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loisirs

日々、小さな楽しみを見つけて・・・

本 「東京會舘と私」

2016-10-31 | 

「東京會舘と私」   辻村深月 著

 

大正11年創業

東京丸の内の東京會舘

その建物

會舘に携わっていた人

訪れて

一方ならぬ思い入れのあった人

それらを綴った本です。

 

帝国劇場で開かれた

クライスラーの音楽会

東京會舘は帝劇と繋がっていた。

クライスラーの姿を

その曲を聴きに来ていた寺井は

東京會舘で見かけることができた。

ところが

クライスラーは日本を訪れている間に

大きな地震にあい

オーストリアでは地震の経験が殆どない彼は

その恐ろしさに

もう二度と日本を訪れることはないだろう

と言われた

その年の9月1日

関東大震災

焼失は免れたものの

東京會舘のダメージも

ご多聞に漏れず

大きなものだった。

 

そして

第二次大戦

アメリカに没収され

様々な苦難を乗り越えて

生き残っていく建物と関わる人々

 

グルメは日本の世の中を駆け巡っているけれど

それとは裏腹に

静かに静かに

重厚な響きを奏でるオーケストラの様に

東京會舘は生きている

 

あの

優しいクッキーのお味を

私は

そんな風に感じています。

私の好きな東京會舘の

中身を知った思いでした。

 

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本 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」

2016-10-30 | 

暫くご無沙汰していた本ブログ。

読んではいたのですが

ブログに書く事を忘れていました。

認知症発覚!!

 

「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 小路幸也 著

非常に長いタイトルです。

老舗古書店に住む

4世代の家族

そして

ご近所さん。

 

もう、

この方達だけで

長ーいお話しが出来上がるのです。

全て日常の

そして

その日常に起こる微かなさざ波。

 

下町らしき

人情味に溢れる

数々の

小事件

 

本当に日常生活なのです。

よくも飽きずに

300ページにわたるストーリーを

読み切ったのは

軽妙なタッチと

言葉の魔術だった様に思えます。

 

読んでいる時よりも

フランス映画の様に

読んで暫くして

じわじわと

面白さが出てくる類ではないかと思っています。

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本 眩

2016-09-17 | 

「眩」  朝井 まかて 著

かの有名な葛飾北斎

の娘、お栄(応為)が

北斎の生存中

右腕となって

支え続ける一方

自己の光と色を

追い続けた人生。

 

北斎の名を語っては

悪事を重ね続けた

甥に悩まされ

兄弟弟子の英泉への

叶わぬ恋

 

何があっても

描き続ける事が

お栄の幸せであり

絵を一筋に

江戸の気風良さを常に見せながら

人生を乗り切ってゆく。

 

中々面白い1冊でした。

江戸言葉

下町言葉の好きな私

言葉のやり取りにも

魅力を感じた本でした。

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旅行・本・そしてコーヒー

2016-09-14 | 

今使っているリュックが

大きさ

使い勝手

重さ

すべて良いものですから

お店で取り扱わなくなる前に

もう一つ

買い置きをしておきましょうと

青山まで行ってきまいした。

 

表参道

伊藤病院とアップルストアの間を入った突き当り

ここのバッグは

どちらかと言うと

男性向きの様に見受けられますが

私は結構気に入っていて

時々見に行きます。

 

色違いでもう一つ買って

帰り道

喉も乾いたし

どこかでお茶でも

と思って立ち止まったのが

「HIS 旅と本とコーヒーと」

です。

アイスココアの

甘味をかなり抑えて貰ったのを注文。

 

階段を少し上がって

テーブルにつきます。

周りには

旅に関する本が棚にきちん収まっています

 

ガイドブックに交じって

中々個性的な本が目につきます

 

今回

私は

これらを買って来ましたが

他にも

沢山興味をそそられる物が

数多く存在していました。

 

 

棚の本は

どこの地域の本か

明確に表示され

分類されて置かれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

階段上 HIS

階毎に

ネイチャーワールド

とか

ビジネス・ファーストクラス専門店

とか

記念旅の様なQUALITA

等と分かれてサービスされています。

 

本は

ブックディレクターの

幅 充孝さんが選ばれた

「旅に出る理由」

と称した

世界中の様々な物が並べられています。

 

コーヒーは

猿田彦さんのコーヒー。

 

中々

魅力あるブックカフェ(と呼んでいいのでしょうか?)でした。

 

 

 

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本 世界中で迷子になって

2016-09-03 | 

「世界中で迷子になって」   角田光代 著

この方の文も初めてでした。

中々面白い文章です。

「旅」と「物」に思う

に分かれていて

始めは「旅」について。

 

私は

この方の様には

海外の個人旅行は少ないのですが

節々

「うん、うん」

「そう、そう」

と頷いていました。

 

同感できる所が多々あるのです。

 

そして

「物」

に関しても

同じ。

違うところは

私は下戸で

この方の言われる

お酒のくだりだけ

理解できないのが残念でした。

 

エッセイというものは

殆ど読んでいないのですが

こんなに

面白く読めるものなのか

と思ったのは

初めてです。

この方の書き方にもあるのでしょうが

考え方や感じ方が同じ

(非凡な私が同じ等と言ってしまって、角田さん、ごめんなさい)

というところが

大きな理由だったようにも思えます。

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本 「ことり」

2016-08-24 | 

「ことり」   小川洋子 著

 

この方の文は初めて読みました。

初頭が終章と結びついています。

このストーリーの主人公

ことりの小父さんが

亡くなった時点から始まり、

何故

ことりの小父さんと呼ばれる様になったのか

という件に入ります。

そして

更に戻って

ことりの小父さんのお兄さんが登場します。

 

お兄さんは

普通の言語を

ある時突然話せなくなってしまうのですが

このことりの小父さんだけが

お兄さんの

普通社会には理解されない言語を理解することが出来ます。

お兄さんはことりの小父さんと一緒に

近くの雑貨屋さんの

キャンディーを

週に1回だけ買いに行ったり

幼稚園の鳥小屋の鳥たちの歌を聞きにいく事以外は

殆ど外出もせず

小鳥だけに携わって生きています。

 

母親が病気で亡くなり

そして

父親も9年のちに亡くなります。

 

小父さんは

某会社のゲストハウスの管理人なりますが

お兄さんもついに亡くなり

さざ波の上を静かに二人で揺蕩ったっていたのが

少し少し

さざ波にも波が立ち

それでも

小父さんの世界は

小鳥の中にあって

その小父さん自身

波の静まった中で

大切なめじろの籠を抱きながら

あの世に旅立っていきます。

 

状況としては

ある意味

不幸であったり

悲しかったりするストーリーなのですが

何故か

そういうものは感じず

心の線が

細く細く

静かに引かれて

幸せすら感じさせられた本でした。

 

 

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本 築地の記憶

2016-08-19 | 

「築地の記憶」  富岡 一成 文   さいとう さだちか 写真

都知事が小池さんになり

移転時期が

揺れている築地市場

 

私 個人としては

小池さんの思惑はさておき

あの市場は

あのままで残ってくれれば嬉しいのですが

いずれにしても

そのまま

幾年も幾年も

残す事は難しかろうとは思います。

 

私の家では

まだ、私が小さかった頃から

築地市場には

度々 母親や姉が

お魚を買いに行っていました。

母親は

他の事は

特に贅沢するわけでもなく

つましく暮らしていましたが

何故か

食べ物にはうるさく

確かに

腕も玄人肌だった様です。

残念ながら

私は

そんな点を

少しも受け継がず

料理下手に育ってしまいましたが。

 

話が逸れましたが

この本は

そこで働く人々

歴史

ギョウカイとして・・・

魚の数え方や符牒

市場の休日の顔

そして

河岸に付随する

茶屋

まかない

の事など

様々な事が詰まった1冊です。

半分は写真で占められていて

リアルに

魚河岸の様子のわかる本です。

 

この築地市場は

ただ

魚を売るだけでない

昔の東京下町の要素が

いっぱいいっぱい詰まった所なのです。

 

この

粋さ加減が

何とも言えない雰囲気を醸し出しているのです。

 

それでも

外国の観光客の方々も多くなり

徐々に徐々に

変わりつつある所ではあります。

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本 修羅走る 関ケ原

2016-08-11 | 

「修羅走る 関ケ原」  山本 兼一 著

天下分け目の戦い

関ケ原の合戦で

石田三成側 西軍の武将

徳川家康側 東軍の武将

 

火蓋が切られようとしている

戦い前日

そして

火蓋の切られた

戦いの中

其々の人物が

どの様に感じ

どの様に作戦を立て

どの様に戦い

どの様に果て

どの様に勝利するか

一つ一つの章に分かれて

綴られています。

 

戦の中での

人と人の関わり合いを

刻一刻

表していったお話しです。

 

武士の気概

武士精神

というものに

甚く感動した本でした。

 

三成が負け戦とみて

佐和山城へいったん引き上げる時の

山を駆け降りる様に

最後の数章

私もページを繰るのももどかしく

駆け降りてしまいました。

 

この本で

私が知っていた三成とは

違う人物像を知りました。

改めて

生真面目で不器用なこの人に

興味が湧いてきました。

 

今日

備蓄本が少なくなったので

代官山蔦屋さんに

仕入れに行きました。

 

そして

見つけたのが

 

またまた

面白そう。

 

 

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本 家康 江戸を建てる

2016-07-24 | 

「家康 江戸を建てる」   門井慶喜 著

徳川家康が

豊臣秀吉から

全く水浸しの不毛の土地

関八州

相模、武蔵、上野、下野、安房、常陸 を与えられ

代わりに

駿河、遠江、三河、甲斐、信濃の国を

召し上げられた。

普通なら

絶対受けられない

この条件を

家康は「良し」として

受け取った。

そして

如何にして

この不毛の土地を逆手に取って

江戸という地を

形作っていったか

のお話しです。

 

利根川の流れを変え

江戸の金貨を作る

飲み水を引き

石垣を積む

 

そして

江戸城は出来上がったのです。

時は

秀忠の時代

家康は

しかしまだ健在でした。

 

金貨も

石垣も

読んでいて

とても興味のあるお話で

面白かったのですが

何よりも

私の興味を引いたのは

治水でした。

 

ワタクシ30代後半

少し子供の手が離れた頃から

土日で夫に子供達を頼み

始めた終着駅乘りつぶしの旅。

初めて訪れたのが

車窓から

飽くことなく眺めた渡良瀬川

足尾線の旅でした。

 

瞬く間に虜になった

渡良瀬川。

その

渡良瀬川と利根川が集まって

江戸、東京に注ぎ込み

度々の洪水が起き

関東は水浸しの土地であったのです。

 

その利根川の流れを変えて

利根川の水を

現在の茨城県へ流れ込む様にしたのが

伊奈忠次でした。

 

あの時代に

これほどの事ができたなぞとは

昔昔の その昔から

人は凄いことをやってのけていたのだなぁ

本当に

その知恵に感服してしまうお話でした。

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本 韓のくに紀行

2016-07-15 | 

「韓のくに紀行」 (街道をゆく) 司馬遼太郎 著

最近

中々良い本との巡り合わせが少なく

詰まった時の神頼み

それは

もう

司馬遼太郎さんしかないでしょう!

街道シリーズを又手に取り始めました。

 

やはり・・・

流石!!

 

気持ち良--く

読めます。

 

この方は

10代の兵隊さんだったころ

韓国のレールの上を通過し

その後

この国を訪れたいという思いが募ったようです。

 

日本の先祖の国とも言える

昔昔の繋がりを胸に

普通の人なら

なんら興味も持たないようなところを訪ね歩いた記録です。

 

案内人

Mrs.イムさん。

司馬遼太郎さんの文からは

何ともチャーミングな

それでいて

江戸っ子の様な気風の良さを持った彼女が

この本では

時に笑いを醸し出してくれています。

(勿論、その人柄にプラスして司馬さんの表現が生きているからです)

 

この本は

ただ

目面で通り過ぎるだけでなく

感心したり

納得したり

初めて知った事

自分の持っていた感覚を塗り替えられる思いをした所

数々

附箋が貼られ

蛍光ペンで線が引かれていきました。

 

私は

ペーパーの本は

大事に

綺麗に読みたいと常々思っているのですが

読み終わった頃には

かなり

使い古した教科書の様になってしまいました。

 

心の中に満足感の宿る1冊でした。

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