廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

第18回 ショパン国際ピアノコンクールの様子がリアルタイムで観れるなんて

2021年10月17日 | Classical
今、ちょうど第18回のショパン・コンクールの予選がワルシャワで開かれていて、その様子がネットでほぼリアルタイムに観ることができる。

https://chopin2020.pl/en/

5年に1度開かれるこのピアノ・コンクールはおそらく現存するコンクールの中では最も古く、権威があり、一番有名である。
オリンピックと一緒で、本当は去年開かれるはずだったが、コロナ禍で1年延期となり、今年の開催となっているわけだ。
活字でしか知らなかったこのコンクールが自宅に居ながらリアルに鑑賞することができるなんて、何だか信じられない世の中になったものだ。

このコンクールはその名の通り、ショパンの曲しか弾くことが許されない。コンクールの開催理念が、ショパンの優れた解釈者を発掘する
ことが目的だからだ。ただ如何せん、私はショパンの曲が概ね嫌いだ。こう言うと大抵は驚かれてしまうんだけど、好きになれないんだから
しかたがない。だから、すべての演者の全演奏を聴くのはちょっと辛いものがあったりして、全部を正座して聴いたわけではない。
ところどころをつまみ食いする、という不謹慎極まりない聴き方だった。

ファイナリスト12名の中に反田恭平、小林愛実が残り、これから本選で競い合うことになる。反田恭平はさすがに別格的に上手かったけど、
私は選外となった進藤美優の演奏が良かったと思っていて、彼女が残るといいなと思っていたけど、今回の審査員にはウケなかったらしい。
果たして、この中から未来のポリーニやアルゲリッチは生まれるだろうか。



ミハイル・ヴォスクレセンスキー 20のノクターン               ウラジミール・ソフロニツキー ポロネーズ Op.29、他


ショパンを家で聴こうなんて思わないので基本的にはレコードやCDは買わないのだけど、例外的に「これはちょっといい」と思って
たまに聴くものもこうして少しだがある。これらに共通するのは、ピアニストの個性や力量がいわゆる”ショパン的”なものを大きく
飛び超えていることだ。だから、”ショパン的”なものに拒否反応が起きる私でも聴くことができるのだろう。

尤も、こういう演奏を国際コンクールなんかでやってしまうと、予備の予選で落ちてしまうだろう。審査員に言わせると言語道断、
こういうのはショパンとは言えない、と門前払いになる。だから、「何かショパンのいいレコードを探しているんだけど」なんて
言われた際には、間違ってもこのあたりは推薦できない。そういう人には「名盤100選」お墨付きの綺羅星の如く輝く名盤たちを
お勧めしておくのがよろしいと思う。



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