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工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

模型で旅する鉄道 南部縦貫鉄道の車輌たち

2023年12月17日 | 鉄道・鉄道模型
 TOMIXからかつて青森県を走っていた南部縦貫鉄道の車輌たちがNゲージでリリースされたほか、16番でもレールバス再販のアナウンスが出ています。もともと青森の車輌は興味がありますし、南部縦貫もかつて乗ったことがあります。そんなわけでこの鉄道のレールバスキハ101,102のセットと、先に発売されたキハ104を買いました。

(後ろのサボについては稿を改めてご紹介します)
まずはキハ101、102です。昭和37(1962)年、野辺地~七戸間の開業当初から平成9(1997)年の休止まで働き続けたレールバスで、この2輌が主力でありました。この時代のバスボディーをそのまま鉄道車輛にかぶせたようなスタイルが特徴でした。2輌とも動力つき、ライト点灯ということで、この小さな車体でライトまでついてしまうというのが、今のNゲージ車輌の進化ですね。昔、TOMIXからキハ02という国鉄のレールバスが発売されていて、こちらは45年前、我が家の最初の車輌群の一つでしたが、当然ライトもつきませんでしたし、入門用という感がありました。
 さて製品の方ですが、せっかく2輌入っていますので片方は製品そのままで、もう片方はウェザリングをしてみました。
製品そのままの状態です。



こちらはウェザリングをしたもう一両、キハ102です。
片側側面から煙突のように屋根に出ている排気管を黒く塗りました。車体は全体に黒ずんだような汚れですが、ひどい汚れというわけでもありませんので、タミヤカラーのジャーマングレーを薄く溶いて窓回りなどに塗り、綿棒でふき取っています。床下はやはりタミヤカラーアクリルの「陸上自衛隊茶色」を薄く溶いて塗り、綿棒でふき取っています。土ほこりの汚れなどはやはり日本の土地に根差した迷彩色が一番近いと思い、この色をよく使っています。


前面です。


側面です。排気管だけでも黒く塗った方がリアルかなと思います。

一輌で運転する際は必要ありませんが、重連や牽引のためにウエイトも入っています。実際にはレールバスは単行での運用が基本でしたから、私もウエイトは乗せていません。かわいらしい小さな小さな車輌は、東北本線の列車を横目に、我が家でゆっくり走ってくれることでしょう。

続いて先に発売になったキハ104です。南部縦貫鉄道ではレールバスの他にラッシュ時(小学生の児童もスクールバスのように使っていたようです)、多客時用に国鉄からキハ10を昭和55(1980)年に1輌譲り受けています。その前に常総筑波鉄道のキハ103という車輌がおり、こちらはキハ101より一回り大きい程度の車輌だったようです。
トミーでは以前からキハ10を製品化していて、本品も基本的なつくりは変わりないようです。塗装も美しく再現されていますので、後は別付けの部品を取り付け、軽く汚しをかけた程度です。もともと酷使されていたわけでもないので、割ときれいな状態で最後までいたようです。




キハ104については「とれいん」平成3(1991)年10月号で写真が紹介されていて、これによると毎年2月に沿線の七戸の商店街の売り出し日、通称「まける日」があり、そういった時がこの車輛の出番だったようです。ちなみに「まける日」の列車は無料で運行がされていたということです。冬ともなれば雪で閉じ込められてしまう一帯ですので、特売日を設けて買い物客を呼び込もうという努力がうかがえる話ではあります。このエピソードを覚えていたこともあって、トミーがキハ104をリリースすると聞いて「ぜひ」となったわけです。確かにレールバスと比較すると大きさが段違いですね。

レールバスの方に戻しますが、16番でもその昔トミックスからキハ101は製品が出ており、私も持っておりますが、改造の種と言う不埒な理由での購入でした。さらにそれ以前に、ムサシノモデルからもこの形式は製品が出ており、こちらをお目にかけたいと思います。

同社の「田園の唄」というシリーズでローカル私鉄の車輌が次々リリースされていたことがあり、そのうちの一両として我が家にやってきました。20代だった私はまずNでは出ないだろうと思っていた車輌でしたし、ムサシノモデルさんの再現度ならとても素晴らしい製品だろう、ということでその分価格も張りましたが、独身貴族でイケイケだった私は購入したわけです。Nでは再現できないミラーなど、ちゃんとついています。

運転席に乗務員を座らせました。


前面の反対側です。ケーディーカプラーも同梱されていますが、実物も模型も連結等を前提としているわけではありませんので、そのままになっています。


車内にもう一人、乗務員が立っています。窓越しにネクタイ姿が見えますか?


側面です。



模型の話はここまで、次回は南部縦貫鉄道の実物の方の話をしましょう。




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コンテナ・フリーダム その2

2023年10月26日 | 鉄道・鉄道模型
 RM MODELS誌12月号掲載分の続きです。
 架空の事業者のコンテナについては、昔トミックスから発売されていた無塗装のコンテナや、朗堂の無塗装コンテナに別売りのデカールを貼った後で、余ったコンテナを活用できないかということで始めたのがきっかけでした(朗堂の無塗装コンテナはたいてい3個入りなので、一つは余剰が出たりしたものです)。やがて、自由型コンテナとして作ろう、という目的が先行してコンテナを購入したりするわけですが・・・。
 懐かしいF1チームのコンテナにつきましては、既にエイプリルフールネタでご紹介しておりますが、そんなわけで調子に乗ってあのチームもこのチームもと作ってしまいました。

F1のロゴとマクラーレン、フェラーリです。F1のロゴも昔の姿です。このロゴですが、他のカテゴリーもデザインは共通でFIAのバックの車のシルエットがそれぞれのカテゴリーで違っておりました。マクラーレンもこの塗装が遠い昔の姿に映ります。
フェラーリはコンテナの端面も抜かりなく(?)エンブレムを入れてあります。



ベネトン、ウィリアムズ、ティレルです。ベネトンはやはりカラフルさで勝負、ということで端面を赤、青で塗っています。



ウィリアムズですが、チームのマークは何度か変遷を遂げています。アラブ系スポンサーの頃は緑色基調でした。

お次は中団の名門チームから。ロータス、ブラバム、ミナルディです。

ロータスと言うと黒と金のJPSカラーだったり、黄色のキャメルタバコカラーあたりがおなじみですが、本来はイギリス系のチームと言うことでブリティッシュグリーンです。ロータスのロゴはプラモデルのデカールから採りました。

チームのロゴですが、プラモデルのデカールやサードパーティーが販売しているデカール以外はネットからダウンロードしたものが多く、それをハイキューパーツのインクジェット用クリアデカールに印刷しています。このデカールのウィークポイントは下地が明るい色でないといけないところで、ミナルディやブラバムのロゴは白い部分に貼り付けています。ちなみにミナルディの塗装ですが、白、黄色、紺色となっています。黒ではなく紺色が正しいようです。
ベネトン、フットワーク。レイトンハウスはこちら。

ベネトンは80年代末までアパレルブランドと同じロゴをF1マシンの車体に描いていました。
ジョーダンとリジェです。

ジョーダンはハイキューパーツの白地デカールにロゴを印刷しています。白を下地とすることで、文字の黄色が緑色のコンテナでも映えるようにしています。
リジェチーム、懐かしい名前です。最近「GP Car Story」でも特集されました。フレンチブルーとフランス国旗をイメージした青と赤の帯を入れました。

F1の次は私の好きな二大フュージョンバンドです。

カシオペアについては幾度かロゴを変えており、このロゴは少し古いものになります。どちらも非公式グッズですので念のため。


海上コンテナはこんなもので遊んでいます。

ヴェネツィア共和国が18世紀末にナポレオンの前に降らず、海洋都市国家としてシンガポールのように生きながらえていたら・・・というテーマは以前から飛行機の模型などで手がけておりまして、海上コンテナがあったらこんなカラーリングではないかというものです。GMカラーの灰色9号でコンテナを塗り、オリジナルのデカールを貼っています。「COLLEGANZA」とはヴェネツィア特有の金融システムで、交易ごとに出資するもの、融資されるもので「組合」を構成し、商品を売り払って利益を折半する仕組みをとっておりました。複数のコレガンツァに出資するのは商人達の間では当たり前で、遺産相続の目録の中にも入っていたそうです。現代ではコンテナを管理する機関としてコレガンツァは残っている、という設定でして「MARE NOSTRUM」は「われらが海」という意味です。
調子に乗って別の都市国家のコンテナも作りました。

小説や映画で有名になったアマルフィですが、かつては海洋都市国家でもありました。青地にマルタ十字が紋章ですが、市販のマルタ十字の紋章デカールでもここまで大きなものは無いため、結局ハイキューパーツの自作用デカールのうち白地のものを用意し、そこに印刷する形をとりました。文字はMYKデザインのフォントデカールを使用しました。コンテナそのものはMr.カラーGXのスージーブルーで塗っています。デカールを切り出すとどうしても切り口のところにデカールの下地の白が出てしまいますので、デカールが乾いた後にふちのところにこの色を塗って目立たなくしています。
そして架空のデザインからもう一つ

左の「PENGUIN EXPRESS」ですが、フォントは自作デカールで、ペンギンの顔や雪の結晶はこちらのデカールです。

ペンギンだけでなく、桜の花なども出ています。雪の結晶などはありそうでなかったデザインですし、アイデア次第でいろいろ使えそうです。
隣の「MALTA」ですが、こちらも架空の事業者です。マルタ十字はグリーンスタッフワールドの中世もののデカールを使いました。これはマルタ騎士団なのか・・・。

RM MODELS12月号ですが、淡路屋の「コンテナ弁当」の容器をGゲージのコンテナとして使うという記事もありました。本ブログの駅弁大会の記事でもこのコンテナ弁当を紹介しましたが、GゲージというとLGBと玩具道楽のこの人たちとコラボしていたことがあります。

コンテナは約1/27、プレイモービルの人形の方は約1/22.5のようです。


投稿はしませんでしたが、こんなコンテナも・・・


自衛隊がこういうデザインのコンテナを運用しているわけではないので念のため。これについてはまた別の機会に紹介しましょう。








 
















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コンテナ・フリーダム その1

2023年10月25日 | 鉄道・鉄道模型
 今月発売のRM MODELS 12月号はコンテナバラエティという特集だったのですが、こちらの投稿記事に「コンテナフリーダム」と題して拙作が紹介されました。こういうことを考える方はあまりいないのか、なんと1ページで採り上げていただきました。ありがとうございます。詳しくは雑誌を読んでいただくのが一番ではありますが、掲載記事と別アングル、別カットの写真で詳しく紹介します。


ハードボイルドな100均コンテナ(1/150)
こちらは100均で売っている海上コンテナを模した缶の収納ボックスを使っています。コンテナの蓋を開けたらまたコンテナがあったら面白いな、と思って作りました。


何やらイリーガルな取引なのか、海上コンテナをバックに男たちが向き合っています。一人で歩くコートの男はプライザー製、白のハイエース側の男たちはトミーテックの「ザ・人間」の歓楽街の人々などから来ていただきました。コンテナはトレーラーコレクションに入っていたコンテナを外し、軽くウェザリングをしました。ハイエースはカトーの製品のままです。海外ならフォード・トランジットになるのでしょうか。グリーンメタリックのクラウンはカトー製品を塗り替えたものです。地面はカトーの「シーナリーペーパー」という糊つきのシートを切り出し、スチレンボードに貼ったものです。

この小さなジオラマ、御徒町のYFSさんで長らく展示させていただいています。鉄道模型のモデラー以外の方にも受けが良くて、特にコンテナの背後に潜む男二人を見て「こんなところにもいる(笑)」と皆様に喜んでいただいております。
なお、このジオラマを作るきっかけとなりました100均のコンテナ缶については、発売元の山田化学さんの開発秘話などが今号のRM MODELS誌に掲載されており、興味深く読みました。
「ハードボイルド~」が誌面の片隅に載ればいいか、と思っておりましたので、一緒に投稿した架空のコンテナたちが紹介されるとは思いませんでした。ということで次回は架空のコンテナたちの話です。





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明らかになったサステナ車両

2023年10月03日 | 鉄道・鉄道模型
 西武鉄道が「サステナ車両」という名称で大手私鉄から中古車輛の譲渡を受けるという話は以前このブログでも書きましたが、東急9000系と小田急8000形が西武にやってくる形式であることが明らかになりました。
 東急9000、東急にとってはインバーター初期の形式であり、デビューしたのは私が高校生の頃ですから、30年以上経っています(西武に来るのがどれくらいの車齢なのかは不明ですが)。インバータ特有の音と車端部の取ってつけたようなボックスシートが特徴で、デビュー当初は「今度の電車は変な音がするね」とみんな言っていたものです。ステンレス車体のため、帯の色などで「お化粧」していたわけですが、西武では6000系や20000系同様、青い帯を巻いて走るのでしょうか。入線早々から「10年前からこの塗装ですけど、何か?」という感じで妙にはまっているかもしれません。
 東急の9000は「サステナ車両」の候補という感じがしましたが、小田急8000は驚きました。サステナ車両の当初の定義ではステンレス車を想定していたと思いますので、銀色の車輌でない通勤車ということと、小田急の通勤車輛が他社に譲渡というのがそもそもこれまで聞かなかった感がありました。そもそも20m車体の通勤車輛がどこかに譲渡というのが珍しいですからね(小田急1800形が秩父鉄道に譲渡、というのがありましたが)。私はこの80年代らしい外観の通勤車が好きですが、先輩の9000形に比べると大人しいスタイルですし、この車輛が好き、という人にあまり出会ったことがありません。「偉大な平凡」も大切なことなのですが・・・。
 小田急8000については塗装はどうするのでしょうか。アイボリーに西武の青帯では芸がなさすぎです。せっかくだから黄色く塗って、昔の101系のように窓回りをベージュという組み合わせはどうでしょうか。えっ、自分でGMキットを組んで塗ってみたら?
 
 さて、これらの車輌ですが、池袋線、新宿線などの本線系ではなく、支線の「黄色い電車」の置き換えが主な目的となりそうです。また、先日も乗車しました秩父線の4000系の置き換えも予定されており、そうなりますと2扉、ボックスシート車から4扉、ロングシート車ということで、サービスの後退にも映ってしまいますが、民鉄にしてもJRにしても昔ならクロスシート、ボックスシート車が担当していた近郊路線、ローカル路線もロングシート車が入るようになっていますので、時代の流れのようです。

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KATOのEF55が我が家にも入線しました

2023年09月17日 | 鉄道・鉄道模型
 KATOのEF55は発売前からかなり話題になっており、模型店に予約が殺到したと聞いております。先日発売となりましたが、ネット界隈でもいろいろな感想やら、意見やらが載っており、反響が大きい製品であることには間違いはないでしょう。私も客車ともども予約したクチでして、もともとこの形式が好きだったのと、30年ほど前ではありますが、沿線在住ベテランモデラー氏のお誘いで、EF55の牽く列車に乗る機会がありまして、模型が出たら欲しいというのがありました。マイクロエースの製品などもありましたが、特徴ある前頭部と先台車の処理を見て残念ながら食指が動きませんでした。こうした中、KATOがリリースを発表、先台車が車体と干渉しないような処理をしており、R282のカーブも楽に通過できるとあって、購入に踏み切ったわけです。
 前置きはともかく、早速見てまいりましょう。

手前にEF55、奥に今回同時発売となった高崎のスハ43系客車セットの一部です。中央の戦災復旧車をルーツに持つスエ78という三軸ボギー車が異彩を放っていますね。ところで、スハ43系ですが、ぶどう色2号に客車の等級表示、さらにはプレスドアやアルミサッシなど、年代的には合わない、と言われるかもしれません。

ということで純粋に民営化以降の「旧型客車タイプ」でありまして、悪い言い方をすると、それ以外に「つぶしが利かない」ということでもあります。件のベテランモデラー氏のように、ホビーセンターカトーでスエ78をASSYパーツの状態で購入するにとどめた方もいらっしゃるのではないかと思います。もともとスハ43系は以前の「特急さくら」の模型もありますし、こういうバリエーションもありだよな、ということで我が家に来ました。
あらためてEF55の前頭部です。

先輪はフランジがだいぶ浅い(というか低い)感がします。

 客車セットには左のパンフレットがつきます。手前の実物写真は30年前に私が撮ったものです。


さて、このセット以外で活躍できる場所、時代、さらには相棒となる客車も考えてみました。模型ですから、時空を超えた活躍もということで、ちょっとお付き合いください。

高崎で長年走りつづけたということで、旧型客車編成を牽いていたというのはどうでしょう。急行でもよし、EF56などがやっていたような荷物列車というのもありそうです。
年代的に近い海外の車輌ということで、日本にやってきたオリエント急行の車両はどうでしょう。

機関車は現代の復元された姿ですが、本来の戦前に東海道線で活躍したイメージで、モデモのぶどう色1号の客車と組み合わせてみました。

私は戦前の急行、特急用の客車は持っていないので、年代的に合う古い車輛というとこのあたりです。
走らせるとこのような感じです。「いつもの山坂道」ではなく、いつものお座敷(って芸者遊びみたいですね)に出してみました。

肝心の走りですが、私の個体だけがそうなのか、もともと腰高なせいなのかは分かりませんが、やや車体がふらつく感じがありました。うちの曲線はR315ですが、もちろん、何の支障もなく通過しました。このように、フォルム、ディティールとも申し分なく、これからもさまざまな列車の先頭に立たせてあげたい機関車です。

おまけですが、ヨーロッパの流線形車輌では、先輪、先台車、従台車をどのように処理していたのでしょうか。あらためて見てみます。
EF55と並ぶのはドイツの05形。戦前のドイツで200km/hの記録を作った2C2の軸配置の機関車です。

Nゲージの製品ではスカートの下に切り欠きを作り、カープを曲がれるようにしています。


次はヘンシェルヴェグマン編成の機関車61形。走行時には前後のスカートを外せるようになっています。写真では後方のスカートを外しています。





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