牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛の舌の役割

2008-04-04 21:31:46 | 牛の鼻と口
牛の舌は、口の中へ入った餌が飲み込んでも差し支えのない餌かどうかを舌で判別したり、味を感じたり、人の舌と同様の働きも有るが、餌などを口に取り込む働きもある。また、口周りや鼻孔の中を長い舌でなめながら掃除をする。この他にも重要な役目がある。手を自由に使えない動物特有の動作に体中をなめ回すという行為がある。何のための行為かと言えば、皮膚のどこかがかゆかったり、痛みを覚えれば、直感的に頸を大きく振り回して、その箇所を舌で力強くなめて回避する。
何故かゆいかは、牛に寄生するノミやシラミ、春から秋にかけてたかるハエやアブなどの被害である。その他、烏が牛の背中などを突く被害もあり、それらの箇所をなめて対処する。つまり、舌は人の掌に相当するのである。
牛の舌は意外と長い。50cm位有る。写真の舌は、舌の裏側である。黒毛和種の舌の上側つまり表側は、ねずみ色をしている。明治時代後半に、体格を大きく丈夫に改良する目的で、外国種を交配した。外国種は舌が白いため、その影響が現在でも確認出来ることがあり、中継ぎ、奥継ぎといわれて、継ぎのところから奥の方は白い色をしている。
牛の舌は、タンの名称で広く知られ、美味で重宝がられている。


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