気ままに

大船での気ままな生活日誌

大阪の日本画 東京ステーションギャラリー 

2023-05-09 08:59:38 | Weblog

おはようございます。

先月、東御苑の二ノ丸雑木林に咲く金蘭、銀蘭を見てきたとき、帰りに東京ステーションギャラリーに寄った。こんな大看板の美人さんに惹かれて、つい、ふらふらと足を踏み入れてしまった(汗)。

大坂の日本画展”というタイトル。浪速の近代日本画、初の大規模展がやってくる!というコピー。京都の近代日本画なら、竹内栖鳳、上村松園、橋本関雪、堂本印象等と次々思い浮かぶが、大阪の近代日本画家というと?すぐに浮かんでこない。でも、プログラムを見ると、悪魔派として知られる北野恒富、そして上村松園(京都)、池田焦園(東京)らと共に”三都三園”と讃えられた島成園(大阪)ら知っている名がある。

これらの画家の作品を足掛かりに大阪の日本画を探訪してみよう。大阪中之島美術館のコレクションと全国から集めた優品が何と150点も上京している。作家は50名を数えるという。

第1章”ひとを描く/北野恒富とその門下”である。北野恒富の美人画が前後期で18点も並ぶ。そして弟子筋の中村貞以、木谷千種も。そのうち、なんとか、画像をとれたものをいくつか。

北野輝富 宝恵籠 昭和6年(1931)頃 宝恵駕籠(ほえかご)とは、西日本の神社周辺で行われる駕籠(かご)の行列。

北野恒富「風」大正6年(1917)

北野恒富「淀君」大阪城落城寸前の淀君が闇に浮かぶ。

以下の二人は北野恒富の弟子筋の女性画家。初めて見るような気がする。いいね。覚えておこう。

中村貞以「失題」本展の看板娘全体にの丸いフォルム。よく見ると着物の柄はコウモリ。目が印象的。

木谷千種 芳澤あやめ 大正7年(1918)元禄から享保にかけて大坂で活躍した女形の歌舞伎役者。

以下も知らない画家ばかりだが、記録に残しておこう。章別に。

2、文化を描くー菅楯彦、生田花朝 

古き良き大阪庶民の生活を描いた”浪速風俗画”の菅楯彦。大阪市名誉市民の第1号にも選ばれたのこと。生田花朝は楯彦の弟子。その作風を受け継ぎ、軽妙でユーモラスな作品も残す。

菅楯彦「阪都四つ橋」

生田花朝「天神祭」昭和10年(1935)頃 天神祭は行っているので様子はわかる。

3、新たなる山水を描くー矢野橋村と新南画 

矢野橋村は日本の風土にもとづき、近代的感覚を盛り込んだ「新南画」を確立。橋村の「新南画」は、北野恒富らの「人物画」とならんで、大阪を代表する日本画とのこと。

矢野橋村 不動窟

4、文人画ー街に息づく中国趣味 

江戸時代には都への玄関口だった大坂では中国趣味が栄え、水墨山水画に賛を加えた文人画(南画)が流行した。明治以降にもその流行は続き、西日本を中心に各地から文人画家が集まったようだ。

田能村直入《花鳥図》弘化4年(1847)、 河邊青蘭《武陵桃源図》明治41年など。 画像なし。

5、船場派ー商家の床の間を飾る画 

船場は多くの商家が軒を連ねる大坂市民文化の中心地。これら商家の床の間を飾ったのが船場派の作品だった。彼らの注文に応えて求められた絵なので、もっとも大阪らしい絵画とも。

平井直水「梅花孔雀図」明治37年(1904)

ほかに、西山完瑛《朝波仙禽図》、 西山芳園《黄稲群禽図》、 庭山耕園《白雁鶏頭図》など。

6、新しい表現の探究と女性画家の飛躍 

大阪は、明治末から大正にかけて複数の新聞社や出版社が本社を構えたこともあり、全国から多くの画家が仕事を求めて集まる。また、子女が教養のために絵を習うなど、女性画家が生まれる土壌があった。島成園、中村貞以、木谷千種らが生まれた。

中村貞以 朝

島成園「祭りのよそおい」大正2年(1913

北野恒富のいくつかの作品以外はすべて初見(あるいは忘却か)の新鮮な展覧会だった。また、どこかで再会したいね。

あの日、東御苑二ノ丸雑木林に咲いていた金蘭。(4月19日)

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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6 コメント

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Unknown (小父さんA)
2023-05-09 11:18:31
おはようございます。

待ってました!(笑)
面白いギャラリーの造りですね。
実は私も東御苑に行くことが出来ないかな?と思ってネットを観たら「予約制」の文字を観てKITTE丸の内でも何でもいいやと思って、ふらふら歩いていたらこの看板を見つけて入館したのでした。

marboさんは画家名も、とことんお詳しいですね。
私は全くのちんぷんかんぷんですが、掛け軸とか屏風などなどを目の前にしてある種の感動を覚えました。

北野輝富 宝恵籠~作品は忘れていますが、宝恵籠に乗ってうつむき加減で、こうして拝見するといいものですね。

北野恒富「風」~真ん中で割れているので屏風でしょうか。「悪魔派」(笑)といわれた妖艶で頽廃的な雰囲気をもつ恒富の人物表現は、普通の美人画とは異なり、人の内面を画面全体で描き出している・・・面白いです。

北野恒富「淀君」~絶望的な状況の中に静かに佇む淀君の姿。恒富は型に囚われたいわゆる「美人画」よりも生命のにじみ出た「女の画」を目指していました。闇に浮かぶ淀君の表情が印象的な、情念の表現においての恒富の代表作です。・・・いやはや、映画の中みたいです。この作品も覚えておりません(汗)

中村貞以「失題」~上目遣いで見つめる定まらない視線、左にゆがんだ真っ赤な口元、着物に散らされたコウモリ柄、さらには、垂れ下がる一束の前髪や乱れた着物は、大正時代特有の退廃的な雰囲気を醸し出している。・・・困りましたね、色っぽ過ぎ手私は苦手です(笑)

木谷千種 芳澤あやめ 大正7年(1918)・・・強烈な印象です。私は、相対したら、たじたじです(笑)

菅楯彦「阪都四つ橋」~長堀川と西横堀川の交差する地点に口の字形に架けられていた四つの橋の
賑わいを描いた作品だそう・・・このよう文化を現代もどこか引き継いでいる気がします。

生田花朝「天神祭」昭和10年(1935)頃・・・この祭りの本物を観たことはありませんが、このままを今でも引き継いでいるようですね。祭こそ残るものなんですね。

矢野橋村 不動窟~見えずらかったので検索してみました。
      ↓
https://www.fashion-press.net/news/gallery/99488/1675380

表現は出来ませんが、興味津々です。

平井直水「梅花孔雀図」明治37年(1904)・・・何とも華麗な

中村貞以 朝・・・とてもお洒落な構図に思えます。朝顔は時間軸でしょうか?(笑)

島成園「祭りのよそおい」大正2年(1913)・・・
う~ん、表情と足がとっても可愛いです。

>東御苑二ノ丸雑木林に咲いていた金蘭。

行きたかったです、うわっ、私は4月18日にぶらぶらしてました!

有難うございました。
返信する
よろめきも (アナザン・スター)
2023-05-09 11:20:04
今や、美人にはときめかず、よろめくお歳なのですね。
でも、よろめいて美人にはしがみ付かないで。
転ばぬ先の杖にはなりませんから。

美人画にも多々ありますね。
やはり好みの問題かと。

観させて貰う有難さです。
返信する
Unknown (雪椿)
2023-05-09 13:43:40
美人画は好みが出るような気がします
今の美人と昔の美人の基準は、    
多分、違うのでしょうね。
私は可愛いお顔の美人画が良いです

上野の東福寺展は息子夫婦が帰省してたので一緒に見に行ってきました 
精養軒でお昼を食べてきました
上野にあるお店は、どこも混んでましたが。
精養軒は混んでなくてほどほど空いてて良かったです
穴場でしょうか?

息子夫婦が帰った後に。
姉と2人で京都に行ってきました
息子夫婦の住まい近くの
長岡天満宮の霧島ツツジは見頃は終ってましたが、綺麗でした

去年、10月に姉と京都に行った時は雨が続いてて。
祇園にある吉本の祇園花月で席が空いてたので雨宿りで初めて吉本新喜劇を見たら。
東京では知らない漫才師さんも出てましたけど。
結構、面白かったです

姉は今度は難波にある
なんばグランド花月の舞台が見たいとなり、1日大阪に行ってきました。
本場の舞台は面白かったです

結構、小さい子供を連れて
観劇してる家族が多かったです。
小さい頃から大阪の子供は笑いに慣れてるのでしょうか?

早めにチケットを買ったからか、私達は前の方の席で。
隣に座ってる子供達に舞台に出てる芸人さんが話し掛けて笑いを取ってました

立ち見の人までいて満員御礼でした
大阪はゴチャゴチャした感じがして、人混みで疲れました

京都も人が多かったです

姉とは、1日別行動をしました。
姉は久しぶりに大徳寺の方へ行って。
今宮神社で、あぶり餅を食べようとしたら。
2軒ある店にズラーッと門の外まで食べる為の行列で、食べるのを諦めて帰ってきたそうです
大阪でも並んでたこ焼きを食べてきましたが、
あぶり餅店は
たこ焼き屋の行列よりも、ズラーッと並んでいたそうです

主人は仲間と
山菜採りができる新潟の温泉宿に出掛けて、それぞれ連休中は各自で過ごしました

相撲観戦もですが、山菜採りや魚釣りなどは同じ趣味というか、好きな仲間同士で行かないと楽しめないですね






 
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小父さんAさま (marbo)
2023-05-09 22:14:44
その頃、東御苑は日時指定ではなかったはずですよ。たまたま、むかしのサイトを開けてしまったのでは。ぼくは今日も行ってきました。カルミアやエゴノキなど最高でした。

この展覧会を見られている小父さんならではの感想コメント、ありがとうございます。いろいろ補充いただき、参考になりました。

大谷、大活躍でしたね。今日はスマホでチェックです。明日の投手登板ははずせません。
返信する
アナザン・スターさま (marbo)
2023-05-09 22:19:08
久し振りによろめきました(笑)。清方の築地明石町の貴婦人には睨まれそうです。

今日は東御苑の赤いカルミアの花によろめいてきました。

ありがとうございました。
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雪椿さま (marbo)
2023-05-09 22:37:56
美人画もいろいろありますね。清純派から艶美派まで。大阪はどちらかというと後者が多いですね。

>上野の東福寺展は息子夫婦が帰省してたので一緒に見に行ってきました 精養軒でお昼を食べてきました。

東福寺展、行って来ましたか。通天橋からの紅葉、良かったでしょう。精養軒は広いので、いつでもなんとか、そう並ばずに座れますね。ぼくは東博のレストランで焼きそばに生ビールが定番です。

ぼくも、なんばグランド花月で吉本喜劇を見ています。俳優さんは忘れてしまいましたが、とても面白かったですね。

五月場所ももうすぐですね。国技館で観戦されるようで、楽しみですね。ぼくは今場所はテレビ桟敷になりそうです。

ありがとうございました。
返信する

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