いくつか手元にやってきたストラクチャーでしたが、初めに組んだのがフォルマーの「ギフトショップ」でした。フォルマーしかり、ファーラーしかりですが、ヨーロッパのストラクチャーキットはGMのストラクチャーキットなどに慣れている身からすると驚くことも多かったです。
まず、接着にほぞなどがないため、ほとんどが狭い面同士のイモ付けとなります。また、設計に「遊び」の部分が少ないせいか、仮組をして隙間なく組む準備をしておかないと、後でどこかに大きな隙間が開いて・・・となってしまいます(私もやったけど)。
「Coin」の看板は自作したものです。見えづらいですが建物横のブランド名の看板もレーシングカーのデカールから拝借しました。
キット多色成型ですので、塗装をしなくてもそのまま組み立てても良いのですが、日焼けしたりもしますので、パーツがランナーについた段階で塗装しています。この建物の場合、白い部分はMr.カラー・グランプリホワイトで、壁のクリームはGMカラーのクリーム4号で、茶色い部分は同じくぶどう色2号をそれぞれ缶スプレーで吹き付けています。
そして、欧州型ストラクチャーの特徴としてもうひとつ、それは内装でして、カーテンやショーウィンドウ内の展示、装飾などは紙に印刷されたものが入っています。この印刷された紙を折って組み立てて糊付けすることで四角い箱状のものができあがり、それを建物の内側に置くことで内装が再現されます。内装を紙にしているのは室内灯などを組み込んだときにプラスチックと違って光が漏れるのを防いでくれる効果があるからでしょうか。他の欧州製の建物でもそうですが、中でずれたりしないよう、建物の内側と紙でできた内装部分は両面テープや透明ゴム系接着剤で固定しています。
また、この建物の左側のエレベーターか何かが入っていそうな部分ですが、装飾が施されたガラスをイメージした透明プラパーツの内側も紙です。ただし、これは私の好みでメタリックが入った市松模様の折り紙が買ってあって、それを使いました。
最後に、Coinのロゴの看板などを取り付けて完成です。ネットから落としたロゴを自作デカールに出力、看板はプラ板で作り、ファレホの「Old Gold」を塗った後にデカールを貼りました。
今回はもう一軒、バール「All'Ombla」の入っている茶色いビルです。
映画館やホテルとともに、近代的な建物群を構成していますが、こちら、カトーの「ジオタウン オフィスビル1」です。
こちらは完成品ですので、カラーを活かしつつも、ウェザリングを施してあります。また、1Fはバールと呼ばれるイタリアの喫茶店風にするため、写真では分かりませんが1F部分は立ち姿の人形を配置し、ウィンドウにはイタリアのバールということで日本でもおなじみセガフレード・ザネッティのロゴをデカールにして貼っています。直営ではなくセガフレードから豆などを買っているのでしょう。立ち姿の人形と書きましたが、イタリアのバールではコーヒーを飲む際に立って飲むより席に座って飲む方が料金が高くなります。もともと量の少ないエスプレッソを飲み、軽くおしゃべりをして、長居しないで出ていく人が多く(その分一日に何度もバールを利用するようですが)、バールでイタリア人が立っているというのは、そういう意味があるのです。
お店の名前の「ALL'OMBRA」ですが、OMBRAにぱ「影」という意味があります。この建物は2階から上が前方に張り出していて、1階部分に影を作っていることから名づけられたとか。
4階建ての建物ですが、4階に男の姿が。4階に探偵事務所を開いている私立探偵、という設定です。ハードボイルドに憧れていますが、実際はいなくなった猫を探したりといった「街の便利屋」稼業らしいことは、黙っておきましょう。
2~4階はカーテンを入れてありますが、こちらはクレープ紙の折り紙から使いました。ちょうどカーテンに使えそうな淡い色がありました。
さて、屋上の看板は製品には無く、プラ板、プラ材から自作です。左のミシュランのキャラクター「ビバンダム」はレーシングカーのデカールから、右側はイタリア映画の看板を差し替えられるようにしてあります。
近代的で個性がそれほど強くない二棟の解説でした。このシリーズですが、今後2回は別のテーマのためお休み、また近いうちにマエストラーレ通りに戻ってきます。