ドアを開けたのは、隠退した紳士の従僕の 完璧な身本とも言うべき人物だった。 その顔は無表情かつ慇懃であり、 特にロンドンのこの辺りで 良くお目にかかる顔だった。 「どうぞこちらへ」 従僕が彼女を案内したのは、 二階 の、いかにも居心地良さそうな居間で、 大きな 革張りの肘掛椅子 が用意されていた。 【A・クリスティー 「七つの時計」】 |
こちらは昨日とは打って変わって
雲、一つない快晴の空となりました。
そう言えば昨夜、何気に見たお月様は美しく、
暫(しばら)く、見惚(と)れていましたっけ・・。
今日のこの空を予感したものです。
今日も昨日の続きを。
茂庵(もあん)でかなり
寛いだ後、河原町へ。
デパート等をぶらついた
後、写真の喫茶店に。
友人が学生時代に良く
来ていたお店だそうで、
それ以来の事。
○十年振り? という事も
あり、筋を間違えたりして
迷いました。
“ひょっとしたら、
やっていないかも知れない”
当然、その心配も
ありましたものね。
でも、さすが京都!
ちゃんとありました。
友人によれば椅子が違うだけで、ほとんど当時と一緒だとか。
勿論こんなアンティークな喫茶店、私に異論のあろう筈はありません。
何でも、昭和9年に創業なのだとか。歴史がありますね。
そうそうこのお店、まさに今日の例文の通りの世界? だったのです。
いつもの 『アンの世界』 から、
一足飛びに 『A・クリスティーの世界』 へ。
重厚なドアを開けると、近衛兵のようなクラシックな制服を着た
従業員の方に、「お二階へどうぞ」 と、おもむろに案内され・・。
尤も隠退した紳士ではなく、若かったですけれど。
そして、(革張りではないけれど)肘掛椅子に導かれたものです。
そこは、こんなアンティークな空間。
私の事ですから、ここでも 「想像の余地」、全開です。
ところでこちらのお店、
ウィンナ珈琲はあるものの、普通の珈琲? はありません。
仕方なくウィンナ珈琲を注文しましたが、
一緒に注文したチョコレートケーキは美味でした。
カップは、「ノリタケ」。
ただ、このお店のちょっとした違和感。
“少し、カップの下げが早いな” と。
帰って食べログを見ましたら、あまり長居の客は好まないとの事。
中には “もう一度、メニューを持って来られた・・”
~なんて、記してあるのもありました。
混んでいるのなら分かりますが、そうではないのですから。
少し位、大目に見ても・・なんて思った次第です。