ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその56-映画のラストシーン

2012年11月17日 | 映画
名画とラストと音楽と

ここ20年ほどであろうか、映画を観るたび映画が無くしてしまった物を痛感する。
昔は「名画」には「名ラストシーンン」と「映画音楽」が存在していた。
ストーリーに重点をおくことは勿論良いことであり、映画の創りが素晴らしければ名画として異議のとなえようがない。
しかし寂しいのだ。
心にのこる名ラストシーンが無い。
例を挙げるならば「第三の男」の切ないラストシーン「モダンタイムス」のハッピーではあるがもの言いたげなラストシーン「恐怖の報酬」の意外なラストシーン。
枚挙にいとまがない。
映画音楽でも「太陽がいっぱい」のニーノ・ロータ「荒野の用心棒」他マカロニウエスタンの名曲を作曲したエンリオ・モリコーネ「テファニーで朝食を(ムーンリバー)」で知られるヘンリー・マンシーニ。
こちらも枚挙にいとまがない。
しかし1980年以降これらの名画につきものの要素が無くなってしまっている。
私が観た中では、以前このブログで紹介したウオルター・ヒル監督の「ストリートオブファイヤー」がこの要素を備えた作品である。
全編を流れる素晴らしい楽曲、完璧な映画創り、そしてあまりにも格好のよいラストシーン。
昔はテレビで「名画の名ラストシーンスペシャル」などと言う特番があったほどだ。
同じくテレビで「映画音楽特集」の番組などもあった。
映画は映画本来の中身で判断するもの、それは分かっている。
しかし「名ラストシーン」「映画音楽の名曲」それらを渇望する私は古いタイプの映画フアンなのかもしれない。
以前このブログで紹介したイラン映画「別離」も映画史に残る名ラストシーンであること最後につけくわえておこう。