石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(4月18日)

2023-04-18 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・サウジとオランダがロッテルダム港窓口にグリーンエネルギー協力で協議

(中東関連ニュース)

・シリア外相、アルジェリアとチュニジアを訪問。国交正常化図る

・イラン、サウジ国王招待を公式発表

・イエメン:3日間の捕虜交換終わる。190人が家族のもとへ

・米国在住の元イラン皇太子がイスラエル訪問を計画

・エジプト、投資協議会を最高投資評議会に改組

・UAEムバラダ、ブラジルでバイオ燃料に25億ドル投資

・UAEのADNOC、川崎重工業、JOGMEC/INPEXと水素燃料バリューチェーン開発。 *

JOGMEC/INPEXプレスリリース

 川重プレスリリース

 

 

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IMF世界経済見通し:低成長が続く先進国、ドイツはマイナス成長 (1)

2023-04-18 | その他

(注)本レポートは下記URLで一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0574ImfWeoApr2023.pdf

 

IMF(国際通貨基金)が「世界経済見通し(World Economic Outlook、April 2023)」(以下、WEO)を発表した。 また付属資料として世界各国及び地域の主要な経済指標を示した「データベース(World Economic Outlook Database)」も同時に公表した。

 

本稿では世界、主要経済圏、主要国の今年(2023年)及び来年(2024年)の成長率を比較し、また前回1月の経済見通し(World Economic Outlook Update)に対してGDP成長率がどのように見直されたかを検討する。さらに昨年、今年及び来年の3か年の成長率の推移を比較する。また昨年4月、7月、10月、今年1月及び今回まで5回のWEO見通しで今年(2023年)の成長率がどのように見直されてきたかを精査する。

 

*WEOレポート:

https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2023/04/11/world-economic-outlook-april-2023

*同データベース

https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2023/April

 

 

(今年の世界の成長率は前回1月見通しを0.1%下方修正し2.8%に!)

1.2023年のGDP成長率(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)

 今回4月見通しでは今年の世界の成長率は2.8%とされており、前回1月の2.9%からわずかに下方修正されている。コロナ禍が終息したにもかかわらず、ウクライナ紛争の先行きが見えず、エネルギー価格も不安定な動きを示している。このことが中国の経済回復の遅れを招き、また日独など先進国の経済成長を下押ししている。

 

 経済圏別に見るとEU圏の2023年の成長率は0.8%であり、1月の数値を0.1%アップしている。またASEAN5カ国も4.3%から4.5%に上方修正されている。これに対して中東・中央アジア諸国は3.2%から2.9%に引き下げられている。EU圏はわずかに上方修正されているものの、ウクライナ紛争における対ロシア経済制裁及びエネルギー価格の急騰がブーメラン効果を及ぼしており、成長率は低い状態が続いている。

 

石油・天然ガスの産出国が多い中東・中央アジア諸国は、エネルギー価格高騰の恩恵を受け世界平均を上回る成長率であるが、エネルギー需要及び価格が共に低迷しているため今年の成長率は3.2%から2.9%に引き下げられている。

 

 国別では今年の成長率は米国1.6%、日本1.3%、ドイツ▲0.1%、英国▲0.3%、ロシア0.7%、中国5.2%、インド5.9%である。中国はコロナ以前二桁の高い成長を続けてきたものの、その後成長率が急減速している。しかしそれでも世界平均の2.8%を大きく上回る成長率が見込まれている。これに対してヨーロッパ諸国は上記の通りEU圏の成長率が1%を下回り、ドイツ及び英国はマイナス成長と見込まれるなど不振が際立っている。

 

 アジアでは中国及びインドは5%を超える成長率が見込まれ、特にインドは世界最高水準の成長を達成しそうである。ASEAN5か国の成長率も上記の通り4.5%であり、いわゆるグローバルサウスのアジア諸国は欧米先進国はもとより世界平均を大幅に上回る成長が見込まれている。産油国のサウジアラビアは世界平均を少し上回る3.1%の成長が見込まれるが、これに対してロシアは0.7%の低成長にとどまっている。ロシアはサウジアラビアに並ぶ石油・天然ガスの生産国であるが、ウクライナ紛争の長期化による国内経済の悪化及び欧米諸国による経済制裁が大きく響いているようである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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