気ままに

大船での気ままな生活日誌

映画 90歳/何がめでたい 

2024-06-24 20:57:03 | Weblog

こんばんわ。

梅雨入りしていきなり梅雨の晴れ間。予報では真夏並みの暑さというので、外歩きは止め、久しぶりに辻堂の映画館へ出掛けた。”オッペンハイマー”以来だから三か月振り。

三月のあの日は逆に寒い日で外歩きを止め、藤沢の図書館で佐藤愛子の”90歳、何がめでたい”を手にとった。愛子さんが90歳になって、執筆活動を止めていたとき、女性セブンから連載を頼まれ書き始めたのをまとめたものだ。これが映画化されるとは、そのとき露ほども思っていなかった。愛子さんの自叙伝、”戦いすんで日が暮れて”なら話しはわかるが、エッセイの映画化とは?筋立てに興味をもった。

脚本は大島里美で、なんと佐藤愛子に原稿を頼みに行った編集者をクローズアップし、さらに、お二人の家族を巻き込み、笑いとペーソスの物語に作り上げた。

監督は前田哲で、僕も見ている”老後の資金が足りません”、”こんな夜更けにバナナかよ”を制作している。重苦しい”オッペンハイマー”とは真逆のコメディーである。

主役の愛子さんには90歳の草笛光子、職場でパワハラだ、セクハラだと馬鹿にされている編集者の吉川には唐沢寿明。愛子は、もう仕事はしたくないと何度も突っぱねるも、吉川のお土産攻勢に負けてエッセイを書き始める。でも書き始めると、うつ病気味だった心も晴れやかになり、口には出さないが吉川に感謝している。

エッセイの中身もいくつか現れる。たとえば、”来るか?日本総アホ時代”。白髪混じりのタクシーの運ちゃんとのスマホ談義。そんなものが行き渡ると、人間はみなばかになる。調べたり考えたり記憶したり、努力をしなくてもすぐ答えが出てくるんだもの。おわりに、もう文明の進歩はこのへんでいい。進歩が必要だとしたら、それは人間の精神力であるとぴしゃり。

犬の鳴き声がうるさい、子供の騒ぐ声がうるさくて昼寝もできないと文句をいう輩にも愛子の強烈パンチが炸裂する。あやしい奴が来たら吠えるのが犬の職分。子供は騒ぐのが商売。吠える犬は吠えないように訓練したり、近所に保育園が新設されると反対運動を起こすアホども、と手厳しい。

編集者、吉川の人生も描かれる。奥さんから離婚届けに判を押すよう言われている。娘も母の味方だ。さて、愛子さんはどちらの味方だったでしょうか。ネタバレになるのでここでは言いません。

エンドロールの左半分を使って、実際の佐藤愛子さんの子供時代からのアルバムが流れる。そして最後に、”佐藤愛子さんは2023年11月、100歳を迎えました”、の一行が〆る。

佐藤愛子 | 著者プロフィール | 新潮社の画像

とても楽しい映画でしたよ。

前田哲監督の次回作は”100歳/何がめでたい”でしょうか(笑)。もちろん、主役は草笛光子さん!

では、おやすみなさい。

いい夢を。


散歩道の白花のアガパンサスが咲きました。

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6 コメント

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痛快❢ (アナザン・スター)
2024-06-24 21:32:28
今晩は。
佐藤愛子さん、然程に思わなかった作家です。
こんな暴言、云われたないわ。

然し、この歳になって見れば阿仁図らん。
仰る通りです。
年寄りを莫迦にしくさって!
そっちの方が、と云いたい。

教養の欠片もなく、傍若無人そのものの輩。
腹が立つのではなく、飽きれて絶句。

愛子さん、先々を見越した偏見?
あ・違うわ。
先見の明に👏です。

それ以来、愉しいことを見つけられる工夫してます。

主演の草笛光子さん、はまり役ですね。

有難うございます。
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Unknown (小父さん)
2024-06-24 21:56:02
はっはっは、この看板を観ながらおもしろそうだなと思いながら通り過しておりました。
marboさん、流石です、時流に乗られていますね。

>なんと佐藤愛子に原稿を頼みに行った編集者をクローズアップし、さらに、お二人の家族を巻き込み、笑いとペーソスの物語に作り上げた。

いや~、楽しかったでしょう!

ありゃ、”老後の資金が足りません””こんな夜更けにバナナかよ”そして”オッペンハイマー”とは!

オッペンハイマーは映画公開前にNHKが長めのドキュメンタリーやっていましたね。
でも、後の三つの作品はとても楽しそう!

草笛光子さんはちょうど90歳ですか!
彼女の若さは信じられませんね。

編集者の唐沢寿明氏もいいですね。

>そんなものが行き渡ると、人間はみなばかになる。

私はそのばかの真っただ中で生きています(汗)

>進歩が必要だとしたら、それは人間の精神力であるとぴしゃり。

言いこと言いますね~、佐藤愛子さんに草笛光子さん!

1.あやしい奴が来たら吠えるのが犬の職分
2.子供は騒ぐのが商売

そしてアホどもか(笑)

ん?これ、ひょっとして佐藤愛子さんの本を読まれて、一度ブログで紹介されませんでしたか?(汗)

えっ、佐藤愛子さんはもう100歳でしたか。
いやいや、聡明な方ですね。

私には病魔と闘っている86歳の姉が福岡に、そして船橋の88歳の姉のことを甥と話すと「会話のキャッチボール出来ました?」が言ってました。
それが、普通の年の取り方ですよね(笑)。

う~ん、神戸では「テルマエ展」も始まったところだし・・・、イオンシネマはすぐ近くにありますが、悩みがまたひとつ増えました(笑)

有難うございました。
おやすみなさい。
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アナザン・スターさま (marbo)
2024-06-24 22:44:15
草笛光子さんが佐藤愛子になりきっていました。はまり役ですね。編集者の人生も含め、笑いとペーソスの物語でとても面白かったです。愛子さんの箴言は我々にも耳の痛いところもありますが、間違ったことは言っていませんね。

機会があったらどうぞ映画も。おやすみなさい。
返信する
小父さんさま (marbo)
2024-06-24 22:54:29
楽しい映画でしたよ。三か月ほど前、愛子さんのエッセイを読んでいたのでポスターを見て是非と(笑)。前田監督の映画は面白く、よくみていますね。オッペンハイマーはアカデミー賞総なめという評判の映画でしたので見てみました。映画通には面白いかもしれませんが、ぼくらにはちょっと難しすぎたですね。小津作品など定評のある映画と共に、現代の楽しい映画も爺さんになっても、見ていこうと思っています。
おやすみなさい。明日は大谷2本いきますよ!
返信する
白花が好き (ヒロリン)
2024-06-25 05:31:16
前日の大船フラワーセンターの記事に

「アガパンサスの青とクリナムの白との列。青と白のブルース。」

とあったのを見て

「ん?私、どこかで白花のアガパンサスを見た記憶が。」と。

鎌倉のお寺?

思い出せずにいたのですが、marboさんのブログに
その<白花のアガパンサス>が登場してビックリ!

昨日は円覚寺に行き、松嶺院で山百合を発見!
ところが1週間ほど前に咲いてもう散ったとか。

がっかりしている私にお寺の方が初めて出逢う
<シラタマモクレン>というミステリアスで
チャーミングな“白花”を教えてくださいました。
返信する
ヒロリンさま (marbo)
2024-06-25 08:43:07
白花のアガパンサスはいいですね。ちょうど散歩道の道沿いにあり、毎日、楽しめます。大巧寺にもあったような気がします。

シラタマモクレン、ネットで調べたら、まるで白玉のような花ですね。こんど円覚寺に寄ってみましょう。
花情報、ありがとうございます。
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