マックンのメモ日記

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極東開発にロシアは躍起となっており、日本にとっても領土問題解決のチャンス!

2013-04-23 22:08:21 | 政治(国内・海外)
日本海を隔てて日露には、両者の間に一筋の細い海峡と言う狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接している関係にあり、東アジアから最も近いヨーロッパとも言えます。しかし実際には日露間に平和条約が存在しないため、幅広い分野における両国関係の進展にとって支障になっているのが現状です。しかも、平和条約締結には、日露間の領土問題を最終的に解決するものでなければならないこともあり進展しておりません。しかも心理的には物理的距離以上に遠い存在になっていて、まさに近くて遠い国がロシアなのです。

ところが最近はロシアが極東開発に躍起になっているのです。と言うのも1991年に旧ソ連が崩壊した影響で経済状況が悪化した結果、人口が2割も減ってしまい極東には644万人しかいなくなったことでロシアにおける存在感が低下、その反面中国からの出稼ぎ労働者が増えたことで、膨大な人口を有する中国に極東地方が呑み込まれはしないかと言う恐怖感があるのです。そのためにも極東地方を活性化し人口を増やさなければならず、プーチン大統領は極東を「最重要の地政学的な課題」とし、開発を急ぐ方針を打ち出しています。

極東の面積はロシアの総面積の三分の一を占め、石油やガス、木材、水産物などの天然資源や良港に恵まれています。ただ旧ソ連の崩壊によって軍需産業をはじめ多くの企業が立ち行かなくなったことで人口が減ってしまったのです。極東連邦管区はロシアの面積の三分の一以上を占めるのですが、人口は5%、GDPは4.5%と面積に比べ極端に人口が少ないこともあり、市場も小さく投資魅力に欠けるのです。物を作っても遠く離れたモスクワなどの大都市に運ぶには輸送費がかかり過ぎると言う問題もあるし、食料価格や電気代も割高なため、旧ソ連時代には国土を維持するために、採算を度外視して工場を作り、補助金で移住も奨励していたのですが、新生ロシアになって極東に回す資金がなくなったため人口が減ってしまったのです。

状況が変わったのは2000年代に入ってからで、プーチン政権の登場で政治が安定し、08年までは5~10%の高度成長が続いたのです。19年の政府予算は00年比で10倍以上の13兆ルーブル(約40兆円)に膨らみました。そして大統領選を目前に控えた12年2月にはプーチン氏は外交論文を発表し、アジア重視の姿勢を鮮明にしたのです。その起爆剤が、12年9月にウラジオストクで開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議だったのです。

国土がユーラシア大陸の東西に渡るロシアにとっては、欧州もアジアも「隣の庭」とも言え、債務危機と景気低迷に苦しんでいる欧州から、今度は成長を続けるアジアに目を向け、経済統合をもくろみ始めたのです。シベリア鉄道の近代化や空港の回収、宇宙基地の整備など、今年3月に政府が基本承認した極東の開発計画は総額10ルーブル(約30兆円)を超すのです。12年5月には極東発展省も新設済みで、極東ロシアの魅力を高め、アジアへの玄関口と位置付ける狙いです。

その極東アジアには国内総生産規模で世界2位と3位の経済大国があるのです。ロシアにとって極東開発のパートナーとして魅力があるのは中国なのか日本なのかどっちにあるのでしょう。共闘への外国投資を見ると沿海地方やサハ共和国、サハリン州など9地域からなる極東連邦管区への外国投資残高は12年末で527億ドル(約5兆円)に上ります。アジアでは日本が94億ドルで最も多く、韓国は3億ドル、中国は2億ドルと他を大きく引き離しているのです。日本からの投資は全体の9割以上が石油・ガス関連でサハリン大陸棚の資源開発向けの投資が牽引しています。しかし最近ではマツダと三井物産がウラジストクで自動車合弁工場を設けるなど、投資内容が多様化してきているのです。

しかしここ数年、ロシアから中国への石油や木材の輸出が急増しており、極東が中国への資源供給地になってしまうと極東発展省は警戒を隠さないのです。4000キロ以上の国境を共有し、経済・政治の両面で急速に台頭する中国はロシアにとって将来の懸念材料でもあります。それに対して技術料と資金力を併せ持つ日本との関係強化は、ロシアにも製造業の発展などの恩恵をもたらすものであり、プーチン政権は日本に熱い視線を送り始めているのです。

日露の国境問題を解決するのには絶好の条件がそろってきており、機は熟し始めたとみても良いのではないでしょうか?そして日本はエネルギー問題を抱えているだけに、隣国から資源を調達できれば輸送コストも安くなるし、日本にとっても良いことではないでしょうか。