マックンのメモ日記

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グーグル「死後設定」であなた亡き後もクラウド管理の時代に!

2013-04-24 15:55:49 | ネット、ビジネス、IT
自分の死後のことに自分のデジタルデータについて考えた人はそんなに多くはいないと思います。そこでグーグルはこのほど新しいサービスを始めました。それはグーグル利用者がこの世を去る際に、自分がデジタル空間に所有しているものをどうするか、あらかじめ指定できるようにしたのです。同社のトゥエルク氏は「自分が旅立った後について準備することは、後に残される人にとって非常に重要なのです」と言っています。

IT専門家のライアン・シンゲル氏が言うようには、このサービスは「グーグル 死後マネジャー」とでも呼ぶのがふさわしそうです。「死後マネジャー」を使うと、空高くずっと広大なサーバーに旅立ったために自分のアカウントが休眠状態になったら、自分のグーグルのアカウントに含まれるすべてのデータ、特にGmailのメッセージをどうするか指定できるのです。利用者はあらかじめ設定しておいた期間が過ぎたらデータを消去することもできるし、信頼する相手にデータを手渡すようにもできるのです。と言っても普通の人なら信頼する相手に手渡すと言うような大層なものはそれほどないでしょう。

しかしもしあった場合、誤ってデータを消去したりしないよう、グーグルはいくつかの安全網を用意しています。まず、データ消去までの期間設定は3カ月、6カ月、12カ月の3パターンから選べます。回復する前にどのくらいの期間、意識不明の状態が続くと考えるか、つまりどのくらいの休眠状態を「死」と判断していいかという選択です。次に、データ削除やシステム変更をする前の1カ月間、グーグルは利用者に対して通知を送ります。つまり、もしネット接続を一時中止して半年間旅行に出るような場合は、グーグルからの連絡を受け取れるようにしようということです。

このサービスは素晴らしいと思います。希望すれば自分の死後データを消去してくれるのですから、死後に自分のデータが残る心配がないわけです。利用頻度の多い人ほどグーグルに自分史が詰まっているようなものです。利用者は自分の検索履歴、電子メール、チャット、電話での通話、文書ファイル、個人的な写真、動画をグーグルに残しているわけです。日常のありふれた内容から隠しておいた内容、親密な内容、秘密の事柄までが記録保管所のようなものです。この「死後マネジャー」の対象は、公的、私的利用のブログ、連絡先、サークル、グーグルドライブ、Gmail、グーグル+(プラス)プロフィル、ページ、ストリーム、ピカサウエブアルバム、グーグルボイス、ユーチューブなど多岐にわたっています。

例えば、歴史学者たちは、自分が研究対象とする人物のこうした情報は欲しくてたまらないでしょうし、デジタル化した現代では手書きの手紙が少なくなっているから、なおさらです。それに残された家族も、自分の愛する人が亡くなったときには、デジタル空間で何をやりとりしていたか、見てみたいと思う人もいるでしょうね。

こんな事例があるそうです。2011年に行方不明になった「いとこ」のアカウントを家族が閲覧することをグーグルが許可しなかったとして、保守派のブロガー、ミッシェル・モルキンさんは同社に対して抗議行動を展開したそうです。行方不明女性の家族は、彼女のアカウントに行方不明(あるいはおそらく死亡)の謎をとくカギがあるのではないかと思っていたからです。しかし、グーグルは電子通信におけるプライバシーに関する法律で禁じられているとして、情報提供を拒否したのです。

バージアニア州ではこれまでに、子供が亡くなった後、ソーシャルメディアのアカウントに残された情報を両親が閲覧できるとする法律が成立しました。きっかけとなったのは、15歳の少年の自殺だったそうです。両親は少年のフェイスブックのアカウントを閲覧し、彼がなぜ自らの命を絶たなければならなかったのかを知りたいと願っていました。今年2月、この法案が成立したとき、支援者はこう話したそうです。「これまではベッドの下に隠されていたものが、2013年の現在は、サーバーに隠されている」と。

死者にはプライバシー侵害は分からないでしょうが、自分の意志に反して親密な内容のコミュニケーションを誰かに見られるのは、気分がよくないのは確かでしょう。だからこそグーグルが今回、提示した方法は、利用者にとって選択できるという意味で大変いいことだと思います。死後のプライバシー設定が自分でできるのですだから。