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loisirs

日々、小さな楽しみを見つけて・・・

本 「僕は猟師になった」

2020-09-24 | 

「僕は猟師になった」    千松信也 著

先輩猟師から

伝統のワナ猟を教わり

運送会社で働きながら

一方で現役の猟師をしている方の本です。

猟は

お金稼ぎの為ではなく

生き物の生命を戴いて

自分が生きていく

当然

命を戴く訳で

その有難さを感じ

残すところなく

全て使い切るという事をモットーに

猟の原点を大切にして猟師生活を続けておられます。

この本では

猟の仕方や解体法の他にも

色々な料理も紹介され

休猟期の釣りやら山菜、野草のお話しもあり

猟のことをあまり知らない私にも

親しめる本でした。

そして

真摯に猟を楽しんでおられる千松さんの姿に

好感を抱けるに充分な1冊となりました。

 

こういう生活を例え私が女性でなくとも

若者であっても

恐らくなれないだろうとは思いますが

理想としては

こうありたいと思わせるものを感じさせられました。

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本 「街と山の間」

2020-09-08 | 

「街と山の間に」   若菜 晃子 著

山と渓谷社で副編集長をなさった

若菜さんの

2冊目の本です。

前回のは

外国の

どちらかと言えばマイナーな土地のお話し。

今回は登山のお話しです。

登山と言っても

本格的ハードな登山ではなく

(若菜さんに怒られるか・・・)

山に慣れた方ならお散歩的な登山です。

 

彼女らしい

実際に見ていなくとも

私の様な登山はまるでしたことのない者でも

優しい景色がありありと目に浮かぶ

そんな文章の流れです。

 

新潟三条、袴腰山に登った時の一文

春先4月。

残雪の中を歩いて行くと

半分溶けかかった白い雪の下から

茶色い去年の落ち葉が見えている。

黄色い結び目のような花を

枝いっぱいにつけたマンサクの花が

雪でしなっている。

ブナの枝先は茶色い芽鱗を脱いだ新芽が

ひらひらひらと

小さな緑の葉を広げている

丸いつぼみがマラカスのように見えるクロモジ・・・・

等々

この人ならではの

さり気なく

けれども

しっかり主張した言葉で綴られています

 

時には人と出会い

時にはわらび採りに興じたり

自分を極める登山もあれば

心を広くする山もある。

そんな美しい山の景色を

存分に見せて頂いた気分です。

 

最後の若菜さんの言葉

自然の中で美しいものを見た時

決まって心の中から湧きあがる

言葉にはし難い懐かしみを伴った喜びの感情がある

私は今生きていて

こうして初夏の夕方の

降り注ぐ森の美しさを目にすることが出来る

人生はやはり素晴らしい

人生に山があって良かった

 

このことばが

彼女の全てを表しているとつくづく思いました。

 

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本「アーモンド」

2020-09-05 | 

「アーモンド」    ソン・ウォンピョン 著

韓国の作家さんの本です

この本

第1部 第2部 第3部 第4部 エピローグに分かれて

その都度

男の子の顔が現れるのですが

1部から段々にバックの色が変化していきます。

これが、

この男の子の変化を表現している様に私には感じられました。

この男の子

失感情症という

偏桃体の異常からおきる病気なのですが

感情が感じられないのです

母親は

その感情をどう表現したり対処したりしたら良いか

と箇条書きにします。

例えば

車が近づく→離れる、逃げる

人が向かって来る→よける

相手が笑う→微笑む

これを機械的に表現したり行動したりするわけです。

 

彼は

人が殴られて死ぬ事件を見ていても

怖さを感じることもできません。

小さなころから笑うということもありません。

 

ある日

彼を可愛がっていてくれた

婆ちゃんと母親が通り魔事件に遭遇して

婆ちゃんは亡くなり

母親は意識を取り戻すことができなくなります。

 

母親が経営していた古本屋の後を継ぎ

本屋をやりながら学校へも通います

本屋の2階にあったパン屋さんの社長さん

シム博士(昔はドクターでした)

彼を色々サポートしてくれます。

 

そんな中

新しく通い始めた学校でゴニという男の子と知り合い

その彼との間で非日常的な悪の世界に引き込まれていきます。

ゴニは不幸な環境に育ち少年院と施設を出たり入ったりの生活です。

ところが

このゴニとの相性が良く

人間との関わり合い、信頼に近い感情を

自分では気づかないうちに

僅かながらも芽生えてくるのです。

ところが

そのゴニはある事件で亡くなってしまいます。

シム博士からゴニからの手紙を受け取ります

そして

反対に良いニュース

母親が奇跡的に意識を取り戻したのです。

 

エピローグ

19歳になった彼、

物語が悲劇か喜劇かはわからないまでも

自分が感じる事の出来る

丁度その分だけ

物事にぶつかっていこうと思うのでした。

 

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本 「少年と犬」

2020-08-16 | 

「少年と犬」  馳 星周 著

直木賞を受賞した作品

賞を取った本は苦手な私でしたが

ここのところ

「熱源」

「少年と犬」

と結構手に取っています。

 

これは

「男と犬」から始まって

「少年と犬」で完結

東日本大震災を釜石で被災し

飼い主を失った犬が

その地で運命的に?本能的に?出会っていた少年を求めて

熊本まで旅するお話しを

其々「~と犬」6節に分かれて綴ったストーリーです。

 

そのワンコの名前は多門。

勿論釜石から熊本まで犬1匹で移動できたものではありません。

犬の群れとしての多聞の本能が

人間という仲間(群れ)を得ることに寄って

何年もかけて熊本まで辿り着く。

その間の

多聞が群れとして認め求めた人間との触れ合いを

話の流れとしています。

 

犬の本能

頭脳

セラピー犬としての持ち前の力

勿論人間の優しさというものも含めて

人間と犬との関係、触れ合いが

とてもよく感じられる本です。

 

犬というのは

人間の癒しとなる動物であることが

しっかり感じ取れます

このストーリーに登場する人物は

どちらかと言うと

社会的にみると

トップの人間ではなかったり

心弱い人間であったり

年寄りであったり

というところから

そういう面を上手に見せていると思います。

 

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本「風と双眼鏡、膝掛け毛布」

2020-08-11 | 

「風と双眼鏡、膝掛け毛布」  梨木 香歩 著

いつ頃でしたか・・・

「エストニア紀行」を読んで以来の

この方の本を手に取ったのがこれでした。

梨木さんの文章は

さらさらと

秋の風の様に読み進める気がします

特に美しい言葉が使われているのではないのですが

どこも

つっかえるところがない。

そんな本です

風と双眼鏡・・

日本各地訪れた所の地名

街道等

その時に感じた事

気付いた事

聞いた話

などで綴られています。

何度もこのブログで触れているかと思いますが

昔昔の鉄子だった私

地名は本当に興味のあるものです

ローカル線終着駅を乗り潰す旅を続けていた頃

山形県北山形から出ている左沢線に乗ったことがあります

実際乗っていながら

恥ずかしながら

「左沢」を「あてらざわ」と読むことを知らずにいました。

車掌さんとお話ししていて教わったのです

この様に

地名の読み方というのは難しいものです

そして

殆どが

その地名には

なんらかの由来があるのですね。

この本はそんなお話が沢山書かれています。

 

そして

私がこよなく愛した安曇野の段では

再び安曇野の魅力が

身体の中にふつふつと湧いてきたり

特に気にもせずにいた

すぐ近くの青梅

随分昔に読んだ

有吉佐和子さんの「恍惚の人」

に登場する老人が

青梅街道をひたすら歩いていたという

「そうだったかしら?」

私は記憶に定かではありませんでした

地名の由来は

1603年ごろ江戸城築城の為に青梅街道が作られ

更にその700年ほど前

平将門がここを通りかかり

手にした梅の枝を「根付いて栄えよ」

と地面に挿したその枝が

実までつけたが青々としたままだったから

とか。

 

よく話題にあがることですが

海のない信州に海のつく地名が多いのは何故か

とか

沖縄普天間の地名由来

その他数々の話が続きます

 

そして

このコロナ禍で旅に行けない今

忘れていた地

懐かしい地

この本で知った興味深い土地

そんなこんな

私の

メモノートの「旅」頁には

マタマタ

コロナ収束後

行きたい場所が続々と増えていったのです。

 

「うわあーーーい!

大変!

寿命を後20~30年増やさなきゃ

やっていけない!!!」

 

 

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本 「逆転キッチン」

2020-07-30 | 

「逆転キッチン」  池田 和寛 著

 

製造業向けコンサルタンティング業務をされている方で

その仕事がらのストーリー。

 

第一線で仕事をしていた主人公

横山大二郎が

突然の左遷で

地下にある暗い部屋の

窓際開発プロジェクト移動される。

横山の慕っていた上司と派閥対立する渡邊の攻略

横山の上司も渡邊のさしがねで左遷される

 

そんな中で

開発プロジェクトに課せられた

「これまでになかったキッチン」

そして

後で更に加えられた「未來のキッチン」

この課題を横山を中心として

窓際の社員達が奮闘

最後には

渡邊の卑怯な仕打ちにも勝って

どんでん返しをするという筋書き

です。

ストーリーとしては

良くあるお話しなのですが

未來のキッチンというところで

このコロナ禍の世界に

とてもマッチした

なんとも未来型のキッチンを思いつく

という所に

ミソがあると思います。

そして

行間、間の取り方

話の括りなどが

とても読み易くなっている本です

あっと言う間に読み切ってしまいました。

 

 

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本「旅の断片」

2020-07-24 | 

「旅の断片」   若菜 晃子 著

7月9日ブログ 

「愛しい本」でちょっとご紹介した本です。

若菜晃子さんは山と渓谷社

副編集長を経て独立

山や自然、旅に関する雑誌を編集、執筆しておられる方です。

この本は

海外あちこちの小さな街々で出会った人々

風景

などを心の旅として書き留めた

短編集です。

この方に言わせれば

旅での出会いの瞬間は

宝物に等しいと思われていられることでしょう。

ゆっくり流れる旅の中の目の前に広がる景色

あるいは

心の景色

そんなものが

さり気なく綴られています。

大袈裟でなく

たんたんとした綴りで

さりとて単純ではない

読む人を飽きさせない文章で纏められています。

 

私も

若い頃は

観光地というのではなく

訪ねてみて

自分の心に響く様な所を求めて

旅をしていたことがあります。

 

それは

終着駅を訪れる旅だったのですが

なあんにもない小さな無人駅にも

ストーリーがあり景色がある

そんな

青臭いセンチメンタルな気分に憧れていた年齢でもあったと思いますが

今でも

それらの旅は

心の中で定着し

ときには

むくむくと

入道雲の様に湧き出てきたりします。

 

今はもうそういう旅は年齢とともに

難しくなってきていますが

あの時期

まだ

子供が小学生の頃で

少し贅沢な望みではあったのですが

たった1泊の旅でもしておいて良かったと思っています。

と共に子供と留守番してくれた夫にも

少なからず感謝感謝。

徐々に日数を増やしたり

基本

特急や新幹線などは使わずと考えていたのですが

遠くになるにつれて

乗りたいローカル線までは

日数短縮の為に

新幹線なども使うようになりました。

終着駅乘りつぶしの旅は

途中でぷつりと途切れてしまいましたが

今でも

たまたまローカル線に乗れる時には

なるべく訪れたいと思っています。

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本「楡の墓」

2020-07-23 | 

「楡の墓」   浮穴 みみ 著

明治開拓時代の蝦夷地の事を綴った短編集です。

楡の墓

雪女郎

貸し女房始末

湯壺にて

七月のトリリウム

と続きます。

 

△ 楡の墓

津軽から蝦夷地に渡った幸吉家族

生活はきびしく

幸吉は兄や父親から疎んじられ

折檻が激しくなり

母が亡くなったのを機に二度と父とはもう会う事はなかろうという思いを胸に

石巻港に向かう

酷い雨にあい

雨宿りの楡の木陰で出会った美禰に救われる

その後

幕府役人の大友亀太郎と知り合い

幸吉の人生は変わっていく

一度は美禰に迷惑をかけまいと

その地を離れるが

諸々の末

結局美禰の下に戻り

二人はこの蝦夷の地に根を張り

命を育んでいく

楡の樹陰へと還っていく為に。

 

△ 貸し女房始末

夫 貞吉に酷い目にあわされるが

料理屋女将に救われるふき。

官員の岡部と知り合いになるが

岡部は役所のやり方にホトホト愛想が尽き

遊女屋をふきと立ち上げていこうする。

 

商売のパートナーとしてだけでなく

ふきは本当の女房として

岡部のもとへ。

 

△ 七月のトリリウム

開拓使御用船 玄武丸

一路北海道へ。

1872年東京芝増上寺本坊に開拓使仮学校開設

北海道開拓の指導者を育てる目的で作られた。

在来外国人講師の指導の下

北海道開拓に必要な学問はすべて網羅され

仮学校は北海道札幌に

「札幌学校」と名付けられて1875年移転した

その札幌学校で起こる色々なお話です

アメリカからの指導者3名の中に

かの有名な

クラーク博士が登場します。

 

以下2話

 

少し前に読んだ 

川越 宗一氏 「熱源」と

被る読書となりました。

開拓使時代の蝦夷の地

アイヌの人々の話も

最後の

「7月のトリリウム」に少し出てきます。

 

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本「たゆたえども沈まず」

2020-07-18 | 

「たゆたえども沈まず」    原田マハ 著

舞台は19C 末 フランス

登場人物は

フィンセント・ファン・ゴッホ

その弟テオドール

林忠正

加納重吉

19C 末のフランスは

ジャポニズムブームに載り

浮世絵が大流行りになっています。

 

そこで活躍しているのが

東京開成学校(現東京大学)時代

フランス語を学んでいた

画商林忠正

忠正が日本から呼び寄せた

フランス語を学んでいた頃の友人

加納重吉

 

この重吉が林とフィンセントを結びつける役割をしています。

フィンセントの弟テオと重吉は無二の親友ともいえる仲となり

ゴッホの耳切事件の時には

重吉がテオを支えます。

フィンセントとテオは双子と言ってもいいほどの兄弟で

テオはゴッホの絵の才能を評価して

経済的に支え続けています。

 

しかし

この兄弟は二人共

フィンセント37歳

テオ33歳

という若さで命を失います。

フィンセントは拳銃自殺

テオは精神科の病院で。

 

日本が

新しい西洋の美術に目覚めるには

まだまだ時間がかかるものの

フィンセントの仕事が認められると確信している

林忠正

テオの奥さんのヨーにフィンセントの絵の管理をする様伝えます

 

日本の浮世絵も

西洋の印象派の絵も

時間をかけて

セーヌ川と共にと

どまることを知らず

流れていきます。

 

原田マハさんの文は

いつも

セーヌ川というよりは

急流の最上川の様に

私をどんどん、どんどん追いかけてきます。

息もつかずに

読み切る物が多いです。

この本に登場してくる

加納重吉という人物は

架空の人物だそうですが

この登場人物に寄って

この文章が盛り上がってくるのだそうです。

確かに・・・

 

 

 

 

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本「凍」

2020-07-02 | 

「凍」 沢木耕太郎 著

フリークライミングの山野泰史

妙子

 

妻、妙子さんは

凍傷で失った両手殆どの指

そして9歳年上ということで

二人の結婚は多少の壁があったものの

うまいハーモニーを醸し出す

夫婦として

登山に挑んでいる

 

チベット自治区とネパールの国境線に位置する

ギャチュカン

7952m

未踏の谷奥深くにある山で

8000mを超えずとも

登る難しさは8000m級と同じかそれ以上

その山に酸素ボンベなしなどの

最低限装備で

しかも厳しい北壁に挑みます。

 

妙子は体調を崩し

殆ど食事が取れない状態

泰史も低酸素に寄る視界不良

目が見えなくなる

妙子も殆ど同様。

悪天気、雪崩にも見舞われ

最悪の状況下

以前

強力仲間の年配の人に教わったグリセード

お尻で滑って下降する

その技で最後の下降に臨むが

ギャチュカンではスピードが出過ぎる為

腹這いになってグリセードする

そして

やっと下支えしてくれていた

ギャルソン達の待つキャンプ近くまで送還

 

しかし

妙子は更に両手全ての指を付け根から切断せねばならない程の凍傷

泰史も

右足指5本全部と左右手の薬指と小指を失う

 

それでもこの二人

その後もやはり山なしでは生きてはいかれず

全盛期の様なクライミングは出来ぬとも

ヒマラヤツアーに加わったり

再びギャチュカンベース入りする等

楽しんでいる。

 

沢木耕太郎さんの本は

アドベンチャー

等の

婆の私にはできない

見る事の出来ない夢を見させてくれる物が多くあります。

今回も

この壮絶な

それでいて淡々としているご夫婦に

深い感銘を受けました。

 

 

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