第12話 身分の差
ヨン・ゲソムンは、新羅のキム・ソヒョンの家で下男として育てられていた。
才能をみいだされ、花郎(ファラン)の修練場で郎徒(ナンド)として修練をゆるされた。
この時代は身分制度が厳しく、身分の差を思い知らされる。
花郎の修練場の終了の日の夜宴の会場。
この日ばかりは、恋を育むことを許された日。
フムスン:私の面目をつぶすとはなんて奴だ。
私に才能がないと侮辱した
花郎は助けなど必要としないのだ。
かばうのは侮辱も同然。
ゲソムン:仕方なかったのです。
個人より組織の力を試されていました。
フムスン:身分を忘れたか
ゲソムン:そんなことはありません。旦那様やフムスン様たちのご恩は決して忘れません。
フムスン:分かっていながら私に恥じをかかせたのか
その口でちゃんと言え、お前の本分は何だ?
ゲソムン:フムスン様一家の下僕です。
私は自分で起き上がれた。ダメなら死ぬまでだ。
花郎は敵陣で死ねれば本望だ。
それなのにお前のせいで恥をかいたではないか。
ボヒ:ゲソムンは兄上を助けようとしたのです。褒めるのがすじでは。
彼は平民ですから郎徒になれました。
ユシン兄上と父上にしかられたいのですか
ゲソムン:フムスン様が怒るのは当然です。誰よりも勇ましい方ですから。
私の世話になるなんて耐えられないはずです。
ホビ:これを開けてみて、
私が2ヶ月かけて縫い上げたの。着てみて。後ろを向くから早く着替えて。
ゲソムン:いけません。私のようなものが。お嬢様が縫ったものを頂くなんて。
ホビ:郎頭別将(ナンドウピョルヤン)になって、私も誇らしく思っている。
ゲソムン:とても信じられません。お嬢様が私のために
ホビ:いいから丈が合うか着てみせて
ゲソムン:本当にくださるのですか。
私は下男です。お嬢様の作ったものは着られません。
ホビ:ゲソムンは下男じやない。父上もちゃんと認めていらっしゃる。
ゲソムン:お嬢様(アガシイ)
(こちらは、キム・ユシンとチョングアンニョのカップル)
チョングアンニョ:
明け方に起きてここで祈祷をするんです。
私は実の親も兄弟も知らないのです。
7才でここにきて、12才の時に天官Uチョングアン)になったのです。
そしてミシル宮主の養女になりました。
ユシン:宮主は国の要人です。
大変尊敬されているとか。
チョングアンニョ:私を王宮で暮らせるようにしてくださると。
ユシン:これは御神酒ではありませんか。
チョングアンニョ:一度捧げたらもう二度と使えないのでこっそりと頂くんです。
ユシン:私は今困惑しています。あなたと一緒にいることが
チョングアンニョ:
修練場でお姿を拝見して、大花郎を慕うことが運命だと感じました。
いつかきっとよい方に巡り会えると思っていました。
そこに大花郎が風のように現れて私は心を奪われたのです。
また会えますか?
ユシン:私も心を奪われた。また会いたい。
夢を見ているみたいだ。
こんな美しい女性と酒を飲むなんて。
チョングアンニョ:
母から大花郎のことを聞いていました。
皇太后のお孫さまだと。
だから近づかないように言われたのです。
それでもまた会いたい。
ユシン:きっとそうしよう。
ミシル:大花郎ではないか
この子は神宮の祭事を執り行うのだ。
まさか神に仕える娘を誘惑しているのか?
花の中には触れてはならないものがある。
もし、また近づけば不幸がおきるであろう。
皇太后にも怒られるぞ。
(こちらは、ゲソムンとボヒのカップル)
ボヒ:よくにあっているわ。
ゲソムン:こんな贈り物を頂けるとは夢にも思っていませんでした。
ボヒ:始めてうちの来た時から分かっていたわ。
ゲソムンは卑しい身分ではないと。
今の境遇は何か理由があってのことでしょう。
ゲソムン:お嬢様は一度も私をさげすみませんでした。
ボヒ:父上もね。何かを見いだしたから郎徒にしたのよ
ボヒ:母上は王女だった。
骨品(コルプム)でも最高位の聖骨あ8ソンゴル)よ
父上とはこの夜宴で知り合ったのよ。
父上は真骨(チンゴル)の中でも一番身分が低かった
二人は天と地ほど身分が違ったの
でも母上は父上のために王宮を逃げ出した
すごいでしょ
☆骨品(コルプム):新羅の身分階級制度
☆真骨(チンゴル):片親が王族でない貴族
ゲソムン:まるで夢物語を聞いているようです。
ボヒ:これは本当の話よ。だから私は母上に言おうと思っているの
ゲソムンとの愛を認めてほしいと。
母上だって夜逃げしました。
反対されたら駆け落ちしましょう。
ゲソムン:ごじょうだんが過ぎます。これ以上聞いていられません。
ボヒ:この夜宴は愛し合うための宴だと聞いたわ
私があなたを好きだとしっているでしょう。
ゲソムン:私のようなものでは。
ボヒ:私は本心を伝えているのよ。
ほんとうのことを言って
嫌いならあきらめるわ
ゲソムン:天女みたいなお嬢様を嫌う男がどこにいますか
ボヒ:あなたの気持ちが分かって嬉しい。機を見て話してみる。
ユシン:ホビも愛を告げる花郎を見つけたか?
私は天女のような女性に出会ったぞ。
遊女もいるから探しに行ってみろ
ホビの母:新しい着物ね。
ひょっとして姉さんが縫ったの?
ユシン:昇進したなら新しい着物が必要だ。よく似合っている
さあ、行こう父上が帰る頃だ。
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