【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

殿様も愛した “口福”

2011-11-09 18:17:18 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編



【昨日の薔薇の 「今日の姿」】





・・・フランソワーズは叔母のために 紅茶
淹れるか、(中略)
叔母から言われて ハーブティー を煎じるか
だったが、薬局の袋から皿の上に
必要な量の 菩提樹リンデン の葉を出して、
それを熱湯に入れるのは私の役目だった。
(中略)
もうじき、叔母は枯れた葉や萎れた花を
味わうために入れさせた沸騰したハーブティーに、
プチット・マドレーヌの一切れを浸すだろう。
叔母はマドレーヌが十分に柔らかくなったら、
それを私に差し出してくれるのだ。
             【プルースト作 「失われた時を求めて」】


   
   やっと・・と言いましょうか、11月らしい冷気を感じた今朝。
  そう言えば昨夜は、とりわけ空気が澄み、お月さまの美しかったこと!

   11日(金)が満月なのですね。
  今宵は、ぼうっと霞んだ月になっています。お天気下り坂ですものね。







     さて、およそ2週間振りですね。
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 の開店と致しましょう。

     とうとう最後の1本になってしまった、「御堀堂の外郎」 をお茶請けとして。
    先日は、お茶で頂きましたが、珈琲にも十分合いますね。
    今日のカップは、「備前焼」 で。小物も同様の 「焼き締め」 に拘りました。






   備前焼を初めとした(他に「信楽焼」、「伊賀焼」 など)、
  「焼き締め」 の土物の器は、夏には水を打った路地のような
  涼やかさがあり、秋や冬は温かな風情を醸(かも)し出します。
  こんな懐の深さがたまりません。

   ところで 【先日】 も触れた、山口の 「外郎」。
  今を遡ること、大内時代に山口御堀の地で創製されたとか。
  大内時代と言えば、室町時代ですね。そんな大昔から。

   「懐古的な風味と雅趣豊かな 山口外郎 は、
  ゆったりと柔らかい独特な音韻と
  謎めいた歴史を感じさせる深い味わい」


   ~とは、外郎に入っていた栞(しおり)より。
  それにしても、こんな美しい言葉でお菓子を紹介した記事を他に知りません。

   さすが、西の小京都。
  こんな外郎ですから毛利の殿様も、お好みだったのですね。

香りを独り占め

2011-11-08 16:43:56 | ハーブと香り雑学






11月 には私は時々、
春は2度と来ないような気がするわ」
と、溜息を付いたアンは霜枯れの汚らしい
植木鉢の手のほどこしようない不体裁を嘆いた。
学校の先生の花嫁が作った賑やかな
小さな庭は、今ではわびしい眺めとなり、
ロムバディポプラと樺はジム船長の言葉を
借りれば 『帆を下ろして』 いた。
                  【「アンの夢の家」 第14章】


   やっと青空が戻った今日。
  でも、このお天気も今日だけのようですね。

   気温の方も、さすがにヒンヤリ感じましたが、
  それでも室温は20度あります。でも、これまでがこれまででしたものね。

   そう言えば、今日は 「立冬」
  街には早くもクリスマスツリーがお目見えしていますのに。
  失われつつある季節感を思います。





   さて、『アンの世界』 とは違い、
  寒くなったと言っても、まだまだ春のような今日。

   先日の薔薇は終焉を迎えましたが、昨日の薔薇は、ほらこの通り。
  いえ、いえ、先日の薔薇もこれからポプリとして大活躍です。
  昨日の薔薇はこの後早速、切り取って来ました。

   そうそう今の季節だけの特権。
  硝子の器に入れた乾燥ハーブの上に、
  そのまま香る薔薇の花びらを。変化も楽しめて気に入っています。
  
   それにしても微笑はさにあらず、笑い・・いいえ大笑いだって上品ですこと!
  その上、愛嬌ならず芳香も振りまいて。こんな素敵な花はありませんね。
  純白の薔薇とリラ版 「淑女の薔薇」 も今を遅しと出番を待っています。 

 

小さなポーチに時めいて

2011-11-07 16:45:16 | 私の手作り夢時間




「アンに私のワープ織りの掛け布団を
2枚やるつもりです。
煙草縞たばこじまのと林檎の葉の模様とね。
(中略)
あれをさらさなくちゃならない。
トマスが亡くなって以来、
木綿の袋の中へ縫い込んだままにしてあるから、
きっとひどい色になっているに違いないですよ。
夜露 に当てると見違えるようになりますからね」
                  【「アンの夢の家」 第2章】


   昨日と違って、お天気は回復傾向に
  あるようですが、なかなかすっきり・・
  とは行かないようです。

   気温の方も相変わらず。
  いいえ、若干下がったようですが、
  それでも平年を大きく上回っています。

   そんな中、もう一つの
  出番を待っている薔薇の蕾。

   朝、早い時間にはそれこそ
  花びらを堅く閉ざしていましたのに、
  ほんの僅かですが・・綻んだようです。

   それにしても、
  こんな蕾の時にさえ絵になる薔薇。
  つい見惚(と)れてしまいます。

   さて、私は久し振りに
  リンド夫人の部屋へ・・。

   リンド夫人 と言えば言わずと
  知れた刺子(パッチワーク)の達人。



   そしてこんな時、必ず思い出すのが、上記の文です。
  尤も今では大作のキルトは卒業してしまいましたが・・。

       そのキルト、夜露に当てると
      見違えるようになるのだそうですね。
      その事を私に教えてくれたのは、リンド夫人。

   程なく、キルトの本にも同様の記述を
  見つけたものですが、困ったのは口さがない、ご近所の人。
  
   「布団は、夜には取り込まなくちゃ・・」
  私が無精(ぶしょう)で取り込まないのだと思われたのでしょうね。きっと。
  
   それはさて置き・・、大作には程遠いけれど、
  端切れを使った、パッチワークの小さなポーチが出来上がりました。

   こんな小さな袋ですが、私は結構重宝しています。
  化粧道具を入れたり、アクセサリーを入れたり、
  はたまた編みかけのレース編みを入れたり。

   今回は、キャンディ袋にと。
  外出時、ちょっとお口が淋しい時って、ありますものね。
  勿論、ドライブのお供にも。 

典雅な微笑

2011-11-06 15:52:52 | 薔薇の追憶

【アイボリーの薔薇が・・】



【少しずつ・・】


その年は冬の到来が遅く、季節は大変暖かかった。
地面には雪もなく、ジョー・レイモンドの
ボートが青岬の砂浜に打ち上げられてから
ひと月ほどして、庭をぶらぶら歩いていた
サイラはもつれあった葉の陰に
数輪のパンジーが咲いているのを見つけた。
                   【「アンをめぐる人々」 10.】


   起床時、雨こそ降っていませんが、
  いつ降り出しても
  おかしくないような重い空。

   それでもそんな空のまま、
  時間は虚しく経過。
  
   “今日は雨降りでは・・?”
  慌てて天気予報を。

   昨日とは一転して、
  1日中曇り空になっています。
  
   それならと・・慌てて洗濯機を回し・・。
  でも、パラッと来て。
  慌ただしい休日の朝の一駒です。

   そうそう気温。相変わらず暖かい!
  居間の気温は24度もあります。

   この調子でこのまま行けば、
  今年の紅葉は12月だとか。
  
   でも、あの 『アンの世界』 でさえ、
  12月にパンジーが咲くほど暖かい年があったのですから、
  特別に異常気象だと言うのでもないのでしょう。そう思いたいです。


【純白の大輪に】


   さてそんな中、典雅に微笑んだのはリラ版 「白い貴婦人」。
  軒下にありますので、ほとんど雨もかかっていません。

   今日の重い天候で、何となく重苦しい気分を一掃してくれるかのような笑顔。
  おまけにとろけるような芳香も。今の季節、香りも一層際立つようですね。

   昨日は、アイボリー色が増していた花びらも、
  笑顔が満開になるに従って純白になって来ました。

   光の加減など今日はありません。写真そのままの色。
  そして、その花の直径は15センチもの大輪に。

   暖かいからでしょうね、今年は後、何輪もの蕾が出番を待ち構えています。
  薔薇にとっては大層、快適な秋なのかも知れません。

瑠璃色の雅(みやび)

2011-11-05 17:01:17 | 趣味の器(壺)~その他

【光線の加減でいかようにも・・】






「・・・でも、あたし、あんたに は好きでないわ。
いいえ、やきもちから言うんじゃないのよ。
はあんたに似合わないの。
あまりにエキゾチックで ――
あまりに熱帯的で ―― あまりに嬌満きょうまんですもの。
とにかく、髪に挿してはいけないわ」
「いいわ、やめましょう。
実は自分でも は好きでないの。
あたしに関わりがないように思えるのよ・・・」
                  【「アンの愛情」 第26章】



   一旦は、写真のように
  日の出を見た今朝でしたが・・。

   今日は、ごく弱い雨降りに
  なっています。

   何だかここ最近、土日にお天気が
  崩れる事が多くなっていますね。

   気温もここ数日、
  大層暖かい毎日でしたが、
  この雨を境に本来の気温に戻るとか。
  今はまだ暖かいですが・・。
  



【こちらは 【以前】 、貰ったお皿】


   さて、今日の写真。私の大好きな瑠璃色のお皿です。「香蘭社」 製。
  (光線の加減で黒っぽく見えますが、あくまでも瑠璃色です)
  
   そのお皿のタイトルも、「蘭の香」。(冒頭の写真)
  まさに社名を地で行くようなお皿ですね。

   私も上記の アン 同様、蘭は特別好きと言うのではありません。
  でも香蘭社製のものは別。薔薇でなくったって蘭でもカーネーションでも OK。

   それにしても大きな口を叩きますこと、頂き物で。
  実は、私の持ち物で香蘭社製のものは、全て叔母からのお下がり。
  今回、又々、貰って来たという訳です。
  
   そのお皿。微妙な光線の加減で花の色も、いかようにも変わります。
  その光沢は、ともすれば漆器のようにも見え・・。
  
   そしてこのお皿を眺める度に、
  これも瑠璃光寺の五重塔に思いを馳せ・・。
  「瑠璃光寺」・・何て素敵な名前のお寺なのでしょう。

   ところで折角ですので、香蘭社の事を少々。
  何と創業は元禄時代だそうですね。(元禄2年)

   明治11年、パリ万博名誉金牌(ぱい)受賞。
  明治29年には宮内庁御用達(ごようたし)等など・・
  国内は言うに及ばず、世界各国の博覧会で数々の輝かしい歴史があります。

   そうそう今日のお皿のような瑠璃色。
  古代エジプトで珍重されたラピスラズリに似た瑠璃釉(うわぐすり)製品は、
  「香蘭社調」 とも言われる独特の色のようです。  

歴史の囁き

2011-11-04 17:38:38 | 趣味の器(壺)~その他








キングスポートは英領植民地時代にまで遡る
古雅な町 であり、それを包む雰囲気は、
立派な老婦人が、若い頃の流行と同じ
デザインの衣装をまとっているさまを思わせた。
そちらこちら近代化した所もあるが、
心底しんそこは今なおそこなわれていない。
珍しい遺跡に富み、過去の多くの伝説が
後光のようにロマンティックな光を投げている。
                  【「アンの愛情」 第4章】


   こちらは今日も日本晴れ。雲一つ、ありません。
  気温も同じく暖かい! “今、何月・・?” 状態は、今日も健在です。
  
   最高気温は、何と25度なのですから。
  この処、この状態がもう何日も続いています。







   さて、私は未だに
  山口の余韻に浸っています。

   今日の引用文は、内外の差こそあれ、
  先日の山口の光景のようです。
  それにしても古雅な町って素敵。

   おまけに、ひょっこり入った、
  レストランの食事の美味しかったこと!
  
   こんな時、何だか得した気分。
  訳もなく嬉しくなってしまいますね。

   時間が大幅に外れているにも
  関わらず、店内は、ほぼ満席。

   帰りにはお店のケーキを
  お土産にするお客さんの姿も。
  耳にする会話も、たおやかです。

   今日のお茶タイムには、
  その余韻を感じるにはお誂え向きの
  「御堀堂の外郎」 がありますもの。

   となれば、今日は 「和」 が
  いいですね。勿論、お茶は日本茶。
  
   そして器は同じ山口の 「萩焼」で。
  ただ、急須は銅製です。
  
   そうそう、久し振りに帯をテーブルセンターに。
  今日は、一気に江戸時代にでもタイムスリップした気分です。

西の雅~その2

2011-11-02 16:57:26 | 旅気分・夢気分

【雪舟の庭】







   こちらは今日も秋晴れ。
  こんな穏やかな空で
  明けました。
  
   おまけに11月とは
  思えない、暖かい気温。

   尤も今年は冬も節電しなければ
  ならないそうですから暖かい分
  には一向に構わないのですが・・。

   さて、昨日の続き。
  朝食を終えた私達は、
  宿のある光市室積の海から一路、
  県庁所在地山口市へ。

   所謂(いわゆる)、西の都 「山口」 です。
  高速道を防府東I.Cで下り、国道262号線を北上。

   途中、カナダ楓の長い並木に目を奪われ。
  この景色、有名なのだそうですね。

   生憎、紅葉には少々早かったのですが、
  満開の真っ赤な紅葉は、
  お得意の 「想像の余地」 で補い・・。









【「瑠璃光寺」 五重塔】




【日本の秋】

   





   西の小京都、山口では常栄寺の 「雪舟の庭」、
  五重の塔で有名な 「瑠璃光寺」、ステンドグラスの美しい
  「ザビエルの塔」 と見学。ここは火事で焼けたのでしたね。

   しっとりと品格のある、落ち着いた町の佇まいに、
  培(つちか)われた歴史と情緒を感じます。

   前回の 【萩】 も良かったですが、こちらも同様に、
  いいえ、それ以上に良かったです。

   そうそう、瑠璃光寺の前にある、
   「御堀堂の外郎」 をお土産に。

   数ある山口の外郎の中でも絶品。
  支店は山口市中心のお店(数店)と他市は僅か1店舗だけ。

   SA 等で買えないのは、大層不便ですが、
  こんな昔ながらの商法にも好感が持てます。
  こだわりの味を頑として貫いていらっしゃるのでしょうね。

   山々が真っ赤に染まる、紅葉には少々早かったけれど、
  そして相変わらずの強行軍でしたが、
  満足して帰って参りました。

   次は、「津和野」 へ・・? 
  早くも行先は決まっています・・。







【ザビエルの塔】

西の雅(みやび)

2011-11-01 16:55:16 | 旅気分・夢気分
【薄紫色の世界】







   









花はほとんど全部、秋じゅう夢のように美しかった
あの見事な私の紫苑も2週間前に
黒く霜枯れてしまったが、花壇の周りには
まだ、ふわふわした白いアッサムがぐるっと
取り巻いていた。煙ったように
赤い狩猟月が丁度、梢の上に出て来た。
西の方の黒ずんだ木が2、3本立っている
白い小山の後ろは赤黄色に輝いている。
晩秋の夕の末枯うらがれた風景につきものの
妙に深い悲しさを雪は追い払ってしまい、
古いニュームーンの斜面や牧場は微かな
月明りにおとぎの国と化していた。
                【「エミリーはのぼる」 第16章】


   







   穏やかで、まるで春のように優しい空で明けた空。
  こちらは今日も秋晴れの天気を迎えています。

   早いもので今日から11月ですね。
  素敵な 『アンの世界』 も11月は上記の通り。

   こちらは、これから色鮮やかな紅葉の季節を迎えます。
  ちょっぴり、『アンの世界』より優越感に浸る季節。

   とは言え、それこそ素敵な季節はアッという間に過ぎ去ります。
  後1ヶ月もすれば年賀状の心配をしなければならないと思いますと、
  月日の通過するスピードに、おののいている私がいます。







【象鼻ヶ岬】






   





   穏やか・・と言いますと、
  これもあくまでも穏やかな海、瀬戸内海。

   恒例の山口詣で? に出掛けて来ました。
  およそ、半年振り。

   ( 【前回】 よりは短かったけれど)今回も全走行距離は、
  千キロを越えました。しめて1,036km。
  写真は早朝の象鼻ヶ岬。薄紫色に染まる世界です。

   前日の雨も上がり、早朝、
  薄紫色だった世界は、日の出と共に煌く黄金色に。

   もうすっかりお馴染みの景色ですが、
  鏡のような海を見るともなく見ていますと・・。
  日頃の憂(う)さなんて、コロッと忘れてしまいますね。

   ※ 長くなりましたので明日に続きます。