新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月1日 その2 個人的に余り好みではない話題

2024-10-01 13:27:48 | コラム
世界で段ボール原紙の需要が停滞:

紙パルプ産業界で現在・将来共に需要が伸びていくだろうと、誰しもが見込んでいたのが段ボール原紙と箱及び衛生用紙だった。その中にあって我が社はアメリカ最大級の段ボール原紙とは箱のメーカーでありながら、2010年前に年間6,000億円超の売上高を誇っていたこの事業部を売却してしまっていた。それどころか、2017年を以て完全に紙パルプ産業界から撤退してしまっていた。

その大英断が吉と出たのか凶と出たのか、リタイアして30年も経ってしまった私如きには判断のしようもないが、紙業タイムス社が発行する週刊誌版Future誌の最新号によれば、「コロナ(=COVID)後には世界の段ボール原紙需要は停滞している」のだそうだ。これは一寸意外なニュースだったので、その内容をかいつまんで紹介してみようと思う。

なお、個人的に好みではないと言う理由を、ここにつまびらかにしようとまでは思わないが、言うなれば事業部の間には対立関係もあるという事。

「世界の段ボール原紙と箱の産業界とは」ご存じではない方もおられるかと思うので触れておくと、紙と板紙の世界最大の生産国は中国であり、段ボール原紙でも生産量が世界最大なのである。これは中国が既にアメリカに次ぐ世界第二の経済大国にのし上がっているのであるから、段ボール箱の生産と需要も急成長を遂げていても不思議ではないのである。即ち、段ボール箱の需要の成長の度合いが、その国の経済発展のバロメーターであるという見方がある。

そこで、その箱の需要を賄う段ボール原紙の世界各国の22年度の生産量を紹介していこうと思う。第一は中国である事は既に指摘してあった。(単位:000トン)

1、中国     51,100 △3.0%
2、アメリカ   34,164    △5.5%
3、日本            10,201  △0.7%
4、  ドイツ    9,516     △4.1%
5、インド         6,600      △0.5%
6、  韓国                5,714      △4.5%
7、ブラジル         6,,307         7.4%
8、ロシア            4,418      △4.9%
9、ベトナム      4,061      △1.4%
10、インドネシア3,972    △ 3.1% 

となっていて、11位以下はフランス、メキシコ、スペイン、タイ、トルコ、イタリア、台湾、ポーランド、スウエーデン、カナダとなっていた。矢張りというべきか、西側の諸国が多い。

次に、同じく22年度の各国の人口1人当たりの消費量を見ていこう。この数字の方が各国の消費量のバロメーターになると思う。紙類全体の場合と同様に中国は20位には入っていないのが印象的だ。(単位:kg)

1、韓国    104.11
2、スロベニア   95.72
3、アメリカ    87.84
4、ドイツ    84.50
5、台湾        82.11
6、イタリア        78.10
7、リトアニア     78.01
8、スペイン         75.80
9、日本                74.35
10、ポーランド 73.53

となっている。我が国の位置が先進国としては低いのが気になるが、それだけ経済成長も停滞しているという事か。

なお、11以下はチェコ、ニュージーランド、オーストリア、コスタリカ、フィンランド、クロアチア、ベルギー、オーストラリア、フランス、UAEの順となっていた。感覚的には人口が少ない国では消費も少ないという事か。

参考資料:紙業タイムス社刊 Future誌 24年10月7日号


本日誕生する石破内閣

2024-10-01 06:35:36 | コラム
石破内閣に何を期待するか:

毎度同じ事を言うが、私が政治を論じる場合には「マスコミの報道と、テレビに登場する政治ジャーナリストと通信社の専門家がその持てる情報の半分も語っていない事に基づいている」とお断りしてきた。今回もそれ以上でも以下でもない。

私は何も新内閣や新社長に限ったことではないが、華々しくマスコミに騒がれて登場されても「何も期待しないよう」にしてきた。故に本日に正式に誕生する石破内閣には未だ何の期待もしていない。

この考え方は大谷翔平についても同様である。この意味は「何かを成し遂げるだろう」などと期待して結果が出なかったときに落胆して非難するよりも、何も期待していなければ、何らかの目に見える結果を出して貰えれば「良くやって下さった」と感謝も評価も出来るのだから。

別な言い方をすれば、私は「日本の会社の仕組みは入社時点で100点を貰い、それが時間の経過と成績によって減点され、減点が少ない者の順番で昇進していく」と経験からも考えている。一方アメリカの会社では「入社したときの持ち点はゼロで、時が経つ毎に実績に基づいて加点され昇給していく方式だ」と認識している。即ち、石破茂氏には「持ち点がゼロ」から出発されると見たいのである。

偽らざるところを言えば、得意の「閃き」では石破氏が「5度目の挑戦」と言われた時には、何らの理論的な裏付けなど無く「芳しくない結果にならなければ良いが」と来ていた。そして、我が国の憲政史上初の女性総理となるかも知れなかった高市早苗氏を退けて選出された。

私は長い年月をかけて挑戦された総理・総裁の座を目指されたのであれば、今日までの政治史上には見たことも聞いたこともなかったような高邁な、と言うか何人の追随を許さないような質の高い政見と見解を周到に用意されているのだと推理していた。だが、国会で新総理に選出される前に解散/総選挙の日取りを公表され、村上誠一郎氏を閣僚に選任される事態を見ていると、何となく不安にさせられた。

「何も期待していないようにする」とは言ったが、このままジッと成り行きを見守って10月27日にどのような結果を出すかを待っていようと思う。その間は何らの結果を出しようがないのだから。

なお、昨夜4、6、8の各局のBSでの石破茂評を聞いて分かったことの一つに、「豹変」と酷評された早すぎる解散/選挙の予定発表の裏の事情は「今言わないと、各地の選挙管理委員会の準備が整わないからだそうだ」というのがあった。また、何方だったかは「選挙期間中の公約を当然した後で完全に実施した例がどれほどあったか」と、豹変の理由を解説したのも印象的だった。