2017.8.10
前田 高行
(一国で世界の天然ガスの22%を消費する米国!)
(2)国別消費量
(表http://bpdatabase.maeda1.jp/2-3-T01.pdf 参照)
次に国別に見ると、最大の天然ガス消費国は米国であり、同国の2016年の消費量は7,786億㎥であった。これは全世界の22%に相当する。米国は石油についても世界全体の20%を消費しており(石油篇国別消費量参照)、世界一のエネルギー爆食国である。
第2位はロシア(3,909億㎥、11%)でこの米露両国が世界の二大天然ガス消費国である。これに続くのが中国(2,103億㎥)、イラン(2,008億㎥)である。5位及び6位は日本(1,112億㎥)、サウジアラビア(1,094億㎥)と続き、これら6カ国が消費量1千億㎥以上の国である。
2016年の天然ガス消費量を前年の2015年と比較すると、世界全体では1.8%の増加であるが、中国は世界平均を大幅に上回る8%の増加率である。イランおよびサウジアラビアの中東産油・ガス国もそれぞれ5.3%、4.7%と高い増加率であるが、両国とも発電、造水、家庭用燃料としての需要が伸びている。米国は前年比0.7%の増加でシェールガスの増産により天然ガスの価格が低位安定し(後述「天然ガス価格」参照)産業全体に波及効果が及んでいるものと考えられる。
これらの国々に対してロシアは3%減少し、日本も1.9%減少している。日本の場合は2011年の福島原発事故による原発の全面停止により火力発電用のLNG輸入が急増した結果、2011年は前年比で11.6%増、2012年も同10.3%増と2年連続で二桁の大幅な増加となったが、2013年以降は毎年前年を下回っており、省エネが普及していることを示している。
ヨーロッパ諸国の場合はドイツが前年比9.5%増、その他英国12.6%増、イタリア5%増といずれも平均を上回る増加である。2014年以降原油価格の下落と並行して天然ガス価格も下落、競合エネルギーの中で相対的な競争力が増したためと考えられる。
(続く)
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