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以前ロース全体の写真を貼り付けたことがある。
ロースは、肩の辺りにある第3胸椎辺りから発生して腰角間である十字部近くまで伸びて、その長さや重量は、牛の筋肉の中では、ずば抜けて大きく、肩から第12胸椎までをリブロースといい、第13胸椎(季肋骨)から第6腰椎にかけてロインロース(サーロイン)とされている。
ロースの形は、リブロースは楕円筒状をしており、ロインはサーロインステーキで判るように横に平たくロース幅が大きくなっている。
リブロースの肩よりほどその直径(ロース芯面積)は小さく、ロインに向かって次第に大きくなり、十字部辺り(第6腰椎と仙骨の間)が最大となっている。
現在食肉市場では、ロース芯面積を測定したり肉質を判定するために、リブロースの第6~7肋骨間(胸椎間)を切断しているが、これらのことから、この部位でのロース芯面積が大きいと云うことは、ロース全体のボリュームが大きいことに繋がる。
一方ロースは筋肉の中でサシが入り易く、高級な筋肉とされている。
この様な形状や品質を考慮する限り、同じ手間暇と多量の飼料をかけて生産するからには、経済価値の高い部分をより多く生産するはものの道理である。
ロース芯面積が大きく、ロースの絶対量が大きくても、流通や小売り、そして料理の現場では、従来からそれらを無駄なく活かした方法が取られて、ステーキやすき焼き用として珍重がられている。
枝肉を審査する場合、大まかには一定の枝肉量とその形状に問題が無く、枝肉格付け結果が良好であれば、優れた枝肉とされ、同様な品質が複数居れば、当然ロース芯面積の大きい方が上位に選ばれ賞賛される。
それほどまでに、ロースの存在は、云うまでもないが重要視されているのである。
この様な優れた枝肉を生産することが、大方の肥育関係者が求めている肥育技術の一端でもあろう。