salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・恋は教わることから・・・?

2007-07-18 22:24:32 | 本・雑誌
仕事でも趣味でも、自分が知らないことや世界について
熱く語る人、教えてくれる人に昔から弱い。
語られるその世界にいざなわれ
すごく贅沢な時間をいただけるような、そんな気分になる。
ましてや、言葉で語らずとも、その背中で教えられると…ね。
10代女子が、先輩や先生にココロ惹かれがちなのは
そんなことも関係あるのかも?

今回読んだのは、山田詠美さんの
『風味絶佳』(文藝春秋)。

『ベッドタイムアイズ』なんかの印象が強すぎて
『ぼくは勉強ができない』とかも読んでいるはずなんだけど
「ちょっと世界が違うかなあ」という
“読まず嫌い”でいたことを、今回反省。

鳶、引越し屋、ガソリンスタンドのお兄さん、ゴミ収集車の人など
力仕事をしている男性の恋模様と
周辺の人間模様を描いた短編集。

男の人の働く姿っていうのはカッコいい。
(注・人による・笑)
それを見てグッときちゃう女の人って
多いような気がする。
特に、力仕事っていうのはね。

スーツ姿で、机でパソコンに向かっているとか
会議室でプレゼンしているとか
それはそれでいいんだけど、わかりやすすぎる。
偏見ではなく、女の人が入りにくい場所だからこそ
そこにある男の世界に魅せられるんでしょう、たぶん。
何度か目の当たりにした、引越し屋さんの手際のよさ。
SS(ガスステーションと呼ばねばいけないそうです…詳しくは本書を)
の人たちは、親切で、車のことも詳しくて(当然か)
キビキビしていて頼もしい。
個人的には、JAFの方々、好印象。

力仕事についている男の人を通して
そこに描かれる女の人たちが、またいい。
かわいいだけじゃなく、強くて痛々しくてせつなくて。
詠美さんの話は、女の子に対して愛情がある。

一番好きなのは、引越し屋さんの話。
大人がする初々しい恋の話、味わい深し。

もしかしたら中には、今問題になっているような
非正社員として働いている人も多いのかもしれないけれど
そこにあるプロ意識は、人を輝かせる。

ところで、タイトルの“風味絶佳”は
あの有名なキャラメルの箱に書いてあるそうですね。
スーパーで探したら、箱のはなかったんだけど
袋入りのがあって、ちゃんと“風味絶佳”と
書いてありました。

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