牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

肥育牛房の広さ

2009-03-13 22:17:16 | 牛の管理
              仕上げ牛房(そろそろ仕上げ期の牛:面積3.5×3.5m)

頂戴したコメントに、肥育牛房の効率的な適正面積はと問い合わせがあった。
それに対する適切な正解は、なかなか難しい。
どの程度の広さが適正なのかは、飼う牛の品種・性別・一房何頭飼いか、増体系と肉質系などの違いにより、それぞ若干異なる。
当方では、育成期と仕上げ期を約半々に分けている。
育成期については、雌雄同様で、以前は1頭当たり2.5㎡であったが、現在では、5~5.5㎡に広げている。
また仕上げ期の去勢牛は、原則として2頭飼いであるが、1頭当たり6㎡を確保している。
雌牛については、以前2.5×3mに2頭飼いであったが、現在は2.5×6mに3頭飼いとし、1頭当たり5㎡としている。
当初はこの広さで4頭飼いとしたが、雌は発情の再起があり、頭数が多いほど発情時の乗駕行動が増えるため、発情と乗駕による食欲低下が生じることから、1頭減らした。
また、狭いスペースに4頭飼いとすることで、いじめられる牛の発生率が高く、3頭(より揃った牛だけに出来る)にすることで、問題が回避された。
1頭当たりのスペースが4㎡未満の場合より、5㎡以上にすることで、飼料摂取量は明らかに増加し、増体効果があった。
育成期は、1房に収容する頭数分の飼槽幅を確保してやることが重要である。
ギュウギュウ詰めで、餌を給与した時に、飼槽に顔を出せない牛が出るケースでは、その牛は確実に気弱な牛で、次第に飼料摂取量が伸びず、群中で体重差が広がる。
この様なことに至らない様に、生後13~14ヶ月令では、1頭当たりのスペースを55cm以上、それ以上の月齢になれば65cm以上を確保する必要がある。