昨日、高校時代のクラスメートの、定年後はじめたとは思われない、上手な水彩画を観てきた。水彩画といえば、一週間程前、散歩の途中、北鎌倉の古陶美術館(名前が変わって、北鎌倉古民家ミュージアムとなっていた)で、榎木孝明の展覧会をみてきた。榎木さんはたぶん鎌倉(周辺)にお住まいである。なぜなら、夏の八幡さまのぼんぼり祭りに必ず、彼の水彩画ぼんぼりをみつけるからだ。
本職は俳優か画家か、というより、どちらも本職である。俳優としての活躍はいうまでもないが、美大卒業で、世界各地をスケッチ旅行するたびに画集を出版しているし、こうして個展も開いている。彼の個展をみるのは今回が初めてである。サイン会があったようだが、残念ながら、その翌日だった。そのせいか、会場は静かで、”世界一周旅行”をゆったりとさせてもらった。まずは国内。鎌倉や東京の見なれた風景、淡い色彩の榎木風の、そよかぜが流れてくるような絵だ。そして、海外編へ。
イタリアの風景のコーナーにきたら、少し、様子が違っていた。ベニスの運河、ローマの休日(広場)、コロッセオが、何やら、刺激的なのだ。コントラストがつよく、色も濃く、榎木のそよかぜが吹いていない。少し、熱を帯びた風だ。彼の言葉があった。”日を追うごとに、くっきりとしたコントラストをもつ景色へと変わっていた、光と影の交差する街角には一瞬の迷いも妥協も許さない、強烈な香りが立ち込めていた”。なるほど。
でも、中国、シルクロードの旅にくると、またそよ風が吹いてきた。ぼくも訪ねたことのある上海のバンドや運河。中国はお好きらしく、生涯のテーマにしたいらしい。チベットも行っている。ラサのポタラ宮や村祭りの風景。インドを含めて”インド・チベット水彩紀行/空の村”の画集も出している。買おうかと思ったが、散歩のはじめだったし、いっぱいの本棚のことを思い出し、止めた(笑)。
動物もお好きで、犬や猫や兎の絵もあった。榎木風のかわいい猫だった。絵ハガキを探したが、それはなかった。
ここは、庭園の、山アジサイが有名だが、その日はまだ固い蕾だった。庭師の方が、今年は少し遅れてるね、と言っていた。


庭園のシラン。紫と白が咲き競っていた。どちらが勝ってる?知らん
