工作台の休日

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T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通りを作る(1)

2024年08月25日 | T-TRAKジオラマ ローマ・マエストラーレ通り

 先日T-TRAKジオラマSHOWや国際鉄道模型コンベンションで展示しましたジオラマ「ローマ・マエストラーレ通り」ですが、今回から何回かに分けて、メイキングとまではいきませんが、ジオラマの見どころも含めての少し詳しいご紹介を書きたいと思います。

1-1 テーマとサイズを決めるまで

 以前からヨーロッパをテーマにしたジオラマを作ってみたいと思っていました。もともと日本型と同じくらいの情熱で外国型の鉄道模型を見ておりましたが、自分の好きなイタリアをモチーフにしたものが作れないかなあ、などと思っていました。私は都会生まれの都会育ちですから、自然の風景より街の風景の方が再現できそうですし、イタリアでは随分と街歩きをしたものです。イタリアの場合ですと、フィレンツェは「花の聖母寺」の存在感が強いですし、ヴェネツィアの場合は鉄道が入れるのは本島の端までと限定されていますので、あとはミラノかローマか、となります。自分の中ではミラノよりローマの方が人がせわしなくて「ドラマ感」があるように感じたものですから、ローマのどこかにありそうな風景、となりました。

 サイズの話になりますが、端から大きなレイアウトにするつもりはなく、モジュールで作って他のモジュールとつなげることができたらと思っていました。現在の日本では「路面モジュール」と呼ばれる主に路面電車を走らせるための小さなモジュールと、そこから生まれた(というか親戚筋のように感じられるのですが)T-TRAKと呼ばれる規格のモジュールが知られています(このあたりの誕生の経緯とかは、ネットで調べてください)。イベントやコンテストで各々が作ったモジュールをつなぎ合わせて一つの大きなレイアウトにできます。街の風景を作るために路面電車は欠かせないので路面モジュールでトライしようかとも考えましたが、建物を置いたりしていくとそれなりの面積が必要ですので、T-TRAKで作ろう、となりました。

 T-TRAKはこんな寸法となっていて、ルールが事細かに決められています(はずです)。はずです、と書いたのは、規格から逸脱したようなモジュールがときどき見受けられるからです。

(画像はT-TRAK2024 募集要項より)

ほぼ30cm四方のボードなわけですが、これを横に2枚使う「ダブル」というのもあります。私は「ダブル」で作ってみることにしました。MDF素材で組み立てるとこの規格になり、さらに複線線路がついたボードがカトーさんから出ていますので、それを使えばルール通りのモジュールは作れます。

建物を仮配置しているので見づらいのですが、建物の下に見えるのがボードです。この時点では完成時と建物の配置が違いますね。

 

1-2 どんな建物と景色を入れていくか

 このジオラマを作るに先立ち、もっと小さなサイズのジオラマを作っています。2019年6月の拙ブログで「トラムのジオラマを作った話」というのを書きました。この時に思ったのが、もっと大きくていろいろな建物が入ったジオラマにしたい、というものでした。まだコロナ禍前、円高の頃に欧州型のストラクチャーを取り寄せたりとかもしていましたので、自分の中で、これとこれは入れたい、というのがありました。

・やっぱり路面電車が(ダミーでもいいので)走る風景がほしいな

・イタリア風の大衆食堂(トラットリア)・・・食堂系のお店は人形なども入れると映えます。

・比較的リーズナブルなホテル・・・観光都市でもあるローマならではでしょう。豪華ホテルである必要はありません

・教会・・・カトリックのイタリアならではです。ローマはバチカンもありますし「宗教都市」な一面もあります

・バール・・・イタリア人なら一日に何度も利用すると言われ、日本式に言うと喫茶店でしょうか。イタリアの風景なら外せません

・名画座系の映画館・・・街中にあるのかは不明ですが、入れてみたいと思っていました。

これ以外にも、

・せっかくローマの風景なのだから、ローマ時代の遺跡の一部を再現したいな。フォロ・ロマーノのような大規模なところじゃなくて、街中に20m×10mくらいの小さな遺跡がぽこん、と出現しているところもあるぞ。

・街中に近代的な郵便局とかどうだろう。はたらくくるまが使えるぞ。

・ネットカフェとコインランドリーがついたビルで、上階がかなり安価なホテルになっているのとかあるよな

・日本とは違って規模の小さいデパートとかあるとにぎやかだよな

・そうそう、イタリアの街角と言うと「エディコラ」と呼ばれる新聞スタンドも欲しいな

などと置きたい建物、観たい風景のリストが増えていきます。図面の上だけで考えていた今年の1月時点では、これらすべてを詰め込めると思っていたのですから、妄想は自由です。実際にはそこまでのスペースを取るのは大変だったのですが・・・。

 既に買ってあったストラクチャー、キットなどもありましたし、ネットで購入した中古の完成品のストラクチャーもありました。先に建物があらかた揃った状態で、工作スタート、となりました。

 

 

 


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