牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

種雄牛の成績は安定性が一番

2009-03-15 22:22:36 | 肥育
           今売れ筋の安福久号の産子(母の父は平茂勝号)

今から6~7年以前、平茂勝号の産子が導入されれば、しめた!と思ったものである。
それまでの神高福号や忠福号などとは、若干異なる結果が出始めたからである。
異なる結果とは、その大部分がBMS no.5以上で、それ以下が滅多に出なかったと言うことである。
素牛導入上で、この様な結果が見込めることは、大変重要なことである。
この様に、常に上物にランクされる産子を生み出す種雄牛こそが、安定していて、優れた種雄牛であると判断できる。
平茂勝号の場合は交配雌牛との相性に左右される度合いが少なかったことが伺われる。
種雄牛の産子の成績については、平茂勝号のようなタイプもあれば、その相性によっては極上の成績を見るが、2~3等級も出るといったような成績がバラツクものもいる。
むしろ、このタイプが一般的であって、それ以下の種雄牛は論外であろう。
過去に活躍した種雄牛はその時点では、光っていた訳であるが、高齢となれば、それらの成績は自然に右下がりの傾向を示す。
全国的に改良に貢献した平茂勝号にしても、その傾向は同様に推移している。
それは、枝肉の格付が時代とともに、その見方に変化があることと、子牛も産次が多くなれば肥育成績が右下がりになるのと同様な遺伝的退化が有るのかも知れない。
また今では、年々優れた種雄牛が造成されているはずなのに、BMS no.12を獲得するには、至難の業である。
その様な理屈を例えとするならば、安福号のクローン牛が再生されたが、果たして、当時の安福同様な成果をもたらすかは、興味津々である。