高句麗の白頭山(ペクトウサン)
祖室(チョシル):
歳月は放って置いても流れていくものだ
だが、ナンスンは忍耐力がなく帰ってしまった
じきに青龍はとどまっていた地を去り
虎は翼を得るだろう
祖室(チョシル)
何が見えるのですか?
わからぬか
一体、この世界に入って何年生きているのだ
ヨンテジョならば、とっくに見えているはずだ
再び高句麗(コグリョ)で大変なことが起きている
間もなくヨンテジョは下山するだろう
ヨン・テジョ師兄(サヒョン)が?
祖室:そうだ。下山の準備を手伝え
高句麗の遼沢 京観(キョングアン)
テジュンサン:
10月の祭天(チェチョン)までには終わらせろ
使えぬ者は直ちに排除せよ
随の者が何人死のうと構う者か
☆祭天:天を祭る日
高句麗(コグリョ) 平壌城(ピョンヤンソン) 大殿(テジョン)
ヨンヤン王:
気づかぬうちに年を取ってしまったな
朕は25年の間、太子として過ごし、王座に就いてからは十数年が経った
そろそろお前に王座を譲る時期だな
コゴンム(弟):陛下はもっと長生きなさるべきです
ヨンヤン王:
ここまで生きれば思い残すことはない
死を迎える準備を始めなくては
コゴンム:なぜ今日はそう弱気なのですか
酒でも飲みましょうか
ヨンヤン王:
酒が飲みたいわけではない
人生とは切ないものだ
考えてもみろ。なくなった父上は、どれほど西土(ソト)を討ちたかったか
だが、その望みは叶えられなかった
朕もその遺志を成し遂げられず王の名を汚したのだ
☆西土(ソト):高句麗の西方、随
コゴンム:
そうではありません
陛下がもたらした偉大な戦果は前人未踏といえます
その勝利塔を建設中です
ヨンヤン王:
朕もクワンゲト太王(公開土太王:高句麗19代王)を目指して
馬に乗って西土の大地を走り回りたかった
年を取りすぎてこの夢はもう叶わぬ
お前ならできるかもしれぬが
それはそうと
莫離支(マンニジ)はなんとも薄情だな
白頭山(ペクトウサン)に登ったまま、何の知らせもない
人を送ってくれ
引き戻すのだ
京観が完成する頃には、中原(チュンウオン)の者どもが攻めてくるかもしれぬ
莫離支(マンニジ)がいないと困るのだ
コゴンムよ
朕が死んだ後にも莫離支に協力してもらうのだ
ヨン・テス(ヨンテジョの弟)に頼りすぎるな
10月までには京観が完成するのだな
待ち遠しい限りだ
随のヤン・ギョンが腹を立てている姿が目に浮かぶ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます