牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

「趾間過形成」という蹄の病気

2011-06-28 19:56:18 | 牛の病気

5頭の群飼いで肥育中の生後月齢20ヶ月の去勢牛が食欲不振とのことで初診を受けた。
初診と治療が終了したが、その後の歩行状態が異常なことに気付いた獣医師は、右後肢の蹄間にその原因があるとして、該牛を柵に保定し右後肢の蹄底が上向きになるように固定したところで「趾間過形成」だと言い、「こんな酷いのは始めて診た」というのが写真下である。
乳牛では和牛より発生率が高く、蹄間に蹄叉腐乱などの感染が原因で起きる疾患のようである。
勿論、当センターでも初の疾患であった。
感染ルートは不明であるが、蹄底の蹄間に腫瘍のようにはみ出しているのは、外蹄内部から飛び出している。
治療では、抗生剤を満遍なく塗布し、飛び出した部分を外蹄内に納め、写真上のように畜産用ガムテープでしっかりと固定して巻き取り、その上を再度写真の様に二重巻きにして保護して処置を終えた。
1週間近くかかって患部の改善が診られなかったら、外底のみを切除することになるかもしれないとのことであった。
これに関連して、該牛の両頸側に他牛から突かれた小傷が複数箇所見受けられた。
食欲不振もさることながら、この傷を注意深く早めに発見して、何故突かれるようになったかを調べることで、疾患を早めに発見できたであろうと担当者らと反省した次第である。
また群飼いでの観察項目が増えたが、日頃の観察内容をさらに注視することの重要性についても同様である。



 







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