【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

フルコースで召し上がれ

2011-04-03 16:16:28 | A・クリスティーの館



ルーシー・アイレスパロウは
小型の自家用車を運転して、
いかめしい大きな鉄門をくぐった。
今はすっかり打ちてられていたが、
元は 番小屋 と覚しい小屋があり・・(中略)

長い、曲がりくねった道が、
こんもりとして暗い 石楠花しゃくなげの繁み を縫って、
屋敷まで続いていた。
ウィンザー城 を小さくしたような館が見えた時、
ルーシーはあっと息を吞んで、微かにあえいだ。
         【A・クリスティー作「パディントン発4時50分」】  


   寒いとまでは行かないまでも、ヒンヤリとした朝を迎えました。
  加えて今日は真珠色の空。この処の春らしい陽気とは一変です。

   ただ、私の中では “火” がある事になぜか安心もして。
  石油ストーブの上にお湯が湧き、時には煩(うるさ)く思える、
  リズミカルな? その音も、妙に懐かしいような・・。

   そう言えば、ストーブの上って便利です。
  いつでもお湯が湧いていますから、お茶だってすぐに頂けます。

   又、さつま芋をアルミホイルに包んで置いて置けば、
  僅かな時間で焼芋と・・すっかり重宝しています。

   “ここ数日間の手持無沙汰の感は、これだったのだわ”
  ~なんて確認した次第です。


   さて、久し振りのアガサ・クリスティーは、「パディントン発4時50分」
  ちょっと前に読了していながら、今日までずれ込んでしまいました。

   擦(す)れ違う列車の中で殺人事件を目撃するという、
  まるでヒッチコックの 「裏窓」 を連想させる、ストーリー展開。

   タイトルからは 「オリエント急行殺人事件」 に代表されるような
  列車物と思われますが、最初だけ。

   その舞台背景も上記の描写のような、
  独特の雰囲気がありますから、嫌でも引き込まれてしまいますね。

   のみならず、「クリスマスプディングの冒険」 のように
  料理、お茶シーン等など・・満載ですから私なんて、もうお腹一杯。

   この小説は、ミス・マープル物ですが、やはり女性が主役だからでしょうか。
  料理、お茶、植物などの描写がポアロ物より多いような気がします。

   そうそう肝心の犯人。
  様々な登場人物の中で、“1番犯人らしくない者” を選んだつもりですが又々、外れ。
  ミス・マープルの冴え渡った推理力には脱帽です。

   最後に。ラザフォード邸 の本日の夕食メニューです。
  たっぷりどうぞ! 但し、自己責任でどうぞ。


   【注 : 「シラバブ」 → 牛乳、あるいはクリームに、
  葡萄酒、林檎酒などを混ぜ、砂糖と香料を加えて泡立てて固まらせたもの】