
3月末、東博にお花見に行った時に、もちろん本館の特集陳列”黒田清輝のフランス留学”も観てきた。ボクにとっては黒田清輝といえば、教科書に載っている、誰もが知っている、あの”読書”だ。そして、あの絵は、ボクの好きな白州正子の実家の食堂の窓際に長い間、飾られていたことを彼女のエッセイから知り、ますます気になる作品となっていた。
その作品の実物は、たぶん何十年もの間、目にしていなかったので、東博の本館18室で出会えたときには少なからず感動した。そして、この作品が若い黒田がフランスに留学していた20才代の頃に、初入選したものであったことを知り、驚いてしまった。実は、黒田の代表作ともいえる作品であるから、てっきり、円熟期に描かれたものだと思っていたのだ。ここに展示されいる”婦人像”もこの時代のものだという。

説明文によると、黒田は19歳でフランスに渡り、9年後に画家として帰国する。黒田の画家としての才能を見出したのは、サロンの画家、ジェロームに師事していた山本方翠とラファエル・コランに師事していた藤雅三で、通訳が縁で、黒田はコランの門下生となり絵の修行したということである。展示室には、留学時代の師、コラン、山本芳翠、藤雅三らの作品も飾られている。
この展覧会で、いくつもの、うつくしい女性の裸体画にうっとりしてしまった(汗)。初めて観るものばかりで、黒田がこういう絵を描いていることは知らなかった。とくに、3人の裸婦が並ぶ、”智、感、情”の3部作には圧倒されてしまった。今、満開となっている名木の枝垂れ桜の花を見上げるような、ほんわかした気持ちになっていた。それにしてもこんなスタイルの良いモデルさんをみつけるのは大変だろうなと余計なことまで考えてしまった(汗)。もしかしたら、松園や清方の美人画のように”理想像”を描いているのかもしれないと思った。それほどうつくしかった。

これはコラン作。

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特集陳列”酒呑童子 ”から


特集陳列 ”アイヌの文様”から。モレウと呼ばれる渦巻き文やアイウシ文と呼ばれる棘の文様が特徴のようです。


いよいよ始まりましたね。ボクは先の正倉院展のときに興福寺に寄り、拝観してきましたので行きません。・・・でもたぶん行ってしまうでしょう。意志が弱いので。

阿修羅さまには弱いのです。
