牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

ウシRSウイルス感染症

2009-03-04 22:34:06 | 牛の病気






前述した導入牛の風邪は「ウシRSウイルス感染症」であった。
担当の獣医師がその疑いをかけ、家保が検査した結果確定した。
この感染症は、今から40年あまり前に北海道で初発をみて以来、全国的に蔓延したとある。
ものの本によると、同症の症状は、体温が39.5~41.5℃が5~6日続いたり、または一過性の発熱があり、元気および食欲の減退、膿性の鼻汁、流涙、泡沫性の流涎、湿った咳、喘鳴、呼吸数の増加速迫がみられる。肺を聴診すると明らかなラッセル音が聴収される。同居牛には速やかに伝播する。
一般に本病の予後は良好で、発症後2~3週間で回復する。
予病はワクチンを接種して発病の予防を行うとある。
当方では、導入間もない牛が発症し、その2日後に1月の導入牛に伝播し、2日目にはその1頭が死亡した。
ウイルス性だろうから、導入2~3ヶ月以内の牛について、風邪の治療薬を全頭注射するように指示して、3日間留守にした。
その間、上記したように、家保の指導を受け、同症用のワクチンを再度接種した。
感染した牛は、同一人が担当している二つの畜舎のみであった。
家保が判定したその日の内に、7棟ある育成牛舎の全てについて、パコマを希釈して動噴で消毒した。
現在では、近時に導入し発症した全ての牛たちも、安定し食欲が回復した。
1頭の犠牲を出したが、獣医師の的確な判断と処置が功を奏したと判断している。