黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「崩壊」していく日本(2)――「強権」安倍政治はどこへ行く。

2015-10-30 09:25:52 | 近況
 聞こえのいい「経済の強化」を全面に押し出し、その「強権」ぶりを背後に隠しつつ始まった第3次安倍「極右」政権がいかに「民意」を無視して「横暴」極まりない政治を行おうとしているか、それは昨日から始まった沖縄・辺野古沖の「新基地」建設の着工によって、いよいよ明らかになった
 安倍「極右」政権が「詭弁」「と偽善」によって国民を騙し続けていること、それは特定秘密保護法の制定から集団的自衛権行使容認の閣議決定、さらには引き続く安保法制=戦争法案の国会審議において白日の下に晒されてきたことだが、今回の沖縄における「新基地」建設着工は既定のこととして――アメリカ大統領との約束、安倍首相が安保法案=戦争法案の成立だけでなく、沖縄・辺野古沖の「新基地」建設までも、アメリカで約束していたとは、そのあまりの「ポチ」ぶりに今更ながら驚くが――、沖縄県人及び本土の心ある人々の強力な「反対」を押し切って進めていることに対して、今更ながら強い憤りを覚える
 何よりも腹立たしかったのは、この辺野古沖の「新基地」建設について発言した安倍首相をはじめ菅官房長官、世耕副幹事長らが、打ち合わせがあったのだろうが、口を揃えて「普天間基地の危険性を一日も早く除去するため」と言い、そのことと本来は別な大問題であるはずの「辺野古沖の新基地建設」をリンクさせていることであった。マスコミなどが「在日米軍基地の74%が沖縄に集中している」「そのために沖縄では米軍兵士絡みの犯罪が頻発している」などと報じているにもかかわらず、「普天間基地の移設」については声高に話し、「辺野古沖の新基地建設」によって在日米軍基地の沖縄における比率がさらに高くなることについては「沈黙」を守る安倍「極右」政権の「詭弁」を、今こそ暴露し、その対米従属ぶりを指弾しなければならない
 つまり、沖縄を訪れた人はすぐに理解できると思うが、米軍基地は沖縄の至る所に散在しているのだから「世界一危険な」普天間基地の一つや二つ(本音を言えば、全て)返還したって、アメリカ軍(海兵隊)は決して困らないと思うのに、「軍事国家」化を目指す(いずれ「辺野古沖の新基地」は自衛隊の占有基地になるか、米軍と自衛隊の共有基地にしたいと考えているのだろう)日本の思惑と、莫大な費用を必要とする極東・太平洋に展開する米軍の経費削減を悲願とする米軍・オバマ大統領との「思惑」が一致し、辺野古沖の新基地建設は、「強権的」に進められようとしているということである
 もし、安倍政権が本気で「世界一危険な普天間基地」の撤去を望むなら、「辺野古沖の新基地」への移設などと言わず、「人道」を重んじる(?)アメリカに対して、強力に撤去を望めばいいのである。アメリカも日本も中国や北朝鮮の「人権」については、口うるさく「人権が軽視されている」「非民主的だ」などと弾劾し続けてきたのに、「普天間基地」の存在こそ「非人道的」な極致だと僕は思っている。
 ぼくらは、もう一度普天間基地に隣接する沖縄国際大学の建物に戦闘ヘリコプターが墜落し、その処理も日本の警察や消防ができなかったこと、この事件をそう期すべきなのである。あの黒く燃えた校舎の壁を見れば、「辺野古沖への新基地建設」とは別な次元(レベル)の問題と言うことがすぐ分かるはずである。
 それなのに、本土の人間は「移設」などという「虚偽・詭弁」に騙されて、「沖縄差別」が明々白々な「普天間基地」の辺野古沖への新基地への「移設」を容認しようとしている。これは、「失敗」したアベノミクスへの反省無きまま、これまた実現できない「介護離職ゼロ」とか「2020年に出生率1.8」などという「ごまかし」を行う安倍政権(内閣)に「40%」以上の支持率を与える日本国民の「愚かさ」と相通じるところがあるように、僕には思われる。
 なぜ、日本人はそんなにも愚かなのだろうか
 笑ってしまったのは、問題の「辺野古沖新基地建設」に「GO」サインを出したのは、権力にしがみつくことでようやく存在価値を見いだしているように見える「平和と福祉の党」公明党出身の石井国交大臣だったという事実、である。役目柄とはいえ、「戦争」と深い関係のある「基地」の建設を推進する責任者としては、どのような気持なのだろうか。
 さらに指摘しておきたいのは、アメリカと中国の関係は前回書いたように、南シナ海における米中の「緊張」は結果的にお互いのパフォーマンス(「公海」上のイージス艦の航行、それに対する中国海軍の追尾・警告)に過ぎ無いということであり、安倍「極右」政権が安保法制=戦争法案の審議の際に強調した「中国・北朝鮮の脅威」は、作られたものであるということである

最新の画像もっと見る

コメントを投稿