マックンのメモ日記

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「世界に一つだけの花」の個性尊重の功罪!

2013-04-08 22:33:19 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
SMAPの「世界に一つだけの花」の発売から今年で10年になるそうです。この曲は競争よりも個性を大切にと、強調する大ヒット曲に対して、励まされたなど好意的な意見の一方、この曲の精神が日本人を弱くしたのではないかとの指摘もあるそうです。という事でこの曲が日本人に与えた光と影と言う記事があったので、今回は肯定論から書きます。

難病を患わっているある人は「SMAPはよく知らなくても、心に響いた。障害のあるなしではなく、一人一人が持って生まれた種を咲かせればいい、と教えてくれたのです」と言います。楽譜が読めないので、友人にコードを教えてもらいながら練習したそうです。そして「ありのままの自分でいいと背中を押してくれた。この歌を引いているときは、障害を意識しないでいられる。自然と笑顔になるのです。」と言います。

この曲は牧原敬介さんが作詞作曲し、テレビドラマの主題歌として話題を呼び、03年に大ヒットとなりました。「ナンバーワンにならなくてもいい、元々特別なオンリーワン」の歌詞が幅広い共感を集めたのは、イラク戦争開戦直前の世相とも無関係ではなく、この曲を反戦歌と受け止める人も少なくなかったそうです。

06年には、文化庁が親子で歌い継いでほしい曲として選んだ「日本の歌百選にも登場」。日本音楽著作権協会の著作権使用料の分配金額でも過去10年間の合計額でトップに躍り出たそうです。00年代の日本になぜこれほど愛されたのか。この歌は何を映し出したのでしょう。音楽評論家の湯川れい子さんは「戦後の競争社会の中で、自分の存在意義を見付けられずに苦しむ人々がたくさん出た。年間3万人もが自殺するような社会の圧迫感の中で、“オンリーワン”を大切にしたいと言う思いがあった」と指摘しています。文化庁の推薦もあって学校教育の中でよく歌われたことも大きい。教育評論家の尾木さんは「学校の入学式や卒業式の定番曲となった。特別支援学校では校歌のように誇らしげに歌われる」と説明する。

さらに尾木さんは01年から小泉政権への反発もあったとみています。「聖域なく構造改革がもたらしたのは弱者を切り捨てる成果主義。競争社会が加速した時代だったからこそ、違和感を持つ人々の胸にすとんと落ちた」と言います。日本国憲法の精神を歌っていると指摘するのは資格試験塾の塾長で弁護士の伊藤さんは「自分の憲法の講義では最も大切な13条の個人の尊重から始めている。その時にこの歌を例示している」と説明しています。

「日本社会は、みんなと同じでなければならないと言う同調圧力が強い。だがオンリーワンの多様性を認めるしなやかこそが、社会の強みになるはずだ」と強調しています。続く。