【昨日の薔薇の 「今日の姿」】
・・・フランソワーズは叔母のために 紅茶 を 淹れるか、(中略) 叔母から言われて ハーブティー を煎じるか だったが、薬局の袋から皿の上に 必要な量の 菩提樹 の葉を出して、 それを熱湯に入れるのは私の役目だった。 (中略) もうじき、叔母は枯れた葉や萎れた花を 味わうために入れさせた沸騰したハーブティーに、 プチット・マドレーヌの一切れを浸すだろう。 叔母はマドレーヌが十分に柔らかくなったら、 それを私に差し出してくれるのだ。 【プルースト作 「失われた時を求めて」】 |
やっと・・と言いましょうか、11月らしい冷気を感じた今朝。
そう言えば昨夜は、とりわけ空気が澄み、お月さまの美しかったこと!
11日(金)が満月なのですね。
今宵は、ぼうっと霞んだ月になっています。お天気下り坂ですものね。
さて、およそ2週間振りですね。
『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 の開店と致しましょう。
とうとう最後の1本になってしまった、「御堀堂の外郎」 をお茶請けとして。
先日は、お茶で頂きましたが、珈琲にも十分合いますね。
今日のカップは、「備前焼」 で。小物も同様の 「焼き締め」 に拘りました。
備前焼を初めとした(他に「信楽焼」、「伊賀焼」 など)、
「焼き締め」 の土物の器は、夏には水を打った路地のような
涼やかさがあり、秋や冬は温かな風情を醸(かも)し出します。
こんな懐の深さがたまりません。
ところで 【先日】 も触れた、山口の 「外郎」。
今を遡ること、大内時代に山口御堀の地で創製されたとか。
大内時代と言えば、室町時代ですね。そんな大昔から。
「懐古的な風味と雅趣豊かな 山口外郎 は、
ゆったりと柔らかい独特な音韻と
謎めいた歴史を感じさせる深い味わい」
~とは、外郎に入っていた栞(しおり)より。
それにしても、こんな美しい言葉でお菓子を紹介した記事を他に知りません。
さすが、西の小京都。
こんな外郎ですから毛利の殿様も、お好みだったのですね。