牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

安心安全な牛肉生産を考える

2009-03-09 23:42:06 | 肥育
肥育用導入牛は疾病無しで、順調に発育し増体することが、優れた肉量および肉質に繋がる。
そのために、肥育現場では、下痢や肺炎などにかからないための試みを行っている。
導入直後から、整腸剤や抗菌剤や乳酸酵母剤を半年間与えたり、磁石をルーメン内に飲み込ませるというのもある。
また、獣医師の指示書の下で抗生剤を投与する例もあるという。
抗生剤は長期に投与することは、副作用や体内残存の問題があるために、精々1週間程度の投与となる。
この様に、疾病に至ることのないように、予防的な処置を行う傾向をしばしば聞く。
しかし、食肉生産を目的とする家畜へのこの様な傾向を、諸手をあげて是とし難いものがある。
当方では、これまで薬品による予防処置は、導入時にヘモフィルスワクチンとテラマイ筋注ぐらいである。
導入直後は、乾草を飽食させることと前期配合・発酵飼料・ふすまを適量与えることで、体調強化を狙った飼い方を行っている。
その結果、前期発育中の牛たちは、写真に見るように、近付いてシャッターを押しても、安心した様相で満足げである。
この姿に飼い主は大いに満足である。