【紅一点】
【モノトーンの世界】
ある木々は社交的に、 枝を交えて一緒に成長するのを愛する。 イルゼと私が肩に腕をかけて、 内緒話をするように、 仲良く育って行くのである。 そうかと思うと、四、五本だけかたまり合って 他からは離れている木もある ―― (中略) それから又修道僧のように、 一人群れから離れて真っ直ぐに高く立ち、 空の風とだけ語っているのもある。 けれどもこういう木こそ 一番知る価値のあるものだ。 【「エミリーはのぼる」 第1章】 |
【借景の名残り紅葉(もみじ)】
昨日の雨は
上がりましたが、
なかなかすっきりした
天気にはなりません。
一昨日と同様、今にも
泣き出しそうな重い空。
いいえ、ほとんど
降っているかいないか、
分からないような・・・
霧雨くらいは降ったの
かも知れません。
路面が濡れていましたから。
ただ日射しが
ありませんのに、意外にも
気温の方はそれ程低くは
ありません。
どうやら今晩辺りから
寒くなるそうですね。
まだ、その気配は
全くありませんけれど。
借景のお隣の山紅葉は、
まだ半分程度残っています。
一方、我家の野村紅葉は
すっかり落ち切って、
既に冬枯れ状態。
そう言えば、ここにも
何度も登場している
藜(あかざ)も。
そして、今日の引用文の
如く、藜は紅葉と
すっかり仲良しです。
この藜、そろそろ抜いて
整理しようと思ったのですが、
(簡単に抜けます)
もう少しこのままに。
クリーム色になった
葉っぱに風情がありますから。
アース色になった世界に、
お隣から飛んで来たのでしょうか、
紅葉の赤い葉っぱが鮮やかです。
丁度、一週間前の 「散り際の美学」 もそうですが、
日本独特の 「引き算の美学」 もなかなかです。
紅葉(もみじ)のように脚光を浴びる木もあれば、
藜のようにひっそりと咲き、ひっそりと散る木? も・・。
その儚(はかな)さ、さり気なさ。
来年は、どんな姿を見せてくれるでしょう。今から楽しみです。