詐欺対策センターと名乗るので、詐欺電話の疑いがあるから要注意」と出てきた。警視庁にそういうセンターがあり、一般市民にわざわざ電話で知らせて下さるとも思えない。確かに厳重に注意だろうが、ナンバーディスプレイ式にされていなければ防ぎようがないと思う。

傾向としては正常な事業者の0120もあるが、携帯電話の090、080、070で始まるものと、IP電話とやら聞く050から始まる電話は先ず何か喋ったことがないのが特徴だし、同じ番号から繰り返してかかってきている例もある。

不用品買い取りと判明している場合には「我が家には残念ながら必要最低限の物しか残っていない」と言いたい衝動に駆られる。だが、こうすれば彼等の術中にはまるのだと承知している。不用品買い取りは一頃横行した「アポ電」の類いだろうと考えている。

ナンバーディスプレイ方式を採用されておられなければ、黙って待っていれば本当に用事があるのだったら、留守電に切り替わったところでメッセージを残そうとするはず。そこ出て見れば良いのだと思っている。現に登録していなかった何らかの関係がある法人関係の場合には、留守電になればちゃんと話して貰えるのだった。

我が家ではかかってきた登録外の番号は全て検索して正体を調べてある。今やその小さなメモが既に20枚に近くなったので、何時かは一表にしようかと思案中。それほど多いのは、そういう「カモに出来そうな高齢者」のリストが彼等の間には出回っているのだろうと推理している。でも、数字の入力は不得手なのでね。

どうしても気になるカタカナ表記の話

2024-08-28 07:15:23 | コラム
アメリカでは「プリアス」と言われていますが:

つい先日のこと。アメリカに住んでおられる方の投書に注目した。その方は「アメリカでもPriusのタクシーが増えていますが、アメリカでは『プリアス』のように呼ばれています」と指摘しておられた。このように言われるのは尤もだと思った。

英語とは不規則だらけの言語であるとは、これまでに何度も取り上げてきた。即ち、我が国のローマ字のようにキチンと母音のa、e、i、o、uを「ア、エ、イ、オ、ウ」と発音しない場合が圧倒的に多いので困る。トヨタでもPriusの場合も“us”の部分を「ウス」としてあるのだ。だが、投書した方は「英語で『私たち』と『我々』を意味する“us”は『アス』であり『ウス』とはならない」と指摘されたのだ。

私はトヨタともあろう世界的に事業を展開している会社は、その辺は充分に承知で「プリウス」にしたのだろうと解釈している。

この『ウス』読みというか発音のCMが、毎日のように早朝に流されている。それは「アートアクアリウム」である。英語表記では“Art aquarium”だろうが、これは本来「アートアクエアリアム」であるものを“us”を「ウス」と読んだというか表記したのである。同様な例に“aluminum”を「アルミニューム」とカタカナ語にしたものがある。「アルーミナム」が英語に近いのだ。困った事に“alum”の所の“u”は「ウ」になっているのだ。

他の不規則な例を挙げてみよう。今朝から「オアシスが再結成」とのニュースが流れている。UKの「ロックミュージックバンド」のことのようだが、私などは知る由もない連中の話。この“oasis”も英語の不規則性の最たる例で、「オウエイシス」と表記すると最も英語の発音に近くなると思う。即ち、“a”を素直に「ア」とする方が希なように思えるほど「エイ」が多い。不定冠詞の“a”ですら「ア」ではなく「エイ」とするアメリカ人が多いのだ。

「エイ」と発音することに疑問を感じたので、私は彼等に「何故?」と尋ねたことがあった。答えは「『ア』だと正確に聞き取ってくれないことがあるので、間違いないように『エイ』と言っているまでだ」だった。だが、気が付けば私も感化されたのか、あるいは「郷に入れば郷に従う」だったようで「エイ」派に所属していた。

だから「青木功」が「アイサオ・エイオウキ」となっているのも自然なことだと受け止めている。だが、“NATO”を総理も閣僚も学識経験者も、高名なジャーナリストも「ナトー」と言うのには大いに抵抗を感じている。あれは「ネイトウ」なのだから。英語が厄介なのだろうか、ローマ字表記に問題があるのだろうか。

8月27日 その2 珍しい出来事だった

2024-08-27 16:28:39 | コラム
予約の時刻よりも15分も早かった:

本8月27日は国立国際医療研究センター病院の循環器内科の定期的診察の日。予約の時刻10:50よりも1時間ほど前の9:50に再来の受け付けを終了。直ちに、血圧を自分で測定すれば119/53という数字で一安心。

主治医の先生は予約の患者が多いので、何時も呼ばれるのは11時過ぎになるので、今日もそんな事だろうと見込んで、循環器内科の診察室から少し離れた場所で寛いでいた。この病院では再来の受け付け機を始めとして、続々と新しい機械を導入されるので、私が座っていた椅子の前にある新型の採血・採尿の受付機もやり方に戸惑う高齢者が多かった。

そんなこんなで10時半を過ぎたかなと思った時に、私の番号である1425が掲示され、機械の音声でも「1425番の方」と呼んでいるのだった。「こりゃ大変だ」と大慌てで、診察室に向かってダッシュ。間に合った。良かった。10:35と15分も前のこと。

今年で国立に通い始めて18年。現在の主治医の医長先生に診て頂くのも13年目だ。その18年の間に予約時間の前に呼ばれたのは、記憶が正しいと思うが3回目だ。凄いことだと嬉しかったし、誰に感謝すべきか迷いつつ診察を受けた。血液検査の結果も心電図もまずまずで「このまま日頃の行動範囲を逸脱しない生活を続けること」と言われて終了。

10号という嵐の前の静けさで雨も降らず風も吹かず、安心して帰路についた。