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loisirs

日々、小さな楽しみを見つけて・・・

小倉昌男 祈りと経営

2016-07-06 | 

「小倉昌男 祈りと経営」   森 健  著

 

ヤマト宅急便の父である

小倉さんの事を書いた本です。

 

以前にも

小倉さんが

どの様に宅配便事業を進めていったか

等を書いた本を読んだのですが

こちらは

それから更に一歩踏み込んで

小倉さんの

かなりプライベートな事に触れた文章になっています。

 

そして

小倉さんの最後の人生まで描かれた本でした。

 

何故

プライベートなことに触れたかは

小倉さんが

ヤマトを実質的に引退した後

福祉事業を

私財を投じて始めた所以に関係してくるからでした。

 

家族の話あっての

この福祉事業だった訳です。

 

小倉さん個人のことや

ヤマトさんのこと以外にも

数々の事を知った本でした。

 

私は

ベーカリーの

「アンデルセン」

「リトゥルマーメイド」が

どういう関係なのか

ずっと、よく分からず仕舞いでいたのですが

いずれにしても

元は

高木ベーカリーだったことを知りました。

 

ご存じの方はご存知なのでしょうが

私はそこで

合点がいった訳です。

 

そういった

小倉さんに関係のあった

企業人

あるいは

敬虔なクリスチャンである彼と結びつく

牧師さん

等々

色々な方が登場しておられます。

 

面白いのは

本を読んでいると

それまでバラバラだった事柄や人物が

ある時

ふいっと

パズルの様に

ピタッ

とはまる事が良くあることです。

 

今回のこの本も

小倉さんという方の

人柄を

良く知ることのできた1冊でした。

 

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本 世界から猫が消えたなら

2016-06-25 | 

「世界から猫が消えたなら」  川村元気 著

 

何度か本屋さんの店頭で

手にした本でした。

でも

棚に返してしまっていました。

先日

電車の中で読む本を切らし

ふらっと寄った本屋さんで

結局買ってしまいました。

 

 

 

30歳の主人公僕

ある日

風邪を拗らせたかと行った医院

そこで知ったのは

まさかの脳腫瘍

余命幾ばくもないと言われ

どうしようもない苛立ちと

どうしたらよいかわからない状態で家に帰る

 

そこで現れたのが

悪魔の僕

悪魔との会話の中

悪魔に笑われながら

「死ぬまでにしたい10のこと」

を考える僕

 

しかし

悪魔は「あなたは明日死ぬ」と告げる

ところが

それを免れる一つの方法あるという。

世の中から

何か一つ消す事で

僕の命が一日伸びる

というのだ

 

そこから

その取引が始まる

 

幾つか消した後

悪魔の出した条件

それは猫でした。

僕が飼っている猫

キャベツ

この猫が消える!

悪魔の仕業か

何故か急に

時代劇のような話し方をするキャベツと話している間に

猫を通じて

母親の愛

そして

会話も交わさず

会うこともなくなっていた

父親の本当の気持ちに気づき

僕は

自分の命より猫を残す選択に辿りつく

 

 

はじめ

ちょっと軽い感じの作品かと思っていました。

言葉遣いからくるものだったと思います。

 

でも

案外

昨今の

人間関係や

大事な物を大切にする気持ち

そういうものに

惹かれていく文でした。

 

読んでいる時より

後味に

ぐっと重みのある本だと思います。

 

最近は

ほとんどの本が映画化されたり

ドラマになったりしています。

 

私は

これに関しては

非常に残念に思う人間なのですが

ご多聞に洩れず

この本も映画化されている様です。

 

人それぞれ。

 

映画の方が良いと思う方は

是非

そちらをどうぞ。

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本 ザビエルの海

2016-06-21 | 

「ザビエルの海」(ポルトガル 「海の帝国」と日本)   宮崎 正勝 著

 

表紙 紹介の部分

 

武装艦船がインド洋周辺に点在する城塞や商館を結ぶ

ポルトガルの「海の帝国」再建へのジョアン三世の政略と

バスク・パリ・ローマ・カスボン・ゴア・漁夫海岸・マラッカ・モルッカ諸島・

日本・広州湾と巡る

ザビエルの志が交叉する苦難と栄光の歴史絵巻。

 

歴史知識の浅い私は

1543年鉄砲伝来

1549年キリスト教伝来

と呪文の様に唱えて丸暗記しただけの知識でした。

 

それが

この本を読んで

ザビエルがどんな経路で

どんな人々と関わりながら

何故日本まで辿りついたのか

ということが

大枠の中に浮かび上がってきました。

 

そして

私の好きなポルトガルのお話しということもあって

とても

興味深く読んだ本でした。

 

 

 

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本 光秀の定理

2016-05-03 | 

「光秀の定理(レンマ)」   垣根涼介著

久々

お友達との読書会が再開しました。

その方が

お身内の方のことで

お忙しくしておられ

暫しのお休みでした。

 

お借りしたのが

これと

「ザビエルの海」

 

この「光秀の定理」は

かなり かなり

面白く

どんどん読み進みました。

 

明智光秀という人物は

ちょっと不器用な

悪く言えば融通の利かない

良く言えば真面目

という印象が強かったのですが

その

奥深くを知った本でした。

 

そして

光秀に対しての

好感度はUP

 

ここに出てくる

二人の人物

愚息 と 新九郎

実に魅力的です。

この二人がいて

この本の密度が上がった

という感じです。

勿論

光秀がタイトルからいけば主役なのですが

この二人が主役

私は思ってしまいます。

でも

最後の章

二人で

光秀死後

彼のことを考える場面

そこで

この題名が浮き出てくるのでしょう。

 

それにしても

殺傷の世の中ですから

戦国時代は野蛮と言えば野蛮

なのですが

戦国武将の戦略

武将同士の駆け引き

友情

温情

等には

風流さえ感じてしまいます。

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羊と鋼の森

2016-04-22 | 

「羊と鋼の森」   宮下 奈都 著

今、本屋大賞で話題となっている本。

ピアノ調律師のお話しです。

 

主人公 外村は

とある日に ひょんなことから

ピアノの調律という

今まで彼には 

何の所縁もなかった

この 世界へ飛び込むことになります。

 

たまたま

学校に残っていた為に

関わってしまった

世界でした。

その時出会ってしまった

師匠ともなる

板鳥の調律に魅せられてしまうのです。

 

文章の中に出てくる

羊と鋼は

宮下さんが趣味で弾いていた

ピアノの調律師の方から出た言葉だったそうです。

「昔の羊は良い草を食べていた」・・・・・

 

ストーリーとしての

大きな山は

然程見当たりませんが

読んでるということが

何物にも逆らえない

さらさらと読み進んでしまう本です。

かといって

淡泊に読み終わるというのではなく

言葉の一つ一つが

センテンスの一まとまり一まとまりが

心の中に残して置きたい

そんな

文章です。

 

最近

中々

良い本に出会えなくて

摘み食い読書になっていましたが

再び

読書に戻るきっかけとなってくれました。

 

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本 ラオスにいったい何があるというんですか。

2016-03-06 | 

本  「ラオスにいったい何があるというんですか」   村上春樹 著

先般ちょっと触れた

村上春樹さんの紀行文です。

訪れた10の街や国のお話です。

 

題名に因んだ

ラオス

ワタクシ大好きな

アイスランドの章を取り上げてみます。

 

アイスランドは

スカスカ感のある国

広大な面積を持つ国でありながら

電話の市外番号というものがない

そうです。

 

そして

冬が長く

夜の長いこの国では

読書好きが多く

人口あたりの作家の数が世界一

 

そして そして

ワタクシ

ますます好きになってしまいそうな情報

猫の多い国なのだそうです。

これは、朗報!!

大柄で 毛並が綺麗 

手入れが行き届いている

人懐こい

おっとりしていて 

人間に対して警戒心が少ない

 

これだけトントン拍子に揃えば

御の字 御の字

うわっ!

ますます

行ってみたくなるではありませんか!

 

 

さて

そしてラオス

 

作者がハノイで一泊

ラオスへ発つ時

ヴェトナム人に言われた言葉

「どうして また ラオスなんかに行くんですか?」

ヴェトナムでいいじゃないですか。

特別ラオスなんかに何もありませんよ。

と言う様なニュアンスの物言いだった様です

 

行ってみれば

どこにでも

必ず何かはある。

ガムランを聴き

結構日本人好みと思われる食事を食べ

ルアンプルバンで寺院を巡る

 

街では

鮮やかなオレンジ色の僧衣を纏って

とても静かにヒタヒタと裸足で歩き

柔和な笑みを顔に浮かべ

密やかな声で語り合う

とりわけ多い僧侶が

どこでも目につく。

信仰心の厚い国なのです。

 

作者も

ラオスに何があるかは

未だに

明確な答えをだしていないそうですが

風景には匂いがあり

音があり

肌触りがある。

そこには

光があり

特別な風が吹いている

誰かの声が耳に残っている

心の震えが思い出せる

と言われます。

 

確かに

旅ってそういうものだと思うのです。

 

私は

何もない所が好きな

変わり者婆ですが

何もない所

そう

渡良瀬鉄道の終着駅

”まとう”(足尾銅山)

に行った時

本当に本当に

何もないのですけれど

温かい陽射しと

微かな風に揺らぐ雑草の花々

蜂の羽音

黄色い蝶々の色鮮やかさ

そんな長閑な風景に

ガラス窓は割れ

柱がむき出しになってりして

悲しいといえば悲しいのですが

何故か

心静かに迎えてくれる

廃墟の建物

そんな物が

もう

30年も前の事ですのに

瞼にくっきり

仕舞いこんであります。

 

 

 

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本 ストーリー・セラー

2016-02-19 | 

本 「ストーリー・セラー」   有川 浩 著

 

久しぶりに

有川さんの本を買いました

side A

side B

二編からなる文章です。

 

side B

に入ってわかりました。

この本は

こよなく愛する夫婦の

妻を亡くす編

夫を亡くす編

両サイドを設定した文章からなるのです。

 

恋愛小説に弱いワタクシですが

有川さんのそれは

表面淡々としていて

その中に

ひしひしと迫るものがあり

熱く語りかけています。

 

250頁を少し越える位の

ちょうど読み易い厚さでもあり

あっと言う間に読み切りました。

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本 「外国人だけが知っている美しい日本」

2016-02-04 | 

「外国人だけが知っている美しい日本」   ステファン・シャウエッカー 著

スイス人の方から見た

日本の良い所を書いた本です。

「ジャパンガイド」という本を

ネットで配信しておられる方です。

 

スペシャル ジャパン 贔屓

ステファンさん。

温泉大大大好き

スイスも鉄道の多い国ですが

流石

鉄ちゃん宛らの鉄道好き。

 

奥様は日本人の方です。

 

そんな彼の

特に鉄道に関する章は

元鉄子のワタクシにとっては

とても興味のあるところで

全く考えが同じところが

何か所もありました。

 

この方が言われるには

鉄男君にも

色々あって

彼は

中でも

「時刻表鉄」なのだそうです。

若かった頃の私も

全くその通りで

時刻表が愛読書の一つになっていました。

AからBへ行くのには

どんな方法があって

安いのはどれで

速いのはどんな行き方か・・・・

そんなことを考えながら

時刻表を眺めると言います。

 

終着駅乗りつぶしをしていた頃の私も

そんな事に時間を費やして

時刻表を見ておりました。

 

その他にも

温泉は勿論

日本の食べ物

日本の良さ

等々

 

なかなか

興味の尽きない1冊でした。

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本 「だいこん」

2016-01-28 | 

「だいこん」   山本一力 著

1700年代後半の

江戸

浅草並木町の

通い大工安治とみのぶの間に産まれた

つばきがこのお話の主人公です。

 

普段は優しく

仕事の腕も確かな安治は

お酒が入ると人が変わってしまう。

 

故に

小さな頃から

つばきは母を助け

二人の妹の面倒をみる

というしっかり者。

 

そのつばきが

誰にも引けを取らないご飯炊き

という特技があります。

それを生かして

一膳飯屋を開き

それが当たって

どんどん商売を伸ばしていくお話です。

 

江戸を舞台とした

こういうストーリーは

結構見かける気がしますが

やはり

山本一力さんの文章は

退屈させません。

 

ただ、

私はこれを

電車の中

一人外出一休みカフェでの

Ibooks 読書でしたので

ちょこちょこ読み

かなりの時間をかけてしまいました。

 

最近

する事山積みで

(って、良く寝てますが・・・)

読書時間が少なかったり

摘み食い読書が増えています。

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本 何もかも憂鬱な夜に

2016-01-05 | 

「何もかも憂鬱な夜に」  中村文則 著

初めてこの方の文を読みました。

世界的に認められつつある方なのですね。

 

施設で育ち

成長してから

刑務官という職についた

が主人公です。

 

僕に関係ある人々の

感情を表した件は

かなり

断片的であったり

理詰めであったり

迸るつづりであったり

理解するには

1回

さらっと読んだだけでは不十分な思いがありますが

心に響くものは

感覚として

確かに心の中に居座っていました。

 

自分とは環境も違い

年齢も違う

この主人公を

直接的に受け止めることは

婆の私には

難しいものもありますが

文章に何度も出てくる

「あの人」

の事はストンと

胃の腑に収まる思いです。

 

しかし

癒しを求め

平和を求め

心違いを避けたく

静かに

生活を送って行きたい

と願う

事なかれ主義の婆には

少し

重い文章ではありました。

 

毎日毎日

様々なニュースが流れる昨今

こういった本を読む事も必要であると

方や

思ってもいます。

 

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