牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

肥育牛の蹄葉炎の一例

2008-09-29 20:32:53 | 牛の病気


生後25ヵ月令の去勢牛であるが、蹄葉炎に罹り、餌を食べる時、前肢のヒジを突いたままある。
無理矢理、前肢を伸ばせば、直肢状態でロボット病とも称される。
肥育牛の蹄葉炎の原因は、粗飼料の摂取量が少なく、濃厚飼料の摂取割合が多いと発症しやすい。
和牛では、子牛相場を期待する余り、濃厚飼料に頼る傾向があり、そのために、肥満児様の子牛は、粗飼料の食い込みが減少し、肥育段階になっても同様の傾向となり、やがて蹄葉炎を発症することとなる。
つまり、ルーメンアシドーシスとなるため、それが蹄葉炎を引き起こす。
蹄葉炎には、様々な症状があると聞く。
導入して数ヶ月経つ頃に、蹄が広がり正常な形ではなくなるケースがままある。
こうなると悪循環で、蹄にかなりの痛みがあるために、運動量も少なくなり、食欲の低下と次第にツナギも弱くなる。
濃厚飼料の給与量を抑え、出来るだけ粗飼料主体とし、変形した蹄は、早め早めに形良く削蹄して、対処しているが、完治することは余りない。
余程早期に対処することで、治ることもある。
その様な牛の角や蹄にやや赤っぽい縦筋が残っていることがあるが、アシドーシスの後遺症状であると獣医師の説明である。
牛は草で飼うの基本が生かされていれば、蹄葉炎はないのかも知れない。




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