工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

高校生鉄道模型コンテストから

2024年08月06日 | 鉄道・鉄道模型

 8月2日~4日まで私のジオラマが新宿住友三角ビルで展示されましたが、こちらは鉄道模型コンテスト2024の併催企画にあたります。本来のコンテストは高校生、中学生のためのもので、今年もたくさんの学校が参加し、多くの方が訪れていました。私なりに気になった展示をご紹介です。

最終日の光景。出展校の生徒さんだけでなく、父兄も含めて多くの方が訪れています。

審査員の結果発表とは違う、私目線のものであることをご了解願います。

個人的に気になったのがこちら。

円柱など一部はプラスチックを用いていますが、ほとんど紙でできている高輪ゲートウェイ駅

階段やエスカレーターまで紙製ということで、階段などはプラスチックでもきれいに作るのが難しい中で、破綻なく作られていました。もちろん、目立つ部分の構造物も丁寧に、合わせ目に隙間もなく作られていました。

高専生のモジュール。いずれもすっきりした作りに好感が持てました。

 

 

川や海と橋はさまざまな学校がチャレンジしています。

こちらの屋形船は内装も作りこまれていました。

 

尾道の渡船を再現。瀬戸内らしい光景ですね。

水の表現はさまざまなアイテムが発売されていますので、昔に比べると容易に表現できるようにも見えますが、模型にうまくスケールダウンするのも腕の見せ所のように思います。

 

 

こちらは紅葉の山ですが、木々は既製品の派手さを消すため、色を上から塗って落ち着かせたとのこと。

 

こちらは西武新宿線・東村山駅の改築の様子をとらえたもの。こういった時代のひとこまを切り取るのもありです。

 

こちらはいろいろな路線、駅のエッセンスを詰め込んだもの。豚児の一番のお気に入りで頭が映りこんでいます。複層構造にすると、並行・垂直を出すのが容易ではなくなってくるのですが、そこもきちんとクリアしていました。学生出展者のベストワン賞だったそうです。

 

モジュールだけでなく、畳一畳サイズのレイアウト部門もあります。

京浜工業地帯のちょっと昔の風景を昔の航空写真なども参考に模型化したそうです。ウェザリングが秀逸。

 

モジュールにしてもレイアウトにしても、同じモチーフを選ばれている学校もあり、横川や雨晴海岸、三陸鉄道の風景など、複数の学校がとりあげていました。また「うちは3Dプリンタは使ってません。すべて手作業です」と強調されている学校がいくつもあり、手作りにこだわる矜持というか「うちは化学調味料使ってないよ」的なものを感じました。

ここに載せきれないくらい優秀な作品があり、中には台湾からの出品もありました。出展校の中には「シーナリーはすべて手作りで、現地取材もばっちりしてきました」といった時間もお金も人的資源もたくさんある学校ばかりではないのも事実です。予算と時間がない学校にとっては、自分たちの技量の中でやれることが自ずと決まってくるので、欲張らずに、自分たちでできるテーマを決め、その中で丁寧に作りこんで行けるかも大切かなあと感じました。また、地方の風景や空想の風景も楽しいわけですが、都市部の学校にとっては都会の風景もまた、自分で見に行って参考になるものがたくさんあるかと思います。模型店ならキットのばら売りだったり、さまざまな不具合でアウトレット価格になっているストラクチャーなどもありますし、中古品を活用する手もありましょう。賞を狙うことがすべてでは無いとは思いますが、多くの方に評価されることを考えたときに、どこを自分たちの「売り」に持っていくかも大切なように思いました。

 

 

 

 

 


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